94 / 113
第4章 貴方へ愛の言葉を
リョウバ
しおりを挟む
僕の誕生日が近づいている。
僕が生まれた日。
僕が生まれた意味。
その意味を、僕自身、これから探していく必要があるんだ。
僕を必要としてくれる人。
そうではない人。
僕は、まだ生きていたいんだ。
今は、ウイプルを、邪教国から守り抜きたい。
そして、竜の国ジゼベルガロフの脅威に晒されない様に。
もし仮に、
その役割を、担える者が他に現れたなら。
僕は。
そうだな。
友達を探しに行くよ。
ベルベッタの様な。
ブルーシーズの様な。
シルファリアスの様な。
僕の心の奥に閉まった思いを、伝えてみよう。
答えなんて、期待していないけど。
訊いてくれればいいんだ。
でも、
ひと言。
言ってもらえるとしたら。
わかる。
わかるよ、って。
僕に言ってくれたら。
それだけで、僕は。
嬉しいんだ。
そんな時がくる事は、ないのかも知れないけど。
このカインハッタ牢獄内で、すり替わった人物は、看守長ゲーベルドン。
他の看守は気づいていないわけはないと思っていたけど、例えば、このカインハッタ牢獄の看守として就任する前から、看守長ゲーベルドンがすり替わり、存在していたとしたら。
先ほど話した2人の看守は、就任して3年程度しか、このカインハッタ牢獄にいない。
他の看守も訊いてみるべきだろうけど、これ以上看守から直接訊くと、ゲーベルドンに気づかれる。
刑期の長い囚人からも、うまく話を訊き出せればとは思うけど。
このカインハッタ牢獄で囚役の長い者は、1人は確実にベリオストロフ・グリーンディだろう。
だけど、彼は妙に開き直っている。何か隠している可能性もある。もう少し、後回しにしたい。
海賊船がこの島に接近しても、そこまで危機感を抱かない理由が、慣れ以外に何かあるのか、それも知りたい。
二重人格の囚人、今日はリョウバだ。口が固い。
僕を見た時のリョウバは、警戒心が強いと感じた。アタフとリョウバは、同じ人間だ。人格は分かれていても、頭の中では情報が共有されているのかも知れない。
アタフが重大な事を伝えてしまった。
その伝えた相手である僕を警戒しているのか。
何を怯えている。
リョウバ。
君が口を開けば、アタフ以上に、真実を語りそうだと思っている。
事の真相を、君から訊く事ができれば。
そんな気がするんだ。
ジスマリアの19日
カインハッタ牢獄内にて
___________
僕が生まれた日。
僕が生まれた意味。
その意味を、僕自身、これから探していく必要があるんだ。
僕を必要としてくれる人。
そうではない人。
僕は、まだ生きていたいんだ。
今は、ウイプルを、邪教国から守り抜きたい。
そして、竜の国ジゼベルガロフの脅威に晒されない様に。
もし仮に、
その役割を、担える者が他に現れたなら。
僕は。
そうだな。
友達を探しに行くよ。
ベルベッタの様な。
ブルーシーズの様な。
シルファリアスの様な。
僕の心の奥に閉まった思いを、伝えてみよう。
答えなんて、期待していないけど。
訊いてくれればいいんだ。
でも、
ひと言。
言ってもらえるとしたら。
わかる。
わかるよ、って。
僕に言ってくれたら。
それだけで、僕は。
嬉しいんだ。
そんな時がくる事は、ないのかも知れないけど。
このカインハッタ牢獄内で、すり替わった人物は、看守長ゲーベルドン。
他の看守は気づいていないわけはないと思っていたけど、例えば、このカインハッタ牢獄の看守として就任する前から、看守長ゲーベルドンがすり替わり、存在していたとしたら。
先ほど話した2人の看守は、就任して3年程度しか、このカインハッタ牢獄にいない。
他の看守も訊いてみるべきだろうけど、これ以上看守から直接訊くと、ゲーベルドンに気づかれる。
刑期の長い囚人からも、うまく話を訊き出せればとは思うけど。
このカインハッタ牢獄で囚役の長い者は、1人は確実にベリオストロフ・グリーンディだろう。
だけど、彼は妙に開き直っている。何か隠している可能性もある。もう少し、後回しにしたい。
海賊船がこの島に接近しても、そこまで危機感を抱かない理由が、慣れ以外に何かあるのか、それも知りたい。
二重人格の囚人、今日はリョウバだ。口が固い。
僕を見た時のリョウバは、警戒心が強いと感じた。アタフとリョウバは、同じ人間だ。人格は分かれていても、頭の中では情報が共有されているのかも知れない。
アタフが重大な事を伝えてしまった。
その伝えた相手である僕を警戒しているのか。
何を怯えている。
リョウバ。
君が口を開けば、アタフ以上に、真実を語りそうだと思っている。
事の真相を、君から訊く事ができれば。
そんな気がするんだ。
ジスマリアの19日
カインハッタ牢獄内にて
___________
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる