鍵っ娘 ~開錠と施錠のスキルで、この世界で最強の引きこもりを目指します~

更楽 茄子

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本編

10話目 / 11話目

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『10話目・最終段階と私 / 更楽茄子』



『あらぁ?。もう戦いはしないのですかぁ?』

用意してくれた自分の部屋に戻ると、自称女神さまの間延びした声がした。


『あ、レベル2になったんですねぇ?。おめでとうございますぅ』

「ありがとう。やっぱり外は危険ね」

私は簡単な食事を出してもらって、それを摂る。

さてと……明確な未来を胸に、またがんばりますか。



「────施錠ロック

─────System───────
宝箱にカギをかけた
───────────────

開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギを開けた
───────────────

施錠ロック

─────System───────
宝箱に鍵をかけた
施錠ロックのスキルが派生した
施錠ロック(概念)Lv1を習得した
───────────────



キタコレーーーーッ!!。

というわけで、こっちも。


開錠アンロック

─────System───────
宝箱のカギをあけた
開錠アンロックのスキルが派生した
開錠アンロック(概念)Lv1を習得した
───────────────



よしよし、いい感じだ。

それから数回パカパカやって、壺のお風呂に入ってベッドに入って寝た。


私がやれるだけの準備は整った─────明日からが本番開始だ。



残り:10人



───────────────────────



『11話目・旅立ちと私 / 更楽茄子』



『それでは頑張ってくださいー。レベル低いうちはあまり無理しないようにしてくださいねぇ』

なんやかんやで、ほぼ二週間こもっていた部屋を出て、私は自称女神さまに別れを告げて次の町を目指す事にした。



─────ズブズブ…

私の手に持った木の棒に叩かれたスライムが、溶ける様に消えてゆく。

「これでよし、っと。じゃあ、まずは私の存在感を─────施錠ロック(概念)っと…」

私の中でカチャリと音がする。

途中でスライムや見たこともないモンスターもいたけど、さっきスキルのおかげで、向ってくる事はなかった。

しばらく行くと小さな町が見えてきたので、迷わずに入る事にする。



「とりあえず、怪しまれない様にしないとね。という訳で、私の存在感を─────開錠アンロック(概念)。でもなぁ、他人と話すの怖いし……あ、そうだ!。ついでに社交性を─────開錠アンロック(概念)」


解錠した社交性のおかげなのか、普通に近くを歩く町人に尋ねて道具屋を教えて貰い、そこでとりあえずこの世界の地図を購入する事が出来た。

「いまがここで、魔王城がここって事は……あっちかな?」

目的地は分かったから、あとは移動手段だね。


道具屋の店主に尋ねると、個人で乗っていける馬は牧場の方に行けば売って貰えるという話を聞いた。

「まぁかなりの額がするからな、お前さんみたいなひよっこが買えるようになるのはまだまだ先だな」

店主は豪快に笑っていたので、私もそうですねと、とりあえず話を合わせて店を出る。

まぁ……ホントはお金は十分あるんだけど、わざわざそれを言う必要もないからね。



教えて貰った牧場へ向かうと、いかにも成金って感じの牧場主が居た。

「私が乗れる様な馬が欲しいんですけど?」

「………アンタみたいなひよっこにうちの馬たちを操るのは無理だな。せめてLv20はないと、うちの馬は売ることは出来ないね」


なるほど、レベルで解放されるタイプのクエストみたいだね……私には関係ないけど。

「このイベントフラグを─────開錠アンロック (概念)…」



それから私は馬に乗ってまっすぐ魔王の居城を目指した。

近付けば近付くほど凶悪そうなモンスターだらけだったけど、存在感を消してるお陰で気付かれず、襲ってくる事はなかったので気にしない。

そうして私はついに、魔王城が見える丘の上まで到達したのだった。



残り:9人
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