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夏祭り後半戦 その2
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「あんたの夫、手に入らない物なんてないからな。夏休み休暇をありがとうと言ってニッコリ笑ってキスの一つもしてやれば喜ぶんじゃねえの」
2人で露店を回りながらミセイエルへのお土産を物色していると団子屋の娘のユウが込み合う河川敷を人込みを縫うようにして駆け寄って来た。
「ハナさん大変です。セネガルドが餡団子と一緒に出したお抹茶を飲んだとたん気分が悪いと言い出して、救護所に運ばれたあと抹茶にあたったかもしれないと苦しんでいます。わたし、あちらの抹茶のことはよくわからなくて、何かお薬はありますか」
抹茶にあたった?そんなバカな!?
青い顔でそういうユウの言葉が信じられなくて、一瞬ポカンとしたハナは、とにかく様子を見ようと救護所まで案内してもらうことにした。
オレも一緒にというノアをユウが引き止める。
「ノアさん、お店の前でセネガルドの様子を見ていた人たちが毒入りの食べ物を売っただの、賠償しろだの、見舞金を出せだのと観光客をあおってひどい騒ぎになっています。そちらの方を収めて頂きたいのですが」
そう言われて、ハナはノアと別れ、ユウと一緒に祭りを楽しむ人々の間を縫って救護所に急ぐ。
ハナに付いていたSP達が人の波に飲まれてついて行けない状況に青くなっているのだが、そんなことは露知らずのハナは急がされるままにユウの後を追う。
「ねえ、ユウちゃんセネガルドの症状はひどく悪そう?」
「わかりません」
「お腹の痛みは訴えてた?」
「わかりません」
「吐き気はあった?」
「わかりません」
「かゆみや発疹は?」
「分かりません」
ユウちゃんを見ればやや硬い表情でさっきから言葉少なめ?
突然のアクシデントにパニクってる?
何を聞いてもわかりませんを繰り返すユウへの質問を諦めて黙って並んで走る。
でも、あれ?救護所ってこの方角でよかったかな?
「ねえ、ユウちゃん救護所は中央広場に隣接してるんじゃなかったけ?なんか中央より離れて行ってない?」
・・・
「第2救護所に運ばれたんです」
目の前の空気を睨みつけるようなユウはまるでハナを遮断しているかのようで、それ以上声を掛けるのもためらわれ、どうしたものかと思案しているうちに随分はずれにある第二救護所に着いた。
「ここが第二救護所?どこかの別荘みたいだね」
「はい。ここは炎家の前当主の別宅で救護所として貸し出されています」
門の前には大柄な門番の男性が2人いかめしい顔つきで直立不動で立っていた。
ユウちゃんが、ハナさんを連れてきましたと頭を下げると重い開き戸がギィーと音を立てて開く。
中にいた壮年の男性にこちらですと誘導された。
そして案内された小部屋にはベッドが置かれていて、その上に若い男性が壁側を向いて横になったいた。
あれ?たしかに見た事あるシルエットなんだけど?なんかセネガルドにしては違和感があるような?
「あのう、具合はどうですか?普段から食べ物にアレルギーなんかあるんでしょうか?」
遠慮がちにおそるおそる近づいて横になっている背中に声を掛けると、男がいきなり寝返りを打って起き上がった。
赤い髪に緑のやや垂れた優し気な眼差しは間違いなくセネガルドだったことに安心する。
「あなたが来てくれたから気分はいいよ」
心配して駆け付けた彼の体調が思いの外良さそうな事に安堵し、顔色を窺うためにさらに近寄ったハナに長い腕が伸びてきてガッチリとホールドされた。
「ちょっと、何するのよセネガルド!」
怒鳴るように文句をたれると自分をホールドする男のオーラが毒々しいものにがらりと変わる。
「つっかまえった」
!!!
小バカにしたような言い回しと、ニヤつく口元に下卑た感が漂っていて。
目の奥にある温度が急降下し凍り付くように冷たくなったセネガルドの瞳にはもはや優しげな色は微塵もなくなっている。
「あなた、だれ?」
「セネガルドだよ」
「わたし、昔から人を見る目だけはあるの。肝心な時に人間違いは絶対しない」
そう宣言して相手を威圧するように睥睨してからもう一度尋ねる。
「あなた、だれ?」
「ハハハ、やっぱり伝説のお姫様には敵わないか」
「なに、それ?」
「あっ?自覚なしっていう情報あったけどマジだったの?」
全くかみ合わない会話に疲れ、ユウちゃん戻ろうか、と声を掛けようとすると彼女が跪いてセネガルド、モドキに頭を下げていた。
あれ?ユウちゃんと知り合い?と首を捻っていると彼女が口を開いて、セルドルド様、と呼びかけた。
この男、セルドルドていうの?
「こんなところで長居をする時間は無いかと。すぐにノア様に知られてしまいます」
「ああ、彼、最近能力高くなってるからね」
???
「僕ね、他人の能力を測って的確にデーター化する能力に長けてるの。それに無効力化することもその他のことも多少可能かな」
???
「その能力を使って特殊能力のデーターを取ったら、1番は君、2番が嶺家の次男、3番がゼウス、4番が次期、あ、桜家のアサファ殿もなかなかのものだよ」
フフフ、とまるでお気に入りのおもちゃを手に入れたかのように嬉しそうに笑いう。
だから、と言葉を添えて狂喜の潜む眼差しをハナに向けた。
「サンプルになってよ」
えっ、と思う間のなく白い布が口と鼻を覆うと同時にハナの意識は途切れた。
「今夜、あなたに力を使われたら面倒だからね。しばらく休んでいてよ」
***
ノアは空間移動でユウの餡団子屋の露店の前に移動し、目の前に広がる光景に呆然となった。
パシリの1人であるイマリがハナの考案した笹餡団子をにこやかな顔で売っている。
客は順序良く店の脇に並び順番を待っている。
ここには空間移動する前に透視能力でチラリと見た人の騒ぐ映像が何処にもなかった。
これはいったい・・・
「ノア様、いらっしゃい。身内だからってズルは出来ませんよ。餡団子のお買い求めなら最後尾に並んでくださいね」
冗談交じりに声を掛けられて、ハッと我に返る。
「騒ぎを起こしていた男たちは何処へ行った?」
「騒ぎ?何のことですか?笹餡団子は昨日のハナ様のプレゼンのおかげで大人気ですし、みんなお行儀よく並んでくれますから騒ぎなんて起きていませんよ」
「だが、ユウが、ここでセネガルドが抹茶を飲んで体調を崩し救護所に運ばれたから見てくれと走ってハナを呼びに来て、ここは騒ぎが起こっているからオレに収めてくれと言ったんだが」
「セネガルドさんがどうかしたんですか?」
焦りのあまり早口になるノアの気持ちを読み取れないイマリののんびり口調にそこら中の物を叩き壊したいほど苛立つ。
「オマエがこの人出の多い時間帯に、ユウと店番を交代することは昨日からの約束か!」
ノアの感情の乱れが周囲の空気を揺さぶりテントの屋根が揺れ、客の服や浴衣の裾や袂がたなびくが気にしてなどいられない。
あまりの剣幕に引き攣りながら頷くイマリは、噛みつくように怒鳴られて初めて何かとんでもないことが起こった事をようやく察した。
嶺家の実力者をこれ程動揺させる出来事といって思い浮かぶことなど一つしかない。
「ハナ様に何かあったのですか?」
そう口にするイマリの顔ももはや色が無かった。
「ユウに連れていかれた」
「どういうことですか?」
2人で露店を巡っていると、ユウが、この店先でセネガルドが倒れて救護所に運ばれたと知らせに来て、と経緯を話して聞かせた。
自分も一緒に行くという主張を説き伏せたのはユウではなくハナだ。
騒ぎを収めるのにノアは配下の者をすぐに送ると言ったのだが、ハナは納得しなかった。
あたなは空間移動が出来るし、争い事はそれなりの権力者が諌めた方が早く収まる。
ノアにはその実力があるのだから、第至急収めて救護所に来てほしいと微笑まれては従わない訳にはいかなかったのだ。
この場の状況がユウの言ったことと異なるなら、救護所にセネガルドが運ばれたというのもおそらくない。
「いいか、イマリ。落ち着いて聞いてくれ。何が目的なのかは不明だが、ユウは誰かの意図に動かされてハナの誘拐に加担している可能性が高い。
それも、オレの脳内に一瞬ではあるが偽の映像を送り込めるほど、かなり高度な特殊能力の持ち主だ」
「ノア様の脳内をいじれる力の持ち主何て、聞いたことありません」
「ああ、オレも聞いたことはないが、5家は色々な事を隠しているからな」
この俺がいい例だろと、思わずノアが右頬が引き攣らせばイマリがそういうことは、信じたくないとばかりに首を横に振る。
「でもハナ様には皇家のSPの方が複数ついておいでですから、誘拐なんて信じられません」
「だからこの込み合う時間帯のオマエとの店番交代なんだ。人込みに飲まれたらいくら皇家の優秀なSPでも付いて行くのは難しい」
ヒィ
ユウに嵌められたかもしれないと気づかされたイマリが思わず悲鳴が漏れる小さな口を手で覆う。
「すぐに嶺家の顔見知りの侍女に思念を送ってここに呼ぶから、店番を代わってもらってオマエはランとルチアと3人でいつもの企画構成棟で待機だ。いいな」
目からは大粒の涙を零しながらもはっきりと頷いて冷静に指示を受け止めた。
「顔見知りですね。わかりました。それでノア様は?いかがなされるのですか?」
「異空間を覗きたいところだが、また偽情報を掴まされても困るから、今から救護所に飛んで事実を確認する」
そういうと瞬時にイマリの前から姿を消した。
(よく似た名前の人物が次々登場してきますが、混乱していませんか?私しょっちゅう間違えています。ごめんなさい by ouka)
2人で露店を回りながらミセイエルへのお土産を物色していると団子屋の娘のユウが込み合う河川敷を人込みを縫うようにして駆け寄って来た。
「ハナさん大変です。セネガルドが餡団子と一緒に出したお抹茶を飲んだとたん気分が悪いと言い出して、救護所に運ばれたあと抹茶にあたったかもしれないと苦しんでいます。わたし、あちらの抹茶のことはよくわからなくて、何かお薬はありますか」
抹茶にあたった?そんなバカな!?
青い顔でそういうユウの言葉が信じられなくて、一瞬ポカンとしたハナは、とにかく様子を見ようと救護所まで案内してもらうことにした。
オレも一緒にというノアをユウが引き止める。
「ノアさん、お店の前でセネガルドの様子を見ていた人たちが毒入りの食べ物を売っただの、賠償しろだの、見舞金を出せだのと観光客をあおってひどい騒ぎになっています。そちらの方を収めて頂きたいのですが」
そう言われて、ハナはノアと別れ、ユウと一緒に祭りを楽しむ人々の間を縫って救護所に急ぐ。
ハナに付いていたSP達が人の波に飲まれてついて行けない状況に青くなっているのだが、そんなことは露知らずのハナは急がされるままにユウの後を追う。
「ねえ、ユウちゃんセネガルドの症状はひどく悪そう?」
「わかりません」
「お腹の痛みは訴えてた?」
「わかりません」
「吐き気はあった?」
「わかりません」
「かゆみや発疹は?」
「分かりません」
ユウちゃんを見ればやや硬い表情でさっきから言葉少なめ?
突然のアクシデントにパニクってる?
何を聞いてもわかりませんを繰り返すユウへの質問を諦めて黙って並んで走る。
でも、あれ?救護所ってこの方角でよかったかな?
「ねえ、ユウちゃん救護所は中央広場に隣接してるんじゃなかったけ?なんか中央より離れて行ってない?」
・・・
「第2救護所に運ばれたんです」
目の前の空気を睨みつけるようなユウはまるでハナを遮断しているかのようで、それ以上声を掛けるのもためらわれ、どうしたものかと思案しているうちに随分はずれにある第二救護所に着いた。
「ここが第二救護所?どこかの別荘みたいだね」
「はい。ここは炎家の前当主の別宅で救護所として貸し出されています」
門の前には大柄な門番の男性が2人いかめしい顔つきで直立不動で立っていた。
ユウちゃんが、ハナさんを連れてきましたと頭を下げると重い開き戸がギィーと音を立てて開く。
中にいた壮年の男性にこちらですと誘導された。
そして案内された小部屋にはベッドが置かれていて、その上に若い男性が壁側を向いて横になったいた。
あれ?たしかに見た事あるシルエットなんだけど?なんかセネガルドにしては違和感があるような?
「あのう、具合はどうですか?普段から食べ物にアレルギーなんかあるんでしょうか?」
遠慮がちにおそるおそる近づいて横になっている背中に声を掛けると、男がいきなり寝返りを打って起き上がった。
赤い髪に緑のやや垂れた優し気な眼差しは間違いなくセネガルドだったことに安心する。
「あなたが来てくれたから気分はいいよ」
心配して駆け付けた彼の体調が思いの外良さそうな事に安堵し、顔色を窺うためにさらに近寄ったハナに長い腕が伸びてきてガッチリとホールドされた。
「ちょっと、何するのよセネガルド!」
怒鳴るように文句をたれると自分をホールドする男のオーラが毒々しいものにがらりと変わる。
「つっかまえった」
!!!
小バカにしたような言い回しと、ニヤつく口元に下卑た感が漂っていて。
目の奥にある温度が急降下し凍り付くように冷たくなったセネガルドの瞳にはもはや優しげな色は微塵もなくなっている。
「あなた、だれ?」
「セネガルドだよ」
「わたし、昔から人を見る目だけはあるの。肝心な時に人間違いは絶対しない」
そう宣言して相手を威圧するように睥睨してからもう一度尋ねる。
「あなた、だれ?」
「ハハハ、やっぱり伝説のお姫様には敵わないか」
「なに、それ?」
「あっ?自覚なしっていう情報あったけどマジだったの?」
全くかみ合わない会話に疲れ、ユウちゃん戻ろうか、と声を掛けようとすると彼女が跪いてセネガルド、モドキに頭を下げていた。
あれ?ユウちゃんと知り合い?と首を捻っていると彼女が口を開いて、セルドルド様、と呼びかけた。
この男、セルドルドていうの?
「こんなところで長居をする時間は無いかと。すぐにノア様に知られてしまいます」
「ああ、彼、最近能力高くなってるからね」
???
「僕ね、他人の能力を測って的確にデーター化する能力に長けてるの。それに無効力化することもその他のことも多少可能かな」
???
「その能力を使って特殊能力のデーターを取ったら、1番は君、2番が嶺家の次男、3番がゼウス、4番が次期、あ、桜家のアサファ殿もなかなかのものだよ」
フフフ、とまるでお気に入りのおもちゃを手に入れたかのように嬉しそうに笑いう。
だから、と言葉を添えて狂喜の潜む眼差しをハナに向けた。
「サンプルになってよ」
えっ、と思う間のなく白い布が口と鼻を覆うと同時にハナの意識は途切れた。
「今夜、あなたに力を使われたら面倒だからね。しばらく休んでいてよ」
***
ノアは空間移動でユウの餡団子屋の露店の前に移動し、目の前に広がる光景に呆然となった。
パシリの1人であるイマリがハナの考案した笹餡団子をにこやかな顔で売っている。
客は順序良く店の脇に並び順番を待っている。
ここには空間移動する前に透視能力でチラリと見た人の騒ぐ映像が何処にもなかった。
これはいったい・・・
「ノア様、いらっしゃい。身内だからってズルは出来ませんよ。餡団子のお買い求めなら最後尾に並んでくださいね」
冗談交じりに声を掛けられて、ハッと我に返る。
「騒ぎを起こしていた男たちは何処へ行った?」
「騒ぎ?何のことですか?笹餡団子は昨日のハナ様のプレゼンのおかげで大人気ですし、みんなお行儀よく並んでくれますから騒ぎなんて起きていませんよ」
「だが、ユウが、ここでセネガルドが抹茶を飲んで体調を崩し救護所に運ばれたから見てくれと走ってハナを呼びに来て、ここは騒ぎが起こっているからオレに収めてくれと言ったんだが」
「セネガルドさんがどうかしたんですか?」
焦りのあまり早口になるノアの気持ちを読み取れないイマリののんびり口調にそこら中の物を叩き壊したいほど苛立つ。
「オマエがこの人出の多い時間帯に、ユウと店番を交代することは昨日からの約束か!」
ノアの感情の乱れが周囲の空気を揺さぶりテントの屋根が揺れ、客の服や浴衣の裾や袂がたなびくが気にしてなどいられない。
あまりの剣幕に引き攣りながら頷くイマリは、噛みつくように怒鳴られて初めて何かとんでもないことが起こった事をようやく察した。
嶺家の実力者をこれ程動揺させる出来事といって思い浮かぶことなど一つしかない。
「ハナ様に何かあったのですか?」
そう口にするイマリの顔ももはや色が無かった。
「ユウに連れていかれた」
「どういうことですか?」
2人で露店を巡っていると、ユウが、この店先でセネガルドが倒れて救護所に運ばれたと知らせに来て、と経緯を話して聞かせた。
自分も一緒に行くという主張を説き伏せたのはユウではなくハナだ。
騒ぎを収めるのにノアは配下の者をすぐに送ると言ったのだが、ハナは納得しなかった。
あたなは空間移動が出来るし、争い事はそれなりの権力者が諌めた方が早く収まる。
ノアにはその実力があるのだから、第至急収めて救護所に来てほしいと微笑まれては従わない訳にはいかなかったのだ。
この場の状況がユウの言ったことと異なるなら、救護所にセネガルドが運ばれたというのもおそらくない。
「いいか、イマリ。落ち着いて聞いてくれ。何が目的なのかは不明だが、ユウは誰かの意図に動かされてハナの誘拐に加担している可能性が高い。
それも、オレの脳内に一瞬ではあるが偽の映像を送り込めるほど、かなり高度な特殊能力の持ち主だ」
「ノア様の脳内をいじれる力の持ち主何て、聞いたことありません」
「ああ、オレも聞いたことはないが、5家は色々な事を隠しているからな」
この俺がいい例だろと、思わずノアが右頬が引き攣らせばイマリがそういうことは、信じたくないとばかりに首を横に振る。
「でもハナ様には皇家のSPの方が複数ついておいでですから、誘拐なんて信じられません」
「だからこの込み合う時間帯のオマエとの店番交代なんだ。人込みに飲まれたらいくら皇家の優秀なSPでも付いて行くのは難しい」
ヒィ
ユウに嵌められたかもしれないと気づかされたイマリが思わず悲鳴が漏れる小さな口を手で覆う。
「すぐに嶺家の顔見知りの侍女に思念を送ってここに呼ぶから、店番を代わってもらってオマエはランとルチアと3人でいつもの企画構成棟で待機だ。いいな」
目からは大粒の涙を零しながらもはっきりと頷いて冷静に指示を受け止めた。
「顔見知りですね。わかりました。それでノア様は?いかがなされるのですか?」
「異空間を覗きたいところだが、また偽情報を掴まされても困るから、今から救護所に飛んで事実を確認する」
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