80 / 119
カラクリ屋敷✨✨✨
✨✨✨
しおりを挟む
その刹那、背後から。
「清斎ィィィィーー!」
突然、悲鳴にも似た絶叫が聴こえてきた。
「ううゥ……、お律様!!」
振り返ると血眼になって愛息子を探すお律が駆けてきた。
狂気すら感じる彼女の姿に俺たち一同は怖じ気づき、声すら掛けられない。
「清斎ィーー……!!」
母親のお律は俺たちを押し退け、部屋へ入るなり喚き立てた。
「いや、お律様。待って下さい! この生首は清斎様のモノではありません」
慌てて、傍らから信乃介が忠言した。
「そッ、そうか……」
確かに清斎の生首にしては大きい。かなりゴツく明らかに成人した大人の生首だ。肌の色も浅黒くまったくの別人だろう。
しかしお律は頭に血が昇って、正常な判断が出来ないでいる。清斎の部屋に生首があったので無理もない話しなのだが。
「ぬうゥ……、清斎ィ!!」すぐさま生首がかぶっている夜叉羅刹の面を剥ぎ取った。
「ぐうゥ!」やはり土蜘蛛衆のものだ。色白で華奢な男子の清斎とは、似ても似つかぬ醜い容貌だ。
しかし、すぐさまお律は矛先をこちらへ変えた。
「清雅ァーーッ。やはり貴様かァ! この私の清斎を拐わかしたのは。このチクショーがァ!!」
振り返りざま俺を指差し罵倒した。
「何を云ってるんですか。なんのために俺が!
清斎様を拐わかすはずがないでしょう!!」
もちろん否定したが、お律はまったく聞く耳を持たない。
「清丸様の祟りじゃァァー! 貴様等さえ江戸から来なければ、災いを招くことはなかったんだ」
さらに、お律は罵った。
まるですべての元凶は俺たちにあるような口ぶりだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「清斎ィィィィーー!」
突然、悲鳴にも似た絶叫が聴こえてきた。
「ううゥ……、お律様!!」
振り返ると血眼になって愛息子を探すお律が駆けてきた。
狂気すら感じる彼女の姿に俺たち一同は怖じ気づき、声すら掛けられない。
「清斎ィーー……!!」
母親のお律は俺たちを押し退け、部屋へ入るなり喚き立てた。
「いや、お律様。待って下さい! この生首は清斎様のモノではありません」
慌てて、傍らから信乃介が忠言した。
「そッ、そうか……」
確かに清斎の生首にしては大きい。かなりゴツく明らかに成人した大人の生首だ。肌の色も浅黒くまったくの別人だろう。
しかしお律は頭に血が昇って、正常な判断が出来ないでいる。清斎の部屋に生首があったので無理もない話しなのだが。
「ぬうゥ……、清斎ィ!!」すぐさま生首がかぶっている夜叉羅刹の面を剥ぎ取った。
「ぐうゥ!」やはり土蜘蛛衆のものだ。色白で華奢な男子の清斎とは、似ても似つかぬ醜い容貌だ。
しかし、すぐさまお律は矛先をこちらへ変えた。
「清雅ァーーッ。やはり貴様かァ! この私の清斎を拐わかしたのは。このチクショーがァ!!」
振り返りざま俺を指差し罵倒した。
「何を云ってるんですか。なんのために俺が!
清斎様を拐わかすはずがないでしょう!!」
もちろん否定したが、お律はまったく聞く耳を持たない。
「清丸様の祟りじゃァァー! 貴様等さえ江戸から来なければ、災いを招くことはなかったんだ」
さらに、お律は罵った。
まるですべての元凶は俺たちにあるような口ぶりだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
0
あなたにおすすめの小説
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる