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1章 王国編

18話

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私がフィーナから話を聞いて、1週間が経過した今日、私はフィーナと何故か一緒にいるヨーティス(コローナ)と一緒に謁見の間にて、跪き下を向いていた。

私達が謁見の間入室すると国王並びに王妃、宰相や王国騎士団長、後は王国の重鎮である大臣達や副大臣達が勢揃いしていた。
私達3人は謁見の間の定位置まで移動すると、それぞれが頭を下げだ。

「面を上げよ」

国王から声が掛かり、私が頭を上げると国王と王妃、宰相と騎士団長の顔が見えた。
全員が私を処刑した人間なので、顔を見たくもないのが本音ではある。
しかし、この絶好の状況を活かすには仕方ない。

「さて、フロービス嬢。この場は非公式の場なので、多少の無礼は気にしないので、好きに発言してくれて構わない。此度の件、フロービス嬢には褒美を与える程の活躍をしたと私達は考えている。

よってなにか褒美を与えたいと思うが、フロービス嬢はまだ成人前、その事を考慮しフロービス伯爵家当主に褒美を打診しようという話になっている。

それで良いな?」

最後の「良いな?」確認ではなく、事実を認識させるためだけに言った言葉。
つまり、国王は私に褒美の内容を決めさせる気はなく、既にフロービス伯爵家に褒美は何が良いかを既に聞いているだろう。

まあ、褒美を決めるのは大体が国の中枢の人間なので、勝手に決めても殆ど何も言われない。
何故なら、他国から侮られない範囲で褒美を決めてしまえば、例え断られても褒美を与えようとしたが受け取らなかったと情報操作が出来るかし、更には国の中枢の人間に何かを言って嫌われれば、この国では生きていけないから。
更には成人の前の人間はどちらかといえば世間知らずなので、その家族に褒美は何が良いかを聞くのも特に問題ではない。

その為、成人前の人間が褒美を受け取る場合は、褒美は何が良いかを家族に聞き、それを決定事項としてここで通知するだけが、暗黙の了解となっている。

しかし、今回はそうはいかないし、私がいかせない。

「申し訳ありません、国王陛下。私は褒美として欲しい物が決まっております。せめて、その物を聞いては頂けないでしょうか」

私の言葉に私と一緒に謁見の間に緊張が走った。
まあ、ここにいる人間はいくら「多少の無礼は気にしない」と国王が言っていても、本当に気にしない訳では無いのを分かっている人間しか居ないのだから普通の反応だと思う。

もちろん国王は傍若無人では無い、だが暗黙の了解とはいえ普通ならば黙って褒美を受け取るのが当たり前なのだ、貴族の子供となれば特に。
その為、よく見なければ分からない程度、少しだけ眉を潜めた国王は私に質問した。

「ふむ、良いだろう。それでフロービス嬢、褒美に何が欲しいのだ」

「はい、父に奪われたフロービス伯爵家の当主の座、更にその座を私と支えることが出来る騎士を望みます」
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