19 / 41
異星からの来訪者
しおりを挟む
ここが地球という星だな。
私は遥か遠い銀河にある星、ファスティマやってきた。
小型宇宙船で月という星にいる月姫と一緒に写真を撮ろうと思って向かっていたが、燃料の核エネルギーがなくなってしまった。
地球のお金は、3円、10ドル札しか持っていないが、足りない分はどうにか許してもらうしかないな。
丁度良い、あそこに店がある。あそこで、核エネルギーを買うしかないな。
ウィーン。
「いらっしゃいませ!」
私はここの地域の言語を先ほどマスターしたばかりだ。早速、話してみよう。
「我々ワ、宇宙人ダ…」
あれ?何か違うな。我々とか言っても、自分1人だしな。目2つに鼻1つとか体のパーツを人に例えて数えたら、我々になるだろうか。『宇宙人の自己紹介の仕方』という本は1925年に出版されたものだが、少しばかり古い言い回しか。もう少し今風に言うか。
…よし。
「私は、宇宙人w」
何で笑う必要がある?ダメだ、ダメだ!もう普通に話を始めよう。
「あ、すまない。ちょっと取り乱してしまったみたいだ。もう正気に戻ったから、安心だ。早速で申し訳ないが、小型宇宙船の核エネルギーを、3円で売ってくれないか?」
「…はい?」
「疑問符がついたね。では、もう一度言わせてもらおう。小型宇宙船の燃料である、核エネルギーを3円で買いたい」
「え?何ですか?何が欲しいんですか?」
この地球という星の生物は、聴覚の劣化が激しいらしいな。もっと大きい声で言うしかないな。
「申し訳ないな!!小型宇宙船の!!核…」
「声大きいですって。聞こえてますよ」
聴覚が正常に戻ったのか?聴覚が安定しない生物なんだな。可哀想に。環境がそうさせるのか?
「小型宇宙船の核エネルギー…」
「小型宇宙船の核エネルギーって何ですか!?燃料って事?スタンドは向かい側にありますけど…」
ああ…。車輪付きの移動機か。文明の発達に著しい支障が出てるとしか思えないな。滑稽なおもちゃに乗って、何処へ行くんだ?速度も遅いし、あんなものの燃料など、到底核エネルギーには及ばないだろう。しかし、一応、行ってみるか。
「小型宇宙船の…」
「いらっしゃいませ、ガソリン150円/ℓになります!」
「3円しかないんだ」
「何ですか、いきなり。何も、買えないじゃないですか…」
「待って欲しい。ここからが交渉だ」
「3円しかないのは事実、その上で何とか核エネルギーの価格を下げられないだろうか?」
「え…?ガソリンを3円にまで価格を落とせ、という事ですか??」
「交渉だ」
「いえ、通報です。通報します」
「核エネルギーをか?」
「はぁ?核エネルギーを通報って、何ですか?通報します!」
「落ち着け、わかった!10ドル札をあげよう」
「はい?この国の金じゃないでしょ!ダメ、ダメ!」
「あれ?それ何ですか??」
「…ああ、うちの星…、いや、国の石ころだ。申し訳ないな。ポケットに入り込んでしまっていたらしい」
「それって…」
「どうしたんだ…?」
「凄いじゃないですか…」
「そ、そうなのか…これが?」
「豆腐ですよ、それ。石ころじゃないですね。何で、ポケットに豆腐入れてんですか?」
「これと、核エネルギーを替えて欲しい」
「…よくそういう頭になりますね?」
『異星からの来訪者』…完
私は遥か遠い銀河にある星、ファスティマやってきた。
小型宇宙船で月という星にいる月姫と一緒に写真を撮ろうと思って向かっていたが、燃料の核エネルギーがなくなってしまった。
地球のお金は、3円、10ドル札しか持っていないが、足りない分はどうにか許してもらうしかないな。
丁度良い、あそこに店がある。あそこで、核エネルギーを買うしかないな。
ウィーン。
「いらっしゃいませ!」
私はここの地域の言語を先ほどマスターしたばかりだ。早速、話してみよう。
「我々ワ、宇宙人ダ…」
あれ?何か違うな。我々とか言っても、自分1人だしな。目2つに鼻1つとか体のパーツを人に例えて数えたら、我々になるだろうか。『宇宙人の自己紹介の仕方』という本は1925年に出版されたものだが、少しばかり古い言い回しか。もう少し今風に言うか。
…よし。
「私は、宇宙人w」
何で笑う必要がある?ダメだ、ダメだ!もう普通に話を始めよう。
「あ、すまない。ちょっと取り乱してしまったみたいだ。もう正気に戻ったから、安心だ。早速で申し訳ないが、小型宇宙船の核エネルギーを、3円で売ってくれないか?」
「…はい?」
「疑問符がついたね。では、もう一度言わせてもらおう。小型宇宙船の燃料である、核エネルギーを3円で買いたい」
「え?何ですか?何が欲しいんですか?」
この地球という星の生物は、聴覚の劣化が激しいらしいな。もっと大きい声で言うしかないな。
「申し訳ないな!!小型宇宙船の!!核…」
「声大きいですって。聞こえてますよ」
聴覚が正常に戻ったのか?聴覚が安定しない生物なんだな。可哀想に。環境がそうさせるのか?
「小型宇宙船の核エネルギー…」
「小型宇宙船の核エネルギーって何ですか!?燃料って事?スタンドは向かい側にありますけど…」
ああ…。車輪付きの移動機か。文明の発達に著しい支障が出てるとしか思えないな。滑稽なおもちゃに乗って、何処へ行くんだ?速度も遅いし、あんなものの燃料など、到底核エネルギーには及ばないだろう。しかし、一応、行ってみるか。
「小型宇宙船の…」
「いらっしゃいませ、ガソリン150円/ℓになります!」
「3円しかないんだ」
「何ですか、いきなり。何も、買えないじゃないですか…」
「待って欲しい。ここからが交渉だ」
「3円しかないのは事実、その上で何とか核エネルギーの価格を下げられないだろうか?」
「え…?ガソリンを3円にまで価格を落とせ、という事ですか??」
「交渉だ」
「いえ、通報です。通報します」
「核エネルギーをか?」
「はぁ?核エネルギーを通報って、何ですか?通報します!」
「落ち着け、わかった!10ドル札をあげよう」
「はい?この国の金じゃないでしょ!ダメ、ダメ!」
「あれ?それ何ですか??」
「…ああ、うちの星…、いや、国の石ころだ。申し訳ないな。ポケットに入り込んでしまっていたらしい」
「それって…」
「どうしたんだ…?」
「凄いじゃないですか…」
「そ、そうなのか…これが?」
「豆腐ですよ、それ。石ころじゃないですね。何で、ポケットに豆腐入れてんですか?」
「これと、核エネルギーを替えて欲しい」
「…よくそういう頭になりますね?」
『異星からの来訪者』…完
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる