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異星からの来訪者

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ここが地球という星だな。





私は遥か遠い銀河にある星、ファスティマやってきた。








小型宇宙船で月という星にいる月姫と一緒に写真を撮ろうと思って向かっていたが、燃料の核エネルギーがなくなってしまった。






地球のお金は、3円、10ドル札しか持っていないが、足りない分はどうにか許してもらうしかないな。






丁度良い、あそこに店がある。あそこで、核エネルギーを買うしかないな。







ウィーン。







「いらっしゃいませ!」








私はここの地域の言語を先ほどマスターしたばかりだ。早速、話してみよう。







「我々ワ、宇宙人ダ…」






あれ?何か違うな。我々とか言っても、自分1人だしな。目2つに鼻1つとか体のパーツを人に例えて数えたら、我々になるだろうか。『宇宙人の自己紹介の仕方』という本は1925年に出版されたものだが、少しばかり古い言い回しか。もう少し今風に言うか。







…よし。








「私は、宇宙人w」






何で笑う必要がある?ダメだ、ダメだ!もう普通に話を始めよう。








「あ、すまない。ちょっと取り乱してしまったみたいだ。もう正気に戻ったから、安心だ。早速で申し訳ないが、小型宇宙船の核エネルギーを、3円で売ってくれないか?」









「…はい?」









「疑問符がついたね。では、もう一度言わせてもらおう。小型宇宙船の燃料である、核エネルギーを3円で買いたい」










「え?何ですか?何が欲しいんですか?」









この地球という星の生物は、聴覚の劣化が激しいらしいな。もっと大きい声で言うしかないな。








「申し訳ないな!!小型宇宙船の!!核…」









「声大きいですって。聞こえてますよ」









聴覚が正常に戻ったのか?聴覚が安定しない生物なんだな。可哀想に。環境がそうさせるのか?








「小型宇宙船の核エネルギー…」








「小型宇宙船の核エネルギーって何ですか!?燃料って事?スタンドは向かい側にありますけど…」








ああ…。車輪付きの移動機か。文明の発達に著しい支障が出てるとしか思えないな。滑稽なおもちゃに乗って、何処へ行くんだ?速度も遅いし、あんなものの燃料など、到底核エネルギーには及ばないだろう。しかし、一応、行ってみるか。








「小型宇宙船の…」








「いらっしゃいませ、ガソリン150円/ℓになります!」









「3円しかないんだ」








「何ですか、いきなり。何も、買えないじゃないですか…」









「待って欲しい。ここからが交渉だ」








「3円しかないのは事実、その上で何とか核エネルギーの価格を下げられないだろうか?」







「え…?ガソリンを3円にまで価格を落とせ、という事ですか??」






「交渉だ」






「いえ、通報です。通報します」







「核エネルギーをか?」









「はぁ?核エネルギーを通報って、何ですか?通報します!」







「落ち着け、わかった!10ドル札をあげよう」






「はい?この国の金じゃないでしょ!ダメ、ダメ!」







「あれ?それ何ですか??」








「…ああ、うちの星…、いや、国の石ころだ。申し訳ないな。ポケットに入り込んでしまっていたらしい」









「それって…」










「どうしたんだ…?」









「凄いじゃないですか…」









「そ、そうなのか…これが?」









「豆腐ですよ、それ。石ころじゃないですね。何で、ポケットに豆腐入れてんですか?」









「これと、核エネルギーを替えて欲しい」









「…よくそういう頭になりますね?」














『異星からの来訪者』…完

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