51 / 88
『恋愛Lv.∞ ―失恋成長システム―』~恋愛EXP💖ただいま上昇中!~
「最終レベル 真白と玲央、恋の決定戦」《完》
しおりを挟む
編集部の窓から、朝の光が差し込む。
真白(俺)は原稿の山を前に、昨日の夜のことを思い返していた。
玲央先輩との距離――
指先が触れ合った瞬間、胸が跳ねたこと。
共感波Lv.4、《心の同期》スキルが発動して、彼の心の微妙な感情までわかってしまったこと。
そして今日、彼はオフィスに戻ってきた。
短期出張は終わり、元の席に座る玲央先輩。
朝の光が、彼の灰色の瞳を柔らかく照らしていた。
「真白、おはよう」
あの一言に、胸の奥で何かが跳ねる。
――これが、恋の最終試験か。
ピクルが頭の中で騒ぐ。
「真白さん、Lv.5達成条件:自覚的恋心の告白! 対象:玲央先輩!」
「うるさい! まだ出勤してるんだよ!」
でも心の奥では、覚悟ができていた。
失恋の経験値が積み重なり、共感力や恋心の解析力がここまで高まった。
もう、逃げられない。
昼休み、二人で書庫の隅に移動する。
玲央先輩が、少しだけ顔を赤らめているのを見て、俺は深呼吸した。
「玲央先輩……俺、ずっと……」
「……真白」
声が重なる瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
共感波、心の同期――全てのスキルが、今、完璧に作用する。
「……俺、玲央先輩のこと、好きです」
沈黙のあと、彼がゆっくりと笑った。
「……俺もだよ、真白」
心の中で、ピクルが小さく拍手。
「おめでとうございます! 最終レベル達成! 恋愛スキルフルコンプリート!」
「……もう、うるさい!」
でも、嬉しい。
失恋の連鎖で手に入れたスキルも、涙も、
全部この瞬間のためだったと思える。
編集部の窓から差し込む朝の光。
そこに二人の影が並ぶ。
静かに、だけど確かに――恋はここで終わりではなく、始まったのだ。
真白の胸の中で、失恋の経験値が光に変わる。
そして彼は思った。
「失恋なんて怖くない。だって、恋は、こんなにも素敵だから」
今日から、俺たちの恋はレベル0からの再スタート。
でも、もうスキルは十分。
あとは、二人で育てるだけ。
編集部の静かな朝に、二人の笑い声が溶けていった――。
(完)
真白(俺)は原稿の山を前に、昨日の夜のことを思い返していた。
玲央先輩との距離――
指先が触れ合った瞬間、胸が跳ねたこと。
共感波Lv.4、《心の同期》スキルが発動して、彼の心の微妙な感情までわかってしまったこと。
そして今日、彼はオフィスに戻ってきた。
短期出張は終わり、元の席に座る玲央先輩。
朝の光が、彼の灰色の瞳を柔らかく照らしていた。
「真白、おはよう」
あの一言に、胸の奥で何かが跳ねる。
――これが、恋の最終試験か。
ピクルが頭の中で騒ぐ。
「真白さん、Lv.5達成条件:自覚的恋心の告白! 対象:玲央先輩!」
「うるさい! まだ出勤してるんだよ!」
でも心の奥では、覚悟ができていた。
失恋の経験値が積み重なり、共感力や恋心の解析力がここまで高まった。
もう、逃げられない。
昼休み、二人で書庫の隅に移動する。
玲央先輩が、少しだけ顔を赤らめているのを見て、俺は深呼吸した。
「玲央先輩……俺、ずっと……」
「……真白」
声が重なる瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
共感波、心の同期――全てのスキルが、今、完璧に作用する。
「……俺、玲央先輩のこと、好きです」
沈黙のあと、彼がゆっくりと笑った。
「……俺もだよ、真白」
心の中で、ピクルが小さく拍手。
「おめでとうございます! 最終レベル達成! 恋愛スキルフルコンプリート!」
「……もう、うるさい!」
でも、嬉しい。
失恋の連鎖で手に入れたスキルも、涙も、
全部この瞬間のためだったと思える。
編集部の窓から差し込む朝の光。
そこに二人の影が並ぶ。
静かに、だけど確かに――恋はここで終わりではなく、始まったのだ。
真白の胸の中で、失恋の経験値が光に変わる。
そして彼は思った。
「失恋なんて怖くない。だって、恋は、こんなにも素敵だから」
今日から、俺たちの恋はレベル0からの再スタート。
でも、もうスキルは十分。
あとは、二人で育てるだけ。
編集部の静かな朝に、二人の笑い声が溶けていった――。
(完)
23
あなたにおすすめの小説
僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ
MITARASI_
BL
I
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
Ⅱ
高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。
別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。
未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。
恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。
そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。
過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。
不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。
それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。
高校編のその先を描く大学生活編。
選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。
続編執筆中
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
馬鹿な先輩と後輩くん
綿毛ぽぽ
BL
美形新人×平凡上司
新人の教育係を任された主人公。しかし彼は自分が教える事も必要が無いほど完璧だった。だけど愛想は悪い。一方、主人公は愛想は良いがミスばかりをする。そんな凸凹な二人の話。
━━━━━━━━━━━━━━━
作者は飲み会を経験した事ないので誤った物を書いているかもしれませんがご了承ください。
本来は二次創作にて登場させたモブでしたが余りにもタイプだったのでモブルートを書いた所ただの創作BLになってました。
思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった
たけむら
BL
「思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった」
大学の同期・仁島くんのことが好きになってしまった、と友人・佐倉から世紀の大暴露を押し付けられた名和 正人(なわ まさと)は、その後も幾度となく呼び出されては、恋愛相談をされている。あまりのしつこさに、八つ当たりだと分かっていながらも、友人が好きになってしまったというお相手への怒りが次第に募っていく正人だったが…?
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
王太子殿下に触れた夜、月影のように想いは沈む
木風
BL
王太子殿下と共に過ごした、学園の日々。
その笑顔が眩しくて、遠くて、手を伸ばせば届くようで届かなかった。
燃えるような恋ではない。ただ、触れずに見つめ続けた冬の夜。
眠りに沈む殿下の唇が、誰かの名を呼ぶ。
それが妹の名だと知っても、離れられなかった。
「殿下が幸せなら、それでいい」
そう言い聞かせながらも、胸の奥で何かが静かに壊れていく。
赦されぬ恋を抱いたまま、彼は月影のように想いを沈めた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎月影 / 木風 雪乃
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる