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砂の城……✨✨✨
病院✨🏥✨✨
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『同級生……』いったい誰だ。
「どうですか。この美少女を見て、何か感じませんか」
矢作は私の顔を伺って尋ねた。まるで観察するような目だ。
「……」それは。
「お嬢様に似てるッてことですか」
代わりにアキラが応えた。
「いやいや、似てるなんてモノじゃないでしょ。お嬢様の小学校の写真と比べても、そっくりでした」
「何が言いたいンですか」アキラも不満げな顔だ。
「いやァ、もしかしたらですよ。もしか……」
何度も繰り返した。
「ここにいるレイラお嬢様が実は榊ルナさんで、亡くなった榊ルナさんが実は、レイラお嬢様なんじゃないかと思いまして……」
「く……」
「何をバカなことを。スマホの指紋認証で確かめますか」
「ほォ……、レイラお嬢様の指紋認証が出来るんですか」
「……」
私は両手に巻かれた包帯を見つめ首を横に振った。
「あいにく今は、確認できませんねえェ……。
なんならDNA鑑定でもしますか」
「ほほォ、して戴けるンですか。DNA鑑定を」
「そうですねえェ……。では、しかるべく令状を持って来て下さい」
「いやいやァ、そりゃァなかなか……」
「だったら諦めて下さい。それが法治国家なんですから」
さすが弁護士だ。
「わかりましたよ。ねえェ……、お蝶夫人!!」
矢作は私に向ってウインクをした。
「……」あの時の会話が思い出された。
だがすぐさま弁護士の桐山アキラが割り込んだ。
「とにかく、ええェッと……、県警の」
「矢作ですよ」
「ああァ、矢作さんねェ……。今度、お嬢様を救出して下さったお礼はしますので」
「いやいや、お礼は困りますよ。公務員ですから金品の授受は禁じられておりますので……、まァ、今日のトコロは退散します。今度はお屋敷へお邪魔させて戴きますよ」
渋々、矢作らは引き上げていった。
「……」今日のトコロは、か。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
矢作が車へ引き返すと、待ち構えていたように着信バイブが響いた。
「もしもし……」着信画面も確かめず無造作に通話ボタンをタップした。
《やァ、どうでしたか。ハギさん、レイラの様子は》
子供のような声だ。ナポレオンだ。
「言ったはずだ。オレはナポレオンの遊び相手じゃないんだよ」
《まァまァ、ッで、やっぱり榊ルナでしたか》
「あのなァ……、断っておくがオレは龍崎レイラ本人には会ったコトがないんだ。
彼女が龍崎レイラか、榊ルナなのか。
確かめようがないだろう」
《だけど顧問弁護士の桐山アキラは、強硬に否定してましたよね》
「お前、どこかで盗聴してるのか」
矢作は辺りを見回した。運転席の富田も怪訝な顔つきだ。
《悪いが、オレの頼りはハギさんだけなんだ!》
「ほォ……、そんなに頼りにされてもねェ……」
《もうこれ以上、悲劇は繰り返させない!
ナポレオンの名にかけて!!
オレ様の辞書には、解けない謎など存在しない》
あのバス放火事件直後のようにシリアスな口調だ。
「ぬうぅ……」矢作は呻き声を上げた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「どうですか。この美少女を見て、何か感じませんか」
矢作は私の顔を伺って尋ねた。まるで観察するような目だ。
「……」それは。
「お嬢様に似てるッてことですか」
代わりにアキラが応えた。
「いやいや、似てるなんてモノじゃないでしょ。お嬢様の小学校の写真と比べても、そっくりでした」
「何が言いたいンですか」アキラも不満げな顔だ。
「いやァ、もしかしたらですよ。もしか……」
何度も繰り返した。
「ここにいるレイラお嬢様が実は榊ルナさんで、亡くなった榊ルナさんが実は、レイラお嬢様なんじゃないかと思いまして……」
「く……」
「何をバカなことを。スマホの指紋認証で確かめますか」
「ほォ……、レイラお嬢様の指紋認証が出来るんですか」
「……」
私は両手に巻かれた包帯を見つめ首を横に振った。
「あいにく今は、確認できませんねえェ……。
なんならDNA鑑定でもしますか」
「ほほォ、して戴けるンですか。DNA鑑定を」
「そうですねえェ……。では、しかるべく令状を持って来て下さい」
「いやいやァ、そりゃァなかなか……」
「だったら諦めて下さい。それが法治国家なんですから」
さすが弁護士だ。
「わかりましたよ。ねえェ……、お蝶夫人!!」
矢作は私に向ってウインクをした。
「……」あの時の会話が思い出された。
だがすぐさま弁護士の桐山アキラが割り込んだ。
「とにかく、ええェッと……、県警の」
「矢作ですよ」
「ああァ、矢作さんねェ……。今度、お嬢様を救出して下さったお礼はしますので」
「いやいや、お礼は困りますよ。公務員ですから金品の授受は禁じられておりますので……、まァ、今日のトコロは退散します。今度はお屋敷へお邪魔させて戴きますよ」
渋々、矢作らは引き上げていった。
「……」今日のトコロは、か。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
矢作が車へ引き返すと、待ち構えていたように着信バイブが響いた。
「もしもし……」着信画面も確かめず無造作に通話ボタンをタップした。
《やァ、どうでしたか。ハギさん、レイラの様子は》
子供のような声だ。ナポレオンだ。
「言ったはずだ。オレはナポレオンの遊び相手じゃないんだよ」
《まァまァ、ッで、やっぱり榊ルナでしたか》
「あのなァ……、断っておくがオレは龍崎レイラ本人には会ったコトがないんだ。
彼女が龍崎レイラか、榊ルナなのか。
確かめようがないだろう」
《だけど顧問弁護士の桐山アキラは、強硬に否定してましたよね》
「お前、どこかで盗聴してるのか」
矢作は辺りを見回した。運転席の富田も怪訝な顔つきだ。
《悪いが、オレの頼りはハギさんだけなんだ!》
「ほォ……、そんなに頼りにされてもねェ……」
《もうこれ以上、悲劇は繰り返させない!
ナポレオンの名にかけて!!
オレ様の辞書には、解けない謎など存在しない》
あのバス放火事件直後のようにシリアスな口調だ。
「ぬうぅ……」矢作は呻き声を上げた。
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