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曰くの指輪 その1
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ル~ン
彼にしか聞こえない小さな共鳴音に驚愕し、送った指輪の持ち主を見定めるために理知に溢れる黒檀の視線を向ける。
食い入るように女を見つめる彼の眼差しは愛しい者に向けられるそれに見えないこともない。
熱く鋭い視線を真っ直ぐに受け止めた女が口角をほのかに上げて笑う。
「私、3ヵ月前にキヌアに倒れていたところを母に助けられてお世話になっているんですけど、それ以前の記憶はないんです」
ハっ!
ミセイエルの喉の奥でハっに続くナの音が張りつく。
それに反応するようにサクラと紹介された女の首がわからないことを問うように少しだけ右に傾き、声は呟きになった。
「ハ?、ナ? 記憶を失う前の私の名前は、ハナだったのかしら」
彼女の思わせぶりな仕草やセリフがわざとらしい。
わかっていても余裕のない今のミセイエルから、らしからぬ驚愕の表情を引きずり出す。
「それは、どういう、こと?」
「私、自分の名前も忘れてしまって。でも時々夢の中ではゼウス様にそっくりな男性が私のことをハナと呼んで、これを私の指に嵌めてくれるんです」
ミセイエルがハナの指にこの指輪を嵌めたのは一度だけだった。
ハナが指輪を返しに来たリークグループ本社のロビーではじめて彼女の手を取ったのだが、いつも強引に事を進めるミセイエルが壊れ物を扱うようにおそるおそる彼女の手を取ったのを見たセナからら随分揶揄されたものだ。
「その時の状況は覚えてるの?」
「ハイ」
「確かにこの指輪は僕が妻に送ったもだが、ハナ?なの?」
「それは、・・・。私がゼウス様と結婚した女だということでしょうか?」
鬼気迫るミセイエルに気圧されたサクラは困ったように俯いて、一呼吸おいてから顔を上げあどけない顔で微笑む。
「だったら、嬉しいです」
サクラの腰をミセイエルが感情を隠したゼウスの笑顔で引き寄せた。
「ハナ」
君が、僕の大事なハナだというのなら僕の腕は君をエスコートする。
***
ミセイエルは入籍時、諸事情に加え離れて暮らすことを望むハナに、自分の執着心が届く特別な力を持つエンゲージリングを贈った。
おはよう、ハナ。
そう言って、朝目覚めるとすぐにミセイエルは自分の左手の薬指にある指輪に軽いキスを落す。
春の日、花見に出かけた先で、ハナが自分の薬指に優しいキスを落した仕草があまりにも可愛らしくてまねたのが始まりだった。
『ごめんなさい、あたた』
優しく愛おしい人を思ってするその仕草は、間違いなく自分への謝罪であの瞬間に何とも言えず幸せな気持ちになったことを覚えている。
あの日から目が覚めると、おはよう、眠る前には、お休み、と言って左手の薬指に嵌った指輪にキスをする習慣が身に付いた。
強引に一緒に住み、色々な事があって、彼女が笑顔を取り戻してからは、ミセイエルさん、過保護すぎますと散々言われたが出来る限り彼女を甘やかし、毎日のように愛していると囁き、好きだと迫るたびに甘い喜びを感じた。
そうするうちにそっと抱きしめて頬や目尻におはようやお休みのキスをしても彼女は反撃しなくなって、心も体も一歩ずつ距離を詰める幸せな時間を一緒に過ごしていた。
なのに。
突然自分の腕の中から彼女が消えて、また指輪にキスを落す習慣が戻って来た。
今は離れてしまったハナの代わりに、一日に何回も対の指輪に唇を寄せる日々が続く。
指輪の堅い感触が唇に当たるたびに、君は僕のものだよ、と囁く。
ハナが僕のものだということを忘れないように、他の男がハナを誘惑しないように指輪を通して自分の強い独占欲と執着心を彼女の指輪に流しこむ。
そして、甘い声でエンゲージリングを肌身離さず身に着けていて、と祈りにも似た思いで囁き続けた。
そうすることで離れている彼女を囲い込んでいた。
なのになぜ、目の前の女がそれを身に着けている???
ミセイエルは、ハナに贈ったはずの指輪が目に飛び込んできて、目の前の女の左手を思わず握りしめた。
「確かにこの指輪は僕が妻に送ったもだが、ハナ?なの?」
伸ばした左手にある指輪と、目の前のハナと見まごう女の左手に嵌った指輪がピタリと並ぶときに出る一対を示すル~ンという特殊な振動音に聴覚を刺激されると平常心を失いそうだ。
この指輪をどこで手に入れた?
なぜ、この女がそれを身に着けている?
それとも、目の前の自分の心を微塵も動かさず惹きつけもしない笑顔や仕草を見せる女がハナだというのか?
以前は、輝くように見えた柔らかな笑みや、可愛らしく首を右に少しだけ傾ける癖がひどく色あせて見える。
彼女が、変わった?
ダイヤモンドオウカであることを否定して、その輝きを失った?
ふと心に過ったのは花火大会でハナが特殊能力を持つ自身を完全否定して、ただの地上人になりたいと願ったことだった。
だったら・・・
たとえ彼女が色あせようとも、それがハナなら愛し続ける。
自分はどんなことがあっても彼女を手放さないと誓って指輪に執着と永遠の愛を刻んだのだから。
目の前の女が僕のハナだというのならどんな君でも僕は迷わず君の手を取るよ。
笑みを浮かべたミセイエルが黒髪黒目のお下げ髪の少女の腰を抱いて豪華な部屋の扉に向かって歩き出す映像が領主鄭のそこここに設置された巨大スクリーンに流れ、それにかぶせて字幕が結婚式のエンディングのように映し出される。
congratulation! ミセイエル・イーツ氏の奥様のハナ様見つかる!
無責任なメッセージはまことしやかにパーティー会場に集まった人々の間を駆け巡った。
***
屋敷の中は色々な仮装をした人や、仮装まではいかないものの仮面やマスクを付けた老若男女であふれかえっていた。
パーティーが開かれている大広間のテーブルの上にはご馳走が並びグラスやボトルを持ったウエーターが忙しなく動いている。
広間に続く舞踏室の隅に併設されたブースでは生演奏が行われていて耳に優しいタンゴやワルツのメロディーを響かせていた。
そんな華やかな空間で決して色あせない男性を映し出した目の前の巨大スクリーンにサクラの目が釘付けとなる。
自分の脳裏に存在する男性とそっくりな実像に息を飲む。
黒い髪に黒い瞳の精悍な顔が現在進行形でスクリーンの中で闊歩し、その隣には自分によく似た女がにこやかに微笑みながら首を傾げていた。
自分の事を愛する奥さんと呼んだ彼が、自分によく似た女性の名前を呼ぶのを見てサクラの口から息が漏れる。
はなさん・・・
彼女の語った自分の中にあるのと同じ彼女の過去。
ただ、一点、驚いたのは彼女にあって自分にはない記憶。
サクラには指輪を嵌めてもらった記憶はない。
なのに、はなさんがその記憶を持っている?
ここキヌアで目が覚めた時からずっとしていたその指輪は本当に彼女が無くし、自分が何処かで拾ったものだったのだろうか。
初めて会った時に、はなさんが目を見開いて言った。
『サクラさんのしている指輪が私の無くしてしまったものと同じだから驚いてしまって。それにM to Hとイニシャルの刻まれた指輪をあなたが持ってるのかが不思議ね?』
その主張がしばらくするうちに似たものから自分のものに変化した。
『なぜ、私の無くした指輪をあなたが持ってるの?返して』
彼女から何回となくそう言われても決して外す気にはなれなかった。
だが、スクリーンに映る実在の男性が自分ではなくはなさんを妻と呼ぶのなら、指輪と共に頭に浮かぶ映像もすべて持ち主に返さなければならない。
寂しい、悲しいと、心が叫ぶ。
執着にも似た愛情や向けられるとろけるような笑みが自分のものでは無くなってしまう。
不安と喪失感が胸いっぱいに広がり、息苦しさに襲われたサクラはその場に倒れ込んでしまった。
いや、正確には倒れ込む寸前にすかさず抱き込んだヨンハによって、お姫様抱っこで大広間から隣に隣接するテラスハウスに運ばれたのだが。
そしてその様子がミセイエルの映像の数分後に映し出された。
***
私の腰を抱いた彼が綺麗な笑みを張り付けて媚びを売ろうと挨拶にやって来る人々をそつのない社交辞令でかわしていく。
隙無く自分の隣に立つ彼は沢山の美人サンたちに視線を向けられ、飛ばされたハートの山に囲まれてもニヤケルことがない。
彼らに向ける仮面微笑に温度はなく訓練されたゼウス仕様の社交所作だとわかる。
そんな中で、部屋の隅に立つ体格のいいブルーブラックの髪を後ろになでつけた体格のいい男性と目が会った。
彼がわずかに顎を引いてこちらに合図を送ったのがわかる。
途端に彼の纏う零下の空気が色を変える。
「ハナ、僕は少し席を外すがかまわないかい?」
「ええ、大丈夫よ」
かろうじてサクラに似せた笑みを張り付け頷く。
自分のことを柔らかくハナと呼ぶ彼だが、どこかよそよそしいのは、自分がハナになり切れていないということだろう。
これ以上どうすれば・・・
容姿がどんなに似ていようと彼女になれるわけはないと思っていても諦められない。
もとはサクラになれと厳命されて受けた任務だったのだが、こうして小さい頃から憧れだった彼の隣に立つとそのポジションをどうしても手放したくない。
はなと名乗るサクラの代理を務める女は自分の中にある強欲に諦めの深い吐息を吐いた。
(わかっていても、やめられない。人間って複雑です)
彼にしか聞こえない小さな共鳴音に驚愕し、送った指輪の持ち主を見定めるために理知に溢れる黒檀の視線を向ける。
食い入るように女を見つめる彼の眼差しは愛しい者に向けられるそれに見えないこともない。
熱く鋭い視線を真っ直ぐに受け止めた女が口角をほのかに上げて笑う。
「私、3ヵ月前にキヌアに倒れていたところを母に助けられてお世話になっているんですけど、それ以前の記憶はないんです」
ハっ!
ミセイエルの喉の奥でハっに続くナの音が張りつく。
それに反応するようにサクラと紹介された女の首がわからないことを問うように少しだけ右に傾き、声は呟きになった。
「ハ?、ナ? 記憶を失う前の私の名前は、ハナだったのかしら」
彼女の思わせぶりな仕草やセリフがわざとらしい。
わかっていても余裕のない今のミセイエルから、らしからぬ驚愕の表情を引きずり出す。
「それは、どういう、こと?」
「私、自分の名前も忘れてしまって。でも時々夢の中ではゼウス様にそっくりな男性が私のことをハナと呼んで、これを私の指に嵌めてくれるんです」
ミセイエルがハナの指にこの指輪を嵌めたのは一度だけだった。
ハナが指輪を返しに来たリークグループ本社のロビーではじめて彼女の手を取ったのだが、いつも強引に事を進めるミセイエルが壊れ物を扱うようにおそるおそる彼女の手を取ったのを見たセナからら随分揶揄されたものだ。
「その時の状況は覚えてるの?」
「ハイ」
「確かにこの指輪は僕が妻に送ったもだが、ハナ?なの?」
「それは、・・・。私がゼウス様と結婚した女だということでしょうか?」
鬼気迫るミセイエルに気圧されたサクラは困ったように俯いて、一呼吸おいてから顔を上げあどけない顔で微笑む。
「だったら、嬉しいです」
サクラの腰をミセイエルが感情を隠したゼウスの笑顔で引き寄せた。
「ハナ」
君が、僕の大事なハナだというのなら僕の腕は君をエスコートする。
***
ミセイエルは入籍時、諸事情に加え離れて暮らすことを望むハナに、自分の執着心が届く特別な力を持つエンゲージリングを贈った。
おはよう、ハナ。
そう言って、朝目覚めるとすぐにミセイエルは自分の左手の薬指にある指輪に軽いキスを落す。
春の日、花見に出かけた先で、ハナが自分の薬指に優しいキスを落した仕草があまりにも可愛らしくてまねたのが始まりだった。
『ごめんなさい、あたた』
優しく愛おしい人を思ってするその仕草は、間違いなく自分への謝罪であの瞬間に何とも言えず幸せな気持ちになったことを覚えている。
あの日から目が覚めると、おはよう、眠る前には、お休み、と言って左手の薬指に嵌った指輪にキスをする習慣が身に付いた。
強引に一緒に住み、色々な事があって、彼女が笑顔を取り戻してからは、ミセイエルさん、過保護すぎますと散々言われたが出来る限り彼女を甘やかし、毎日のように愛していると囁き、好きだと迫るたびに甘い喜びを感じた。
そうするうちにそっと抱きしめて頬や目尻におはようやお休みのキスをしても彼女は反撃しなくなって、心も体も一歩ずつ距離を詰める幸せな時間を一緒に過ごしていた。
なのに。
突然自分の腕の中から彼女が消えて、また指輪にキスを落す習慣が戻って来た。
今は離れてしまったハナの代わりに、一日に何回も対の指輪に唇を寄せる日々が続く。
指輪の堅い感触が唇に当たるたびに、君は僕のものだよ、と囁く。
ハナが僕のものだということを忘れないように、他の男がハナを誘惑しないように指輪を通して自分の強い独占欲と執着心を彼女の指輪に流しこむ。
そして、甘い声でエンゲージリングを肌身離さず身に着けていて、と祈りにも似た思いで囁き続けた。
そうすることで離れている彼女を囲い込んでいた。
なのになぜ、目の前の女がそれを身に着けている???
ミセイエルは、ハナに贈ったはずの指輪が目に飛び込んできて、目の前の女の左手を思わず握りしめた。
「確かにこの指輪は僕が妻に送ったもだが、ハナ?なの?」
伸ばした左手にある指輪と、目の前のハナと見まごう女の左手に嵌った指輪がピタリと並ぶときに出る一対を示すル~ンという特殊な振動音に聴覚を刺激されると平常心を失いそうだ。
この指輪をどこで手に入れた?
なぜ、この女がそれを身に着けている?
それとも、目の前の自分の心を微塵も動かさず惹きつけもしない笑顔や仕草を見せる女がハナだというのか?
以前は、輝くように見えた柔らかな笑みや、可愛らしく首を右に少しだけ傾ける癖がひどく色あせて見える。
彼女が、変わった?
ダイヤモンドオウカであることを否定して、その輝きを失った?
ふと心に過ったのは花火大会でハナが特殊能力を持つ自身を完全否定して、ただの地上人になりたいと願ったことだった。
だったら・・・
たとえ彼女が色あせようとも、それがハナなら愛し続ける。
自分はどんなことがあっても彼女を手放さないと誓って指輪に執着と永遠の愛を刻んだのだから。
目の前の女が僕のハナだというのならどんな君でも僕は迷わず君の手を取るよ。
笑みを浮かべたミセイエルが黒髪黒目のお下げ髪の少女の腰を抱いて豪華な部屋の扉に向かって歩き出す映像が領主鄭のそこここに設置された巨大スクリーンに流れ、それにかぶせて字幕が結婚式のエンディングのように映し出される。
congratulation! ミセイエル・イーツ氏の奥様のハナ様見つかる!
無責任なメッセージはまことしやかにパーティー会場に集まった人々の間を駆け巡った。
***
屋敷の中は色々な仮装をした人や、仮装まではいかないものの仮面やマスクを付けた老若男女であふれかえっていた。
パーティーが開かれている大広間のテーブルの上にはご馳走が並びグラスやボトルを持ったウエーターが忙しなく動いている。
広間に続く舞踏室の隅に併設されたブースでは生演奏が行われていて耳に優しいタンゴやワルツのメロディーを響かせていた。
そんな華やかな空間で決して色あせない男性を映し出した目の前の巨大スクリーンにサクラの目が釘付けとなる。
自分の脳裏に存在する男性とそっくりな実像に息を飲む。
黒い髪に黒い瞳の精悍な顔が現在進行形でスクリーンの中で闊歩し、その隣には自分によく似た女がにこやかに微笑みながら首を傾げていた。
自分の事を愛する奥さんと呼んだ彼が、自分によく似た女性の名前を呼ぶのを見てサクラの口から息が漏れる。
はなさん・・・
彼女の語った自分の中にあるのと同じ彼女の過去。
ただ、一点、驚いたのは彼女にあって自分にはない記憶。
サクラには指輪を嵌めてもらった記憶はない。
なのに、はなさんがその記憶を持っている?
ここキヌアで目が覚めた時からずっとしていたその指輪は本当に彼女が無くし、自分が何処かで拾ったものだったのだろうか。
初めて会った時に、はなさんが目を見開いて言った。
『サクラさんのしている指輪が私の無くしてしまったものと同じだから驚いてしまって。それにM to Hとイニシャルの刻まれた指輪をあなたが持ってるのかが不思議ね?』
その主張がしばらくするうちに似たものから自分のものに変化した。
『なぜ、私の無くした指輪をあなたが持ってるの?返して』
彼女から何回となくそう言われても決して外す気にはなれなかった。
だが、スクリーンに映る実在の男性が自分ではなくはなさんを妻と呼ぶのなら、指輪と共に頭に浮かぶ映像もすべて持ち主に返さなければならない。
寂しい、悲しいと、心が叫ぶ。
執着にも似た愛情や向けられるとろけるような笑みが自分のものでは無くなってしまう。
不安と喪失感が胸いっぱいに広がり、息苦しさに襲われたサクラはその場に倒れ込んでしまった。
いや、正確には倒れ込む寸前にすかさず抱き込んだヨンハによって、お姫様抱っこで大広間から隣に隣接するテラスハウスに運ばれたのだが。
そしてその様子がミセイエルの映像の数分後に映し出された。
***
私の腰を抱いた彼が綺麗な笑みを張り付けて媚びを売ろうと挨拶にやって来る人々をそつのない社交辞令でかわしていく。
隙無く自分の隣に立つ彼は沢山の美人サンたちに視線を向けられ、飛ばされたハートの山に囲まれてもニヤケルことがない。
彼らに向ける仮面微笑に温度はなく訓練されたゼウス仕様の社交所作だとわかる。
そんな中で、部屋の隅に立つ体格のいいブルーブラックの髪を後ろになでつけた体格のいい男性と目が会った。
彼がわずかに顎を引いてこちらに合図を送ったのがわかる。
途端に彼の纏う零下の空気が色を変える。
「ハナ、僕は少し席を外すがかまわないかい?」
「ええ、大丈夫よ」
かろうじてサクラに似せた笑みを張り付け頷く。
自分のことを柔らかくハナと呼ぶ彼だが、どこかよそよそしいのは、自分がハナになり切れていないということだろう。
これ以上どうすれば・・・
容姿がどんなに似ていようと彼女になれるわけはないと思っていても諦められない。
もとはサクラになれと厳命されて受けた任務だったのだが、こうして小さい頃から憧れだった彼の隣に立つとそのポジションをどうしても手放したくない。
はなと名乗るサクラの代理を務める女は自分の中にある強欲に諦めの深い吐息を吐いた。
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