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桜久良(サクラ)地上に降りる
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気がついたら小さな空間の簡素なベッドで寝ていました。
ここって病院?
目が覚めて一番に見えたものはクリーム色の壁と見覚えのある従妹の心配そうな顔である。
思わず昔から呼びなれた言葉の「ニ イ ニ ?」が口から吐いて出た。
サクラが〝ニイニ”と呼ぶ彼は、春休みをこの地で過ごすさいにアサオに代わってここ数年間の送迎をしてくれた10歳年上の従妹のリュウオンだ。
子供のいない叔母夫婦の養子で、そういえばここにある国立研究所で遺伝子学の研究に携わりながら併設する病院で内科医として働いているんだっけ。
「ここって、ニイニの病院?」
尋ねると冷たく見える端麗な顔が静かに頷く。
サクラより頭一つ分高い長身で細身の体躯と紅茶色の髪をもつ彼は、銀縁の眼鏡の奥にある切れ長の青い目とめったなことでは動じないことから、密かに眉目秀麗とか冷血漢と呼ばれていた。
確かにその鋭い眼光でギロリとにらまれると、背中にぞわりと寒気が走る気がする。
ひぇ~、ニイニ、怖いよ!
サクラの心の声を聴いてか?リュウオンが表情を幾分柔らげた。
「サクラ、何があったんだい?」
「私、里桜叔母様に会いたくて訪ねて来たの。そうしたらローマの空港で気分が悪くなって、倒れたんだと思う・・・」
「倒れた?空港で意識をなくしたってこと?」
「そう。飛行機が着いて、外は土砂降りで、宝物の傘は無くすし、変な男からは嫁になれと言われるし、ローマに着いたはずなのにベネチア行の出発カウンターが見つからなくて、グランドホステスのお姉さん達には残念な子を見るみたいな視線を向けられて、わけのわからない地図をみせられたら気分が悪くなって、そこから先の記憶がなくて、これってどういう、こ、と?」
空港に着いた時から次々に起こるアクシデントを並べ立てるうちに心がパニックを起こしはじめたサクラの唇にリュウオンが細くて長い人差し指を乗せる。
「シー、落ち着いて、サクラ」
そう言うとリュウオンはサクラに深呼吸をさせた。
何度か深呼吸をして落ち着きを取り戻したサクラを見て、小さな息を一つ吐くと端麗な顔に怜悧なシャープさをのせる。
それから、信じられないかもしれないけれどと前置きをして、爆弾を落とした。
「ここはサクラがいた世界と違う世界なんだ」
違う世界?イヤイヤ、違う世界を受け入れる心の準備なんてできませんって!
瞬きを3回したが、言われた言葉が理解できない。
思考停止の頭に続きの言葉が流れ込む。
「異世界メルタ。神の山町からみると異次元空間にあるから限られた者しか行き来できない世界だ。僕も義母も異次元空間を移動する能力を無くしてしまったからもう会えないと思っていたのに。診察室に担ぎ込まれたのがサクラだと知って僕は心臓が止まるかと思ったよ。義母が言うようにサクラはやっぱり特別な人なんだね」
眩しそうに眼を細めて言われた意味を考える。
どういう事???多くの疑問符が頭の中でグルグル回る。
「サクラは3日前に病院の近くで倒れていて、ここに運ばれたんだよ。その日は僕が当直だったからとりあえず過労という病名を付けて入院させた」
めったに見られない笑みが添えられた顔で説明されては疑問符もすっ飛んでしまって考えなくちゃいけない事が霞んでしまう。
空港から先の記憶がないからあそこで倒れたのは間違いないと思うのだけど、もしかしたらニイニの病院に運んでもらえる超ラッキーな偶然に当たったんだ~。
そんな事を考えていると、ニイニがニコリと口角を上げて信じられないことをのたもうた。
「ここに来たのは偶然じゃなくて、行きたいところに移動できる能力があるんだと思うよ」
えぇ~???そりゃぁ確かに叔母様に会たいと思って飛行機に乗りましたが、冗談ですよね?怖すぎます。
加えてリュウオンは天界で起きたこれまでのことを少々の脚本を加えながらゆっくりとサクラに話してくれた。
ここ`異世界メルタ‘には天界と地上があって、特殊能力を持ち異空間(天界)に移動できる天界人と何の能力も持たない地上人がいること。
天界人の中でも5族と言われる人達の特殊能力は卓越しており、中でもゼウスと呼ばれる人が他に追随を許さない力量を持っていて天界に君臨していること。
叔母の夫のオーク・サンテールは前ゼウスで、半年前に亡くなって世代交代が行われたこと。
新しいゼウスと叔母の間には確執があり、毎年花見に訪れていた天界の瑠璃宮を追われ叔母は落花になったという。(リオンは瑠璃宮を追われたのではなく自ら望んで落花になったのだが)
落花とは、能力も地位も財産も名誉も人脈も記憶までもすべて奪われて地上に落とされた天界女性を表わす言葉で、地上に落ちて何の権利も保障も持たない彼女の今後の人生は預けられた天界人の胸三寸でいかようにもなるというもの。
後見人となる天界人が手を差し出さなければ生きていくことさえ難しく、ちなみに天界男性は落実と呼ばれる。
落花となったリオンに、後見人である現ゼウスが差し出した助力が特殊能力を剥奪されたリュウオンだった。
これまで色々と使えた特殊能力は必要な時に前ゼウスから与えられたもので、元々は天界を行き来できる能力しかないと彼は自嘲する。
そんな特殊能力など必要ないし、天界に呼び出されて雑用をこなさなくて良いのなら天界人という名誉などいらないと吐き捨てる。
地上で内科医として生活が出来るのなら不自由などないのだから。
それよりも記憶を失って大パニックを起こしたリオンに義理の息子だと認識させることのほうが大変だったらしい。
「義母には夫を亡くした悲しみで記憶を無くしてしまったと説明して、僕との親子関係を納得させるのに半年かかった。やっと信頼関係が出てきたばかりなんだ」
一旦言葉を止めたリュウオンの手が両肩に乗り、冷徹な青い目が黒曜石の丸い瞳を捉える。
「サクラのことも覚えていない。突然現れた姪にまた混乱を起こすよ。だから姪とは名乗らないで僕のハトコとして義母と対面してほしい」
噛んで含むように紡がれた言葉で叔母に忘れられた事実を突きつけられてサクラが嗚咽を漏らす。
リュウオンの細い指が、際限なくサクラの頭を撫でていた。
***
サクラはリュウオンに伴われて首都デルタから5000km離れたリゾート地であるハノラナを訪ねた。
機内で叔母の里桜が高級ホテルが連立するその地で、自宅を兼ねたレストランの雇われオーナーとして働いていること、里桜ではなくリオンと呼ばれていることなどを説明された。
そのリオンがサクラを見て、開口一番に、こちらはどなたなの?とリュウオンに問いかける。
「僕の大事なハトコだから母さんの側に置いてくれると嬉しい。落ち着いたらここで働き口を見つけてくれるとありがたいんだけど」
頼み込むと、任せてちょうだい!と胸をたたいて嬉しそうにコロコロと笑いながら、それじゃ私にとっても大事な人ね、と優しい顔を向けてくれた時には涙が止まらなかった。
そんな経緯でサクラはそこにある巨大ホテルの臨時従業員として働けることになった。
驚いたことに、サクラはこちらの世界の桜州に`ハナ・コート‘と言う戸籍を持っているという。
リュウオン曰く、前ゼウスが密かに用意した戸籍だそうだ。
だからこちらに来たときは皆が自分のことをハナお嬢様と呼んだのかと妙に納得できた。
かくして、サクラは異世界メルタの地でハナ・コートとして生活を始めた。
彼女の新しいことへの適応力は抜群で、すぐにハノラナでの生活になじむと、昔からそうであったように助けてくれる人がそこここに出来て、気が付いたら知人友人がうじゃうじゃ増えている。
たとえば近くの花屋のおじさんとはすぐに打ち解けられたし、同僚のホテル従業員達とは愚痴を零しあう仲になった。
中でも年の近い2年先輩のサラはよく気の付く面倒見のいいお姉さんで、親友並みのお付き合いがある。
生活も落ち着いて、あの傘がどうしても諦めきれないサクラは、出張でデルタに行くというサラに空港の交番にシルバーで桜模様の傘が届いていないか聞いてもらった。
結果、
「その傘なら借主が直接返却したいとおっしゃっています。落とし主が訪ねて来たら住所と連絡先を聞いて欲しいという事です!って言われたから、ハナの大事な傘だと思ってホテルの住所と名前教えたけど良かったかな?」
ニコニコ顔で報告を受けたら、超美形の傲慢男の顔が浮かんで思わず顔が顰む。
変なヤツ!
そんなサクラを、興味津々な様子でサラが更に問い詰める。
「ねえハナ、傘を貸したのってどんな人?すごいお金持ちみたいだった?それとも権力者ぽい?どっちにしても普通の人じゃないよね。じゃなきゃ警察が個人の住所や名前を教えたりしないもの。ね、年は何歳ぐらい?美形だった?」
「そうねえ、若いと言えば若いかも。20代後半ぐらいかな?美形だけど超傲慢男だよ。美形いう視点でみるとその後に会ったヤツの方が綺麗かな?でもこっちはかなり変態だった…」
傲慢男と変態さんには全く興味なし!
「もぉ~ハナったらホント女子トークにノリをみせない変わり者なんだから~
初めて桜州の田舎から出てきて超ラッキーな出会いを2つもするなんて、ホント持ってるよね!今をときめくヨンハ・ギーツにぶつかるなんて羨ましい限りだあ」
あちらの方向に意識を飛ばしてウットリとのたまうサラに残念そうな眼差しを向け、サクラがため息を吐く。
超ラッキーなんてとんでもない!傲慢な上から男に遭遇し、大事な傘を失うことになって、ずぶ濡れになったあげく、変態さんに絡まれて、意識を無くした女のどこを見て『持ってる』なんていうのか、いっぺんじっくりご教授願いたいわ!!
(ちょっと!!サクラさん!重大な事が抜け落ちていますよ。
空港で倒れて、病院で目覚めるまでに1ヵ月以上時間のズレがありますよ。
あなた、その間に、次期ゼウスで筆頭5家の祇家の一人息子の婚約者様に認定されていま~す)
ここって病院?
目が覚めて一番に見えたものはクリーム色の壁と見覚えのある従妹の心配そうな顔である。
思わず昔から呼びなれた言葉の「ニ イ ニ ?」が口から吐いて出た。
サクラが〝ニイニ”と呼ぶ彼は、春休みをこの地で過ごすさいにアサオに代わってここ数年間の送迎をしてくれた10歳年上の従妹のリュウオンだ。
子供のいない叔母夫婦の養子で、そういえばここにある国立研究所で遺伝子学の研究に携わりながら併設する病院で内科医として働いているんだっけ。
「ここって、ニイニの病院?」
尋ねると冷たく見える端麗な顔が静かに頷く。
サクラより頭一つ分高い長身で細身の体躯と紅茶色の髪をもつ彼は、銀縁の眼鏡の奥にある切れ長の青い目とめったなことでは動じないことから、密かに眉目秀麗とか冷血漢と呼ばれていた。
確かにその鋭い眼光でギロリとにらまれると、背中にぞわりと寒気が走る気がする。
ひぇ~、ニイニ、怖いよ!
サクラの心の声を聴いてか?リュウオンが表情を幾分柔らげた。
「サクラ、何があったんだい?」
「私、里桜叔母様に会いたくて訪ねて来たの。そうしたらローマの空港で気分が悪くなって、倒れたんだと思う・・・」
「倒れた?空港で意識をなくしたってこと?」
「そう。飛行機が着いて、外は土砂降りで、宝物の傘は無くすし、変な男からは嫁になれと言われるし、ローマに着いたはずなのにベネチア行の出発カウンターが見つからなくて、グランドホステスのお姉さん達には残念な子を見るみたいな視線を向けられて、わけのわからない地図をみせられたら気分が悪くなって、そこから先の記憶がなくて、これってどういう、こ、と?」
空港に着いた時から次々に起こるアクシデントを並べ立てるうちに心がパニックを起こしはじめたサクラの唇にリュウオンが細くて長い人差し指を乗せる。
「シー、落ち着いて、サクラ」
そう言うとリュウオンはサクラに深呼吸をさせた。
何度か深呼吸をして落ち着きを取り戻したサクラを見て、小さな息を一つ吐くと端麗な顔に怜悧なシャープさをのせる。
それから、信じられないかもしれないけれどと前置きをして、爆弾を落とした。
「ここはサクラがいた世界と違う世界なんだ」
違う世界?イヤイヤ、違う世界を受け入れる心の準備なんてできませんって!
瞬きを3回したが、言われた言葉が理解できない。
思考停止の頭に続きの言葉が流れ込む。
「異世界メルタ。神の山町からみると異次元空間にあるから限られた者しか行き来できない世界だ。僕も義母も異次元空間を移動する能力を無くしてしまったからもう会えないと思っていたのに。診察室に担ぎ込まれたのがサクラだと知って僕は心臓が止まるかと思ったよ。義母が言うようにサクラはやっぱり特別な人なんだね」
眩しそうに眼を細めて言われた意味を考える。
どういう事???多くの疑問符が頭の中でグルグル回る。
「サクラは3日前に病院の近くで倒れていて、ここに運ばれたんだよ。その日は僕が当直だったからとりあえず過労という病名を付けて入院させた」
めったに見られない笑みが添えられた顔で説明されては疑問符もすっ飛んでしまって考えなくちゃいけない事が霞んでしまう。
空港から先の記憶がないからあそこで倒れたのは間違いないと思うのだけど、もしかしたらニイニの病院に運んでもらえる超ラッキーな偶然に当たったんだ~。
そんな事を考えていると、ニイニがニコリと口角を上げて信じられないことをのたもうた。
「ここに来たのは偶然じゃなくて、行きたいところに移動できる能力があるんだと思うよ」
えぇ~???そりゃぁ確かに叔母様に会たいと思って飛行機に乗りましたが、冗談ですよね?怖すぎます。
加えてリュウオンは天界で起きたこれまでのことを少々の脚本を加えながらゆっくりとサクラに話してくれた。
ここ`異世界メルタ‘には天界と地上があって、特殊能力を持ち異空間(天界)に移動できる天界人と何の能力も持たない地上人がいること。
天界人の中でも5族と言われる人達の特殊能力は卓越しており、中でもゼウスと呼ばれる人が他に追随を許さない力量を持っていて天界に君臨していること。
叔母の夫のオーク・サンテールは前ゼウスで、半年前に亡くなって世代交代が行われたこと。
新しいゼウスと叔母の間には確執があり、毎年花見に訪れていた天界の瑠璃宮を追われ叔母は落花になったという。(リオンは瑠璃宮を追われたのではなく自ら望んで落花になったのだが)
落花とは、能力も地位も財産も名誉も人脈も記憶までもすべて奪われて地上に落とされた天界女性を表わす言葉で、地上に落ちて何の権利も保障も持たない彼女の今後の人生は預けられた天界人の胸三寸でいかようにもなるというもの。
後見人となる天界人が手を差し出さなければ生きていくことさえ難しく、ちなみに天界男性は落実と呼ばれる。
落花となったリオンに、後見人である現ゼウスが差し出した助力が特殊能力を剥奪されたリュウオンだった。
これまで色々と使えた特殊能力は必要な時に前ゼウスから与えられたもので、元々は天界を行き来できる能力しかないと彼は自嘲する。
そんな特殊能力など必要ないし、天界に呼び出されて雑用をこなさなくて良いのなら天界人という名誉などいらないと吐き捨てる。
地上で内科医として生活が出来るのなら不自由などないのだから。
それよりも記憶を失って大パニックを起こしたリオンに義理の息子だと認識させることのほうが大変だったらしい。
「義母には夫を亡くした悲しみで記憶を無くしてしまったと説明して、僕との親子関係を納得させるのに半年かかった。やっと信頼関係が出てきたばかりなんだ」
一旦言葉を止めたリュウオンの手が両肩に乗り、冷徹な青い目が黒曜石の丸い瞳を捉える。
「サクラのことも覚えていない。突然現れた姪にまた混乱を起こすよ。だから姪とは名乗らないで僕のハトコとして義母と対面してほしい」
噛んで含むように紡がれた言葉で叔母に忘れられた事実を突きつけられてサクラが嗚咽を漏らす。
リュウオンの細い指が、際限なくサクラの頭を撫でていた。
***
サクラはリュウオンに伴われて首都デルタから5000km離れたリゾート地であるハノラナを訪ねた。
機内で叔母の里桜が高級ホテルが連立するその地で、自宅を兼ねたレストランの雇われオーナーとして働いていること、里桜ではなくリオンと呼ばれていることなどを説明された。
そのリオンがサクラを見て、開口一番に、こちらはどなたなの?とリュウオンに問いかける。
「僕の大事なハトコだから母さんの側に置いてくれると嬉しい。落ち着いたらここで働き口を見つけてくれるとありがたいんだけど」
頼み込むと、任せてちょうだい!と胸をたたいて嬉しそうにコロコロと笑いながら、それじゃ私にとっても大事な人ね、と優しい顔を向けてくれた時には涙が止まらなかった。
そんな経緯でサクラはそこにある巨大ホテルの臨時従業員として働けることになった。
驚いたことに、サクラはこちらの世界の桜州に`ハナ・コート‘と言う戸籍を持っているという。
リュウオン曰く、前ゼウスが密かに用意した戸籍だそうだ。
だからこちらに来たときは皆が自分のことをハナお嬢様と呼んだのかと妙に納得できた。
かくして、サクラは異世界メルタの地でハナ・コートとして生活を始めた。
彼女の新しいことへの適応力は抜群で、すぐにハノラナでの生活になじむと、昔からそうであったように助けてくれる人がそこここに出来て、気が付いたら知人友人がうじゃうじゃ増えている。
たとえば近くの花屋のおじさんとはすぐに打ち解けられたし、同僚のホテル従業員達とは愚痴を零しあう仲になった。
中でも年の近い2年先輩のサラはよく気の付く面倒見のいいお姉さんで、親友並みのお付き合いがある。
生活も落ち着いて、あの傘がどうしても諦めきれないサクラは、出張でデルタに行くというサラに空港の交番にシルバーで桜模様の傘が届いていないか聞いてもらった。
結果、
「その傘なら借主が直接返却したいとおっしゃっています。落とし主が訪ねて来たら住所と連絡先を聞いて欲しいという事です!って言われたから、ハナの大事な傘だと思ってホテルの住所と名前教えたけど良かったかな?」
ニコニコ顔で報告を受けたら、超美形の傲慢男の顔が浮かんで思わず顔が顰む。
変なヤツ!
そんなサクラを、興味津々な様子でサラが更に問い詰める。
「ねえハナ、傘を貸したのってどんな人?すごいお金持ちみたいだった?それとも権力者ぽい?どっちにしても普通の人じゃないよね。じゃなきゃ警察が個人の住所や名前を教えたりしないもの。ね、年は何歳ぐらい?美形だった?」
「そうねえ、若いと言えば若いかも。20代後半ぐらいかな?美形だけど超傲慢男だよ。美形いう視点でみるとその後に会ったヤツの方が綺麗かな?でもこっちはかなり変態だった…」
傲慢男と変態さんには全く興味なし!
「もぉ~ハナったらホント女子トークにノリをみせない変わり者なんだから~
初めて桜州の田舎から出てきて超ラッキーな出会いを2つもするなんて、ホント持ってるよね!今をときめくヨンハ・ギーツにぶつかるなんて羨ましい限りだあ」
あちらの方向に意識を飛ばしてウットリとのたまうサラに残念そうな眼差しを向け、サクラがため息を吐く。
超ラッキーなんてとんでもない!傲慢な上から男に遭遇し、大事な傘を失うことになって、ずぶ濡れになったあげく、変態さんに絡まれて、意識を無くした女のどこを見て『持ってる』なんていうのか、いっぺんじっくりご教授願いたいわ!!
(ちょっと!!サクラさん!重大な事が抜け落ちていますよ。
空港で倒れて、病院で目覚めるまでに1ヵ月以上時間のズレがありますよ。
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