ある女の日々

卒業式練習で泣く女

私はとても涙もろい。
一本の病気系の映画だと5、6回は泣き、
人との別れは最高一日泣いたと言っても過言ではない。
そんな私にも、ついに来たのだ。

中学の卒業式が。

小学校のころは、中学に行くといってもほとんどの生徒は同じ中学だった。
だから、泣けることといったら先生との別れだけだった。
しかし、今回は自分で選び、自分で死ぬほど勉強し、泣いても笑っても合格か不合格の高校に通う。およそ9年間一緒に学んできた仲間とは離ればなれになる。そう思うだけでなんだか思い出が蘇ってきて、より泣ける。そして合唱練習の時間ももちろんある。そのときが私の涙腺崩壊ラインなのだ。ピアノの音が鳴り響くとともに、じわりと視界が曇るのだ。無論、鼻をすすっているのは私しかいない。なぜならこれは練習だからだ。そりゃあ皆驚いたことだろう。練習から本番の気持ちでやれとは聞くが、ここまで仕上げてくるやつはいない。計10時間ほど練習をしたが、そのうち12回歌と思い出と共に涙を流した。

明日が卒業式だ。
多分明日は保護者と後輩パワーで
水分は消し飛ぶことだろう。
でも、後悔しないように、歌はしっかり歌ってこよう。そうしよう。