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7話
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私はミサが部屋の外に出てから、ため息をついた。
「はぁ~、アレ、最近少し調子に乗ってない?やっぱり追い出そうかな」
「大きなミスはしてませんから、口実がありませんね。伯爵家の都合というのも少し弱いですし、下手をしなくとも次はもっと分かりやすく、邪険に出来ない王家の監視が来ますよ」
「ちっ、面倒くさいな。アレが居るせいで、まともに気を抜けない。仮に排除したとしても、次に来るのは下手すれば私達に干渉できる地位の人間で、排除出来ないおまけ付きになるかもとか、面倒過ぎる」
「まあ、いくら侍女と言っても、王家の監視者に対しては、下手に言質を与えられませんからね」
フィーナの言葉に再びため息をついた。
フィーナは私がうんざりしているのを察してか、気分転換するべく、話題を振ってきた。
「それはそうと、ローニャ様は何処かクラブに入られるのですか?」
「ん?ん~、特に考えてないかな。フィーナは?何処か入りたいクラブはあった?」
「まあ、いくつかは興味があったのですが、今の『身体強化』魔法だと、何処に行ってもすぐに出来るようになってしまいますから」
「あ~、なるほど。確かにフィーナなら体を動かすクラブなら即戦力どころの話じゃ無いね」
私がそう理解すると、扉の外がうるさくなった。
ミサが出て行って少ししてからなので、扉の外がさわがしくなった理由に、簡単に察しがついた私はため息をついた。
「はぁ~、ここは私の屋敷なのに、王家に好き勝手させるなんて。『永久氷結』」
私は魔法を発動させて、扉を凍り付かせた。
ただ、このままだと屋敷の人間が触れかねないので、もう1つ魔法発動させた。
「『氷字』」
私が魔法を発動させると、フィーナがどんな魔法なのだろうという顔をしたので、魔法の効果を使えた。
「『氷字』は字のまま氷の文字を作る魔法で、外の扉に『接触禁止』と書いたの。まあ、それでもバカは『永久氷結』を発動させた扉に触って凍り付くだろうけど、私には『氷魔支配』があるから、触っても消せば問題ないよ」
「なるほど、『氷字』とは文字通りに氷で出来た文字という訳ですか。戦闘向きでない魔法という事ですね」
「そうね。今までは戦闘に関する魔法しか作って来なかったから、これからは遊びの魔法も作っていこうと思ってね」
「なるほど、確かにそうですね。私もいかに無駄なく魔力を使い相手を倒すかに重きを置いていましたし」
私はフィーナの言葉に苦笑いした。
「まあ、フィーナの『身体強化』は仕方無いよ。体をどう強化するのかくらいしか変えれないしね」
「いえ、最近はその逆も出来るようになりましたよ」
「逆?」
私が訳が分からず首を傾げると、フィーナは頷いて答えた。
「はい、『身体低下』という体の機能を魔力で下げる魔法です。これを使うと早く疲れるようになるので、体を鍛えるのには良い魔法です」
「え、それ『身体強化』の魔眼で出来るの?」
「はい、『身体強化』の魔眼はこれまで当てはまる系統が無かったので、『身体強化』と呼ばれて来ました。
ですが、実際には魔力を纏わせることで、機能を変化させる魔法を使える魔眼だったようです」
「なるほど、だからこそ強化するだけでなく、低下も出来ると」
私がそう納得した所で、外から叫び声が聞こえて来た。
「ぎゃあ~!!」
「はぁ~、アレ、最近少し調子に乗ってない?やっぱり追い出そうかな」
「大きなミスはしてませんから、口実がありませんね。伯爵家の都合というのも少し弱いですし、下手をしなくとも次はもっと分かりやすく、邪険に出来ない王家の監視が来ますよ」
「ちっ、面倒くさいな。アレが居るせいで、まともに気を抜けない。仮に排除したとしても、次に来るのは下手すれば私達に干渉できる地位の人間で、排除出来ないおまけ付きになるかもとか、面倒過ぎる」
「まあ、いくら侍女と言っても、王家の監視者に対しては、下手に言質を与えられませんからね」
フィーナの言葉に再びため息をついた。
フィーナは私がうんざりしているのを察してか、気分転換するべく、話題を振ってきた。
「それはそうと、ローニャ様は何処かクラブに入られるのですか?」
「ん?ん~、特に考えてないかな。フィーナは?何処か入りたいクラブはあった?」
「まあ、いくつかは興味があったのですが、今の『身体強化』魔法だと、何処に行ってもすぐに出来るようになってしまいますから」
「あ~、なるほど。確かにフィーナなら体を動かすクラブなら即戦力どころの話じゃ無いね」
私がそう理解すると、扉の外がうるさくなった。
ミサが出て行って少ししてからなので、扉の外がさわがしくなった理由に、簡単に察しがついた私はため息をついた。
「はぁ~、ここは私の屋敷なのに、王家に好き勝手させるなんて。『永久氷結』」
私は魔法を発動させて、扉を凍り付かせた。
ただ、このままだと屋敷の人間が触れかねないので、もう1つ魔法発動させた。
「『氷字』」
私が魔法を発動させると、フィーナがどんな魔法なのだろうという顔をしたので、魔法の効果を使えた。
「『氷字』は字のまま氷の文字を作る魔法で、外の扉に『接触禁止』と書いたの。まあ、それでもバカは『永久氷結』を発動させた扉に触って凍り付くだろうけど、私には『氷魔支配』があるから、触っても消せば問題ないよ」
「なるほど、『氷字』とは文字通りに氷で出来た文字という訳ですか。戦闘向きでない魔法という事ですね」
「そうね。今までは戦闘に関する魔法しか作って来なかったから、これからは遊びの魔法も作っていこうと思ってね」
「なるほど、確かにそうですね。私もいかに無駄なく魔力を使い相手を倒すかに重きを置いていましたし」
私はフィーナの言葉に苦笑いした。
「まあ、フィーナの『身体強化』は仕方無いよ。体をどう強化するのかくらいしか変えれないしね」
「いえ、最近はその逆も出来るようになりましたよ」
「逆?」
私が訳が分からず首を傾げると、フィーナは頷いて答えた。
「はい、『身体低下』という体の機能を魔力で下げる魔法です。これを使うと早く疲れるようになるので、体を鍛えるのには良い魔法です」
「え、それ『身体強化』の魔眼で出来るの?」
「はい、『身体強化』の魔眼はこれまで当てはまる系統が無かったので、『身体強化』と呼ばれて来ました。
ですが、実際には魔力を纏わせることで、機能を変化させる魔法を使える魔眼だったようです」
「なるほど、だからこそ強化するだけでなく、低下も出来ると」
私がそう納得した所で、外から叫び声が聞こえて来た。
「ぎゃあ~!!」
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