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13話
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フィーナの質問に女子生徒はたじろぎながら答えた。
「わ、私は一人の生徒として、フロービス様とのお話が出来ればと」
「それならば、その要件をこの場で言って貰いましょう」
「そ、それは、私はただフロービス様と親しくしたいだけで御座います」
「それはローニャ様が、伯爵家当主にして、魔眼所持者達の新たな就職先を生み出した『何でも屋商会』の会長だからでしょう。
私は護衛の立場として、そんな打算しか無いような人間を、多少の無礼も許される学園でローニャ様に近づける訳にはいきません」
女子生徒はフィーナの言葉に図星を突かれた様な顔をしてから、去って行った。
それを見送ってから、私はフィーナに笑い掛けた。
「流石はフィーナ。本来なら護衛が個人を守る事を許されない学園で、私と同じ学年に入っただけはあるね」
「はて?なんのことでしょうか?」
「ふふ、なんでもないよ。ただの独り言」
私はそう言って、学園の入学編入試験の時の事を思い出していた。
私は多少の座学試験と実技試験があり、どちらも満点したので、飛び級の話があったが、私の学年にそのまま入ることを希望したので、それが通った。
逆にフィーナは既に学園を卒業している年齢だった。
しかし、フィーナも編入試験を受けたのだ。
更にフィーナは『実技試験は完璧にできるのですが、座学は全く出来ません』と言って、言葉通りに実技試験満点、座学試験は0点だった。
ただ私も受けたので座学試験の内容は分かっているけど、フィーナなら満点も余裕な内容だった事は確かだ。
しかも、フィーナは元々は王城所属の護衛騎士なのだから、座学も出来なければ王城に採用される訳がない。
なので、フィーナにその事を質問してみると、『学園に編入するならローニャ様と同じ学年でなければ意味がありませんから』と返された。
ここで、フィーナがわざと0点を取ったのだと理解した。
それを理解してから、『確かに、私の学年は一番下の学年なのだから、座学で0点を取れば、入れてもらえそうだな』とも思った。
ただ実技試験は満点だったので、念の為に学園長にフィーナと同じ学年にしろと軽く脅していた。
その時の学園長は脅しつけた私も、少しだけ可哀想に思えるくらいにガクガクと首を縦に振っていた。
そこまで脅したつもりは無かったのだけれど、『エンドシード学園』近くの私達が1日放置された山に入り込むと言っただけなのに。
そんな事を思い出していると、第一王子王子がやってきた。
因みに、謹慎期間中に王族の名前は調べていて、国王がアルフレート、王妃がアンジェレネ、第一王子がクリハルト、第二王子がデーレストという名前だった。
その第一王子は私を見つけると、一目散に走ってきた。
ついでに第一王子の側近の男共も走ってきたので、多少の圧迫感があった。
なので、私は無言で魔法を発動させた。
発動させた魔法は走っている男共の足元に薄い氷を張るだけの魔法。
しかし、これだけで走っていた男共はすっ転んだ。
しかも、第一王子を含めて、走っていた男共はその場で縦に一回転をした。
それが何人も、殆ど同時となれば、面白い芸になると始めて知った私は思わず吹き出してしまった。
「ぷっ、ふふ」
「わ、私は一人の生徒として、フロービス様とのお話が出来ればと」
「それならば、その要件をこの場で言って貰いましょう」
「そ、それは、私はただフロービス様と親しくしたいだけで御座います」
「それはローニャ様が、伯爵家当主にして、魔眼所持者達の新たな就職先を生み出した『何でも屋商会』の会長だからでしょう。
私は護衛の立場として、そんな打算しか無いような人間を、多少の無礼も許される学園でローニャ様に近づける訳にはいきません」
女子生徒はフィーナの言葉に図星を突かれた様な顔をしてから、去って行った。
それを見送ってから、私はフィーナに笑い掛けた。
「流石はフィーナ。本来なら護衛が個人を守る事を許されない学園で、私と同じ学年に入っただけはあるね」
「はて?なんのことでしょうか?」
「ふふ、なんでもないよ。ただの独り言」
私はそう言って、学園の入学編入試験の時の事を思い出していた。
私は多少の座学試験と実技試験があり、どちらも満点したので、飛び級の話があったが、私の学年にそのまま入ることを希望したので、それが通った。
逆にフィーナは既に学園を卒業している年齢だった。
しかし、フィーナも編入試験を受けたのだ。
更にフィーナは『実技試験は完璧にできるのですが、座学は全く出来ません』と言って、言葉通りに実技試験満点、座学試験は0点だった。
ただ私も受けたので座学試験の内容は分かっているけど、フィーナなら満点も余裕な内容だった事は確かだ。
しかも、フィーナは元々は王城所属の護衛騎士なのだから、座学も出来なければ王城に採用される訳がない。
なので、フィーナにその事を質問してみると、『学園に編入するならローニャ様と同じ学年でなければ意味がありませんから』と返された。
ここで、フィーナがわざと0点を取ったのだと理解した。
それを理解してから、『確かに、私の学年は一番下の学年なのだから、座学で0点を取れば、入れてもらえそうだな』とも思った。
ただ実技試験は満点だったので、念の為に学園長にフィーナと同じ学年にしろと軽く脅していた。
その時の学園長は脅しつけた私も、少しだけ可哀想に思えるくらいにガクガクと首を縦に振っていた。
そこまで脅したつもりは無かったのだけれど、『エンドシード学園』近くの私達が1日放置された山に入り込むと言っただけなのに。
そんな事を思い出していると、第一王子王子がやってきた。
因みに、謹慎期間中に王族の名前は調べていて、国王がアルフレート、王妃がアンジェレネ、第一王子がクリハルト、第二王子がデーレストという名前だった。
その第一王子は私を見つけると、一目散に走ってきた。
ついでに第一王子の側近の男共も走ってきたので、多少の圧迫感があった。
なので、私は無言で魔法を発動させた。
発動させた魔法は走っている男共の足元に薄い氷を張るだけの魔法。
しかし、これだけで走っていた男共はすっ転んだ。
しかも、第一王子を含めて、走っていた男共はその場で縦に一回転をした。
それが何人も、殆ど同時となれば、面白い芸になると始めて知った私は思わず吹き出してしまった。
「ぷっ、ふふ」
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