『恋のアラカルト:BL・超短編集』~どの恋が好き?~

るみ乃。

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人形に堕ちる夜 ―糸とに縛られた狂愛の檻―

「糸で繋がれる ―人形と僕、二重の支配に沈む―」

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 薄暗い部屋、糸で縛られた腕は自由を失い、並ぶ人形たちの瞳が嘲笑うかのように光る。

「……リュシアン……っ…」
 声は震え、唇は乾いていた。
 理性は薄れ、身体は勝手に熱を帯び、身体の奥で甘い疼きが蠢く。

「ここから、出してほしい?」
 リュシアン指先が糸に絡まった腕を滑り、肩に触れる。
 冷たい手袋の感触、熱を帯びた吐息、鋭い視線が皮膚を刺激し、奥がぎゅっと締め付けられる……声にならない呻きが漏れた。

 彼の唇が首筋を這い、耳朶に触れ、身体の奥まで熱を送り込む。
 縛られた無力感は甘美に変わり、身体は痙攣し、心は陶酔に蕩ける。

「いやぁ……っ、やめて」
「本当にやめていいの?でも、君の身体は正直だよ……」

 その言葉に耳が熱くなり、頬は紅く染まる。
 羞恥と快感が入り混じり、胸の奥の熱が全身へと広がっていった。

 傍らの僕と瓜二つの人形
 ……リュシアンはまずその縫い目を指で撫で、
 次に同じ指で僕の肌をなぞった。
 冷たい布と温かな肉体――対照が彼の悦楽を際立たせる。

「ほら、見てごらん。君は人形より熱い。柔らかく、震えている。それでも……どちらが真実か、分からなくなるだろう?」

 ——リュシアンは人形を抱き寄せ、その唇に軽く口づけを落とした。次いで、僕に顔を寄せ、同じように口づける。
 人形の冷たい唇と自分の熱い唇が、交互る。に重ねられるたびに境界は曖昧になり……やがて自分がどちらなのか分からなくなっっていく。

 否定の言葉はかすれ、糸に縛られた身体は熱を増し、抵抗の力は抜け落ちる。
 布と肉体、リュシアンの狂愛が絡み合う三重の執着に捕われ支配された。

 ——僕は、彼のもの。永遠に。
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