「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「同期会でののろけ話」

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 久しぶりに、前の職場の同期会に顔を出した。
 今夜は蒼汰もアシスタントたちとカットの練習会があるらしく、遅くなるという。
「じゃあ、たまには行ってきたらええやん」と背中を押され、少し気楽な気持ちで会場へ向かった。

「よう、悠真!元気にしてた?」
 真っ先に声をかけてきたのは、高校からの腐れ縁、太一だった。
 軽くグラスをぶつけ合う。どうやらまだ全員そろってはいないらしい。

「そういやお前、同棲始めたんだって?」
「……え?」
 思わず視線を向けると、太一がニヤニヤしながら続ける。
「加奈さんから聞いたぞ」

(ああ……先にバレてたか)

 するとちょうどその時、遅れて他の同期たちも到着し、自然と話題は俺の近況へ。

「え、同棲?初耳なんだけど」
「ついにか~。やっぱりさ、悠真って面倒見いいしな」
「でも残念~、事務の沙織ちゃん、お前狙いだったのに」
「俺が先に押してたら、ワンチャンあったかもなぁ」
「「ない、ない!!」」

 冗談まじりの声に笑いが広がる。
 太一だけは苦笑いしながら俺を見ていた。
 ――この中で、俺に彼氏がいると知ってるのは、太一だけ。

 正直、こういう場面は少し面倒だと思う反面、
 でも同時に、“蒼汰”を隠すことはしたくない。
 かわいくて、まっすぐで、俺の大事な人。
 その存在を否定するなんて、絶対にありえない。

 俺は一度だけ深呼吸して、にやりと笑ってやった。

「あぁ、同棲してる」

「えー!相手どんな人?どこで知り合ったの?」
「やっぱ職場関係?それとも……」

 質問が矢のように飛んでくる。
 俺はわざと性別に触れず、「相手」として紹介する。

「美容師やっててさ。仕事に真剣で、ちょっとドジだけど……笑顔がやたら可愛いんだよ」

 そう言うと、一斉に「おお~」と歓声があがる。
「悠真がそんな顔でのろけるなんて初めて見た!」
「めっちゃ惚気てるじゃん!」
「やだ、幸せそう~!」
「ああ、幸せだよ……だって、本当に可愛いからな」
 自分でも呆れるくらい素直に答えていた。
 ちらっと見ると、太一がグラス越しに「やれやれ」と笑っていた。

 夜が更けて、解散になった。
 帰り道、スマホに通知が入る。

 《今、勉強会終わった!悠真も帰り?駅で待ってもええかな》

 急ぎ足で駅に向かうと、蒼汰が改札の向こうで手を振っていた。
 駆け寄ると、彼は少し不安そうに笑う。
「飲み会、どうやった?」

 俺はその手を自然に握って、照れもなく言った。
「――お前の自慢話してきた」

「……は?」
 蒼汰の目が丸くなる。

「……もう、ほんまそういうこと人前で言うなや」
 口ではそう言いながら、繋いだ手をぎゅっと握り返してくる。
 俺は思わずわらってしまう。
 ――やっぱり俺の自慢の“恋人”は、お前しかいないな。
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