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「ふわふわの黄色」(蒼汰視点)
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店の近くのミモザが、満開やった。
ふわふわの黄色が風に揺れていて、
春そのものやん。
「……かわいいなぁ」
思わず立ち止まる。
部屋にあったら絶対明るくなるやつやん、これ。
ちょっとだけ持って帰ったろかな……
なんて思って、すぐに悠真の顔が浮かぶ。
花粉症。
スギだけやったっけ。ミモザってどうなんやろ。
もしあかんかったら意味ないしな。
……やめとこかな
代わりにスマホを取り出して、パシャリ。
黄色がやわらかく写る角度を探して、もう一枚。
帰ったら見せたろ?
帰宅して、靴を脱ぎながらスマホを差し出す。
「見てみ。今日な、店の横で咲いててん」
「……ミモザか」
「可愛いやろ。部屋にあったらええな思ったけど、やめといた」
少しだけ、さりげなく言う。
悠真の指が、画面の黄色をそっとなぞる。
「少しくらいなら、大丈夫だったかもな」
「ほんまに?」
「わからないけど。ミモザでひどくなったことはないし」
少し考えて、それから小さく笑う。
「でも、写真で十分。……かわいい」
「やろ? 黄色って春っぽいやん」
「お前、好きだよな。黄色」
「……あ」
リビングの奥から、
こっそり持ってきた箱を出す。
「実はなぁ」
ぱかっと開くと、黄色と白のテーブルセット。
「つい買ってもうてん」
「……衝動買い?」
「春やし?」
沈黙のあと、悠真が笑う。
「いいよ。春らしくて」
ほっとして、胸が軽くなる。
翌日。
甘い匂いがキッチンに広がる。
「悠真?なにつくってん?」
「秘密…あとで」
出来上がったのは、
ふわっとした黄色のミモザケーキ。
スポンジを細かくほぐして、
花みたいに散らしたやつ。
テーブルに、昨日の買ってきた
新しい黄色と白の皿にピッタリやん!
「……これ」
「昨日、ミモザ飾るの我慢してくれただろ」
悠真は少し照れながら続ける。
「そのお詫び」
「我慢なんかしてへんで」
「俺のためにだろ」
ケーキを一口。
「……うま」
黄色が、皿の上で春みたいに笑っている。
「花はないけど、これなら可愛くて美味しいやん!!」
「気に入った?」
「うん、めっちゃ気に入った」
向かい合って座る。
白と黄色の皿、湯気の立つ紅茶、
窓の外のやわらかい光。
「部屋、明るいな」
「せやろ?」
花は持ち帰らなかったけど。
春が二人の部屋にやってきた。
ふわふわの黄色が風に揺れていて、
春そのものやん。
「……かわいいなぁ」
思わず立ち止まる。
部屋にあったら絶対明るくなるやつやん、これ。
ちょっとだけ持って帰ったろかな……
なんて思って、すぐに悠真の顔が浮かぶ。
花粉症。
スギだけやったっけ。ミモザってどうなんやろ。
もしあかんかったら意味ないしな。
……やめとこかな
代わりにスマホを取り出して、パシャリ。
黄色がやわらかく写る角度を探して、もう一枚。
帰ったら見せたろ?
帰宅して、靴を脱ぎながらスマホを差し出す。
「見てみ。今日な、店の横で咲いててん」
「……ミモザか」
「可愛いやろ。部屋にあったらええな思ったけど、やめといた」
少しだけ、さりげなく言う。
悠真の指が、画面の黄色をそっとなぞる。
「少しくらいなら、大丈夫だったかもな」
「ほんまに?」
「わからないけど。ミモザでひどくなったことはないし」
少し考えて、それから小さく笑う。
「でも、写真で十分。……かわいい」
「やろ? 黄色って春っぽいやん」
「お前、好きだよな。黄色」
「……あ」
リビングの奥から、
こっそり持ってきた箱を出す。
「実はなぁ」
ぱかっと開くと、黄色と白のテーブルセット。
「つい買ってもうてん」
「……衝動買い?」
「春やし?」
沈黙のあと、悠真が笑う。
「いいよ。春らしくて」
ほっとして、胸が軽くなる。
翌日。
甘い匂いがキッチンに広がる。
「悠真?なにつくってん?」
「秘密…あとで」
出来上がったのは、
ふわっとした黄色のミモザケーキ。
スポンジを細かくほぐして、
花みたいに散らしたやつ。
テーブルに、昨日の買ってきた
新しい黄色と白の皿にピッタリやん!
「……これ」
「昨日、ミモザ飾るの我慢してくれただろ」
悠真は少し照れながら続ける。
「そのお詫び」
「我慢なんかしてへんで」
「俺のためにだろ」
ケーキを一口。
「……うま」
黄色が、皿の上で春みたいに笑っている。
「花はないけど、これなら可愛くて美味しいやん!!」
「気に入った?」
「うん、めっちゃ気に入った」
向かい合って座る。
白と黄色の皿、湯気の立つ紅茶、
窓の外のやわらかい光。
「部屋、明るいな」
「せやろ?」
花は持ち帰らなかったけど。
春が二人の部屋にやってきた。
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