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世界を渡る少女
異世界の少女、ドラゴンの青年
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再度打ち付けた後頭部を摩りながら、少女は申し訳なさそうに青年に頭を下げた。
「失礼しました…」
『いや、なんだ……私も、すまなかったな』
まさか二度目までも失神するとは思っていなかった青年は、本当にすまないと思っていた。
目の前で倒れたのを見て慌てて人型に戻り、また自分の寝床へと運んだ。今度はすぐに目を覚ましたので、秘かに安堵していた。
少女の方はといえば、あまりの衝撃で目を覚ましたのだった。もちろんそれは、後頭部への衝撃ではない。
「…ドラゴンさん、なんですね……」
『そうだ』
「ふぇぇ……凄い。さすが異世界…」
怯えて失神したのかと思いきや、少女は興味津々といった様子で青年をマジマジと見ている。不思議な人間だと、青年も静かに見返す。
「あっ、そういえば自己紹介がまだでした。私、新崎美咲といいます」
そう正座したまま頭を下げる少女、美咲。
『私はマクスウェール山脈に暮らすレッドドラゴン、エミリアント』
「エミリアントさんですかぁ。助けて頂いて感謝感謝です」
笑顔で答える美咲を、エミリアントは怪訝そうな顔をする。
助けるも何も、怯えさせて気絶させたのはエミリアントなのだが。
「? どうかしました?」
『……私が怖いのではないのか?』
「あー……まぁ、あの、ドラゴンの時はちょっと……大きくて」
『それだけか?』
「…? はい」
何故そんな聞き方をするのだろうか、と首を傾げる。美咲はあれほど大きな生き物を見た事がなかったのと、最初は威嚇されたから多少は怖かったが、一番は驚愕が過ぎて意識が飛んだのだ。
それ以外に怖がられる心覚えでもあるのだろうか。
確かに端正な顔をしているし、怒ったりしたら怖く見えるかもしれないが。体が大きいというのもある。
『…貴様は、感じないのか?』
「何をですか?」
『魔力だ』
「まりょく?」
聞きなれない単語に、美咲はエミリアントの言葉を復唱する。
そして、それが「魔力」という文字に当てはまる事に気付くと、身を乗り出すようにして尋ね返した。その瞳は歓喜にランランと輝いている。
「魔力って事は、ここには魔法があるんですか!?」
『…当然だろう。でなければ、私達は存在できない』
「? それはどういう?」
『私達ドラゴンは、この身に流れる魔力が生命維持を担う。お前達人族や魔族のような、魔力以外の血などの生命維持機能が備わっていない』
「なるほど……」
魔族、という興味の引かれる言葉を聞き、美咲は更に心を躍らせた。ドラゴンだけでなく、この世界には人以外の種族がいるようだ。
その様子に、エミリアントは先程からの疑問を美咲にぶつけた。
『…貴様は、本当にこの世界の者ではないと言うのか?』
「だからそうなんですって。地球とか日本とか、聞いた事あります?」
『……私の知っている限り、この世界にそんな場所はない、が…』
美咲が自分を騙そうとしている、という可能性もある。しかし、「私は異世界から来た」などと自分に嘘をつく事のメリットが、エミリアントには思いつかなかった。
『……この際、貴様がどこから来たかは置いておこう。
先程の質問の続きだが、生き物には少なからず魔力を持っているものだ。そして、魔力の差は本能的に危機を感じる』
「ふむふむ」
『私達ドラゴンは体が魔力で出来ているようなものであるから、この世界では最も魔力が多い種族だ。もちろん、他の種族も突出した個体はいるが…』
「うんうん」
『……それを聞いても、貴様は何も感じないのか?』
「全くですねぇ。私の居た世界に魔法とか無かったですし、もしかしたら魔力なんて流れてないのかも」
魔法が存在していれば、科学があれほど発展する事も無かっただろう。
と、その時、美咲はある事を思い出した。それは自分がこの世界へ来れた方法。
「そういえば、私はどうしてこの世界へ来れたんだろう…?」
『何かをしたのではないのか?』
「まぁ、したと言えばしたんですけど……私も、半信半疑で試したものだし、なんで成功したのかも分からないし…」
世界を渡る方法を調べていた美咲が、最後に辿り着いたのは確かに魔法と呼ばれる物ではあった。
本に書かかれていた通りに、部屋に魔法陣を描いた。書かれていた通りの供物も用意し、書かれていた通りに呪文も詠んだ。
しかし、最終的に成功したのは、魔法陣の上にコーヒーを落としたからだった。
まさか本当にコーヒーが供物の一つだったという事はないだろう。ならば、あの時に魔法陣の一部が消えるか書き換わったのかもしれない。
(…まぁ、深く考えても仕方ないよね! どうせ戻らないんだし!)
美咲はそう結論付けた。そんな過去の事よりも、目の前の現実とこれからの未来の方が重要だった。
エミリアントの話が本当であるならば、この世界には魔法がある。魔法のない世界から来た者としては、それに大変興味があった。
ドラゴンの姿が本当の姿ならば、エミリアントのこの人間のような姿もきっと魔法でなっているのではないだろうか。
そう推測した美咲は、エミリアントに向き直って正座をすると、バッと頭を下げた。所謂、土下座。
「お願いします、エミリアントさん! 私に魔法を教えてくれませんか!?」
『……何故、私が』
「うっ……そう、なんですが……でもでも、私、ここの世界に知り合いなんていないし」
『……』
私も知り合いではない、という顔のエミリアント。むしろ不審者という自覚も美咲はあるが、知り合いがいないというのも事実。
まだここがどういった場所かも分からないうえ、ここは山脈内の洞窟らしい。人里までどのくらいの距離があるかも分からない。
そもそも、人里まで降りれたとしても不審者である事に変わりはない。
そこでエミリアント程の対応をされる可能性は、低そうだ。
「…………いえ、やっぱり虫のいい話ですよね」
しかし、最終的に申し訳ないという思いが勝った。見ず知らずの、しかも助けて貰った(美咲視点、間違いではない)身として、これ以上迷惑をかけるのはどうかと思ったのだ。
エミリアントの話では、ここは彼の住処。そこへ行き成り現れたうえに気絶するなんて、なんとはた迷惑な奴か。
『……』
「すみません、お休みのところをお邪魔しちゃって」
『……構わん』
「ありがとうございます、じゃあ私はこれで…」
『何を勘違いしているーーー魔法を教えてもいい、と言っている』
「へ?」
予想外の返事に、思わず気の抜けた声をあげる美咲。
ただの不審者ならば、エミリアントとてそんな要望を受け入れる事はしなかっただろう。
だが、自称・異世界から来た美咲がどうやってここへ入ってきたのか。そして、本当に彼女は何者なのか。
それを確かめる為には、暫く美咲には傍に居て貰わないと困る。別に分からなくても困らないが、エミリアントにも他に用があるわけでもない。
つまるところ、暇なのであった。
「いいんですかぁ!?」
『あぁ』
まさか承諾してもらえると思っていなかったーーー頼んだ側ではあるがーーーので、美咲は驚きながらも嬉しそうにエミリアントの右手を取った。
何の躊躇もなく触れてきた美咲に何やら狼狽えた様子のエミリアントだったが、特に振り払ったりすることはなかった。
加えて、何故か躊躇いのある顔をしている。彼は一つ、疑問に思っていた。
『教えるのは構わないのだが……』
「?」
『…貴様は先、自分には魔力が流れていないかもしれないと言っていたな』
「はい、私の世界には魔法なんてなかったので」
『私にも貴様からは魔力を感じない……それも全く』
「それが何か問題なんですか?」
『……この世界では、魔力を持たない生物は存在しない。だから何であろうと、何かしらの形で魔法を使う事ができる』
「ふむふむ。それがエミリアントさんの、ドラゴンになったり人になったりできる事にも繋がるんですね」
『そうだ。二つの姿を持つのはドラゴンだけだが。
そして、魔力というのは生物の中に流れるものだけじゃなく、自然の中にも溢れている。今、私達の周りにも魔力は漂っているのだ。
魔法とは、この体内を流れる魔力を使い、自然の魔力を操作する事で起こる現象を指す。主に火・水・風・土・光・闇という6つに分類される』
「何でも出来るってわけじゃないんですねぇ」
『……私の話を理解しているのか?』
「え?」
『つまり、体内に魔力がなければ魔法を使えない、と言っているのだぞ?』
「……ふぇ?」
「失礼しました…」
『いや、なんだ……私も、すまなかったな』
まさか二度目までも失神するとは思っていなかった青年は、本当にすまないと思っていた。
目の前で倒れたのを見て慌てて人型に戻り、また自分の寝床へと運んだ。今度はすぐに目を覚ましたので、秘かに安堵していた。
少女の方はといえば、あまりの衝撃で目を覚ましたのだった。もちろんそれは、後頭部への衝撃ではない。
「…ドラゴンさん、なんですね……」
『そうだ』
「ふぇぇ……凄い。さすが異世界…」
怯えて失神したのかと思いきや、少女は興味津々といった様子で青年をマジマジと見ている。不思議な人間だと、青年も静かに見返す。
「あっ、そういえば自己紹介がまだでした。私、新崎美咲といいます」
そう正座したまま頭を下げる少女、美咲。
『私はマクスウェール山脈に暮らすレッドドラゴン、エミリアント』
「エミリアントさんですかぁ。助けて頂いて感謝感謝です」
笑顔で答える美咲を、エミリアントは怪訝そうな顔をする。
助けるも何も、怯えさせて気絶させたのはエミリアントなのだが。
「? どうかしました?」
『……私が怖いのではないのか?』
「あー……まぁ、あの、ドラゴンの時はちょっと……大きくて」
『それだけか?』
「…? はい」
何故そんな聞き方をするのだろうか、と首を傾げる。美咲はあれほど大きな生き物を見た事がなかったのと、最初は威嚇されたから多少は怖かったが、一番は驚愕が過ぎて意識が飛んだのだ。
それ以外に怖がられる心覚えでもあるのだろうか。
確かに端正な顔をしているし、怒ったりしたら怖く見えるかもしれないが。体が大きいというのもある。
『…貴様は、感じないのか?』
「何をですか?」
『魔力だ』
「まりょく?」
聞きなれない単語に、美咲はエミリアントの言葉を復唱する。
そして、それが「魔力」という文字に当てはまる事に気付くと、身を乗り出すようにして尋ね返した。その瞳は歓喜にランランと輝いている。
「魔力って事は、ここには魔法があるんですか!?」
『…当然だろう。でなければ、私達は存在できない』
「? それはどういう?」
『私達ドラゴンは、この身に流れる魔力が生命維持を担う。お前達人族や魔族のような、魔力以外の血などの生命維持機能が備わっていない』
「なるほど……」
魔族、という興味の引かれる言葉を聞き、美咲は更に心を躍らせた。ドラゴンだけでなく、この世界には人以外の種族がいるようだ。
その様子に、エミリアントは先程からの疑問を美咲にぶつけた。
『…貴様は、本当にこの世界の者ではないと言うのか?』
「だからそうなんですって。地球とか日本とか、聞いた事あります?」
『……私の知っている限り、この世界にそんな場所はない、が…』
美咲が自分を騙そうとしている、という可能性もある。しかし、「私は異世界から来た」などと自分に嘘をつく事のメリットが、エミリアントには思いつかなかった。
『……この際、貴様がどこから来たかは置いておこう。
先程の質問の続きだが、生き物には少なからず魔力を持っているものだ。そして、魔力の差は本能的に危機を感じる』
「ふむふむ」
『私達ドラゴンは体が魔力で出来ているようなものであるから、この世界では最も魔力が多い種族だ。もちろん、他の種族も突出した個体はいるが…』
「うんうん」
『……それを聞いても、貴様は何も感じないのか?』
「全くですねぇ。私の居た世界に魔法とか無かったですし、もしかしたら魔力なんて流れてないのかも」
魔法が存在していれば、科学があれほど発展する事も無かっただろう。
と、その時、美咲はある事を思い出した。それは自分がこの世界へ来れた方法。
「そういえば、私はどうしてこの世界へ来れたんだろう…?」
『何かをしたのではないのか?』
「まぁ、したと言えばしたんですけど……私も、半信半疑で試したものだし、なんで成功したのかも分からないし…」
世界を渡る方法を調べていた美咲が、最後に辿り着いたのは確かに魔法と呼ばれる物ではあった。
本に書かかれていた通りに、部屋に魔法陣を描いた。書かれていた通りの供物も用意し、書かれていた通りに呪文も詠んだ。
しかし、最終的に成功したのは、魔法陣の上にコーヒーを落としたからだった。
まさか本当にコーヒーが供物の一つだったという事はないだろう。ならば、あの時に魔法陣の一部が消えるか書き換わったのかもしれない。
(…まぁ、深く考えても仕方ないよね! どうせ戻らないんだし!)
美咲はそう結論付けた。そんな過去の事よりも、目の前の現実とこれからの未来の方が重要だった。
エミリアントの話が本当であるならば、この世界には魔法がある。魔法のない世界から来た者としては、それに大変興味があった。
ドラゴンの姿が本当の姿ならば、エミリアントのこの人間のような姿もきっと魔法でなっているのではないだろうか。
そう推測した美咲は、エミリアントに向き直って正座をすると、バッと頭を下げた。所謂、土下座。
「お願いします、エミリアントさん! 私に魔法を教えてくれませんか!?」
『……何故、私が』
「うっ……そう、なんですが……でもでも、私、ここの世界に知り合いなんていないし」
『……』
私も知り合いではない、という顔のエミリアント。むしろ不審者という自覚も美咲はあるが、知り合いがいないというのも事実。
まだここがどういった場所かも分からないうえ、ここは山脈内の洞窟らしい。人里までどのくらいの距離があるかも分からない。
そもそも、人里まで降りれたとしても不審者である事に変わりはない。
そこでエミリアント程の対応をされる可能性は、低そうだ。
「…………いえ、やっぱり虫のいい話ですよね」
しかし、最終的に申し訳ないという思いが勝った。見ず知らずの、しかも助けて貰った(美咲視点、間違いではない)身として、これ以上迷惑をかけるのはどうかと思ったのだ。
エミリアントの話では、ここは彼の住処。そこへ行き成り現れたうえに気絶するなんて、なんとはた迷惑な奴か。
『……』
「すみません、お休みのところをお邪魔しちゃって」
『……構わん』
「ありがとうございます、じゃあ私はこれで…」
『何を勘違いしているーーー魔法を教えてもいい、と言っている』
「へ?」
予想外の返事に、思わず気の抜けた声をあげる美咲。
ただの不審者ならば、エミリアントとてそんな要望を受け入れる事はしなかっただろう。
だが、自称・異世界から来た美咲がどうやってここへ入ってきたのか。そして、本当に彼女は何者なのか。
それを確かめる為には、暫く美咲には傍に居て貰わないと困る。別に分からなくても困らないが、エミリアントにも他に用があるわけでもない。
つまるところ、暇なのであった。
「いいんですかぁ!?」
『あぁ』
まさか承諾してもらえると思っていなかったーーー頼んだ側ではあるがーーーので、美咲は驚きながらも嬉しそうにエミリアントの右手を取った。
何の躊躇もなく触れてきた美咲に何やら狼狽えた様子のエミリアントだったが、特に振り払ったりすることはなかった。
加えて、何故か躊躇いのある顔をしている。彼は一つ、疑問に思っていた。
『教えるのは構わないのだが……』
「?」
『…貴様は先、自分には魔力が流れていないかもしれないと言っていたな』
「はい、私の世界には魔法なんてなかったので」
『私にも貴様からは魔力を感じない……それも全く』
「それが何か問題なんですか?」
『……この世界では、魔力を持たない生物は存在しない。だから何であろうと、何かしらの形で魔法を使う事ができる』
「ふむふむ。それがエミリアントさんの、ドラゴンになったり人になったりできる事にも繋がるんですね」
『そうだ。二つの姿を持つのはドラゴンだけだが。
そして、魔力というのは生物の中に流れるものだけじゃなく、自然の中にも溢れている。今、私達の周りにも魔力は漂っているのだ。
魔法とは、この体内を流れる魔力を使い、自然の魔力を操作する事で起こる現象を指す。主に火・水・風・土・光・闇という6つに分類される』
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