『恋のアラカルト:BL・超短編集』~どの恋が好き?~

るみ乃。

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『恋愛Lv.∞ ―失恋成長システム―』~恋愛EXP💖ただいま上昇中!~

「最終レベル 真白と玲央、恋の決定戦」《完》

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 編集部の窓から、朝の光が差し込む。
 真白(俺)は原稿の山を前に、昨日の夜のことを思い返していた。

 玲央先輩との距離――
 指先が触れ合った瞬間、胸が跳ねたこと。
 共感波Lv.4、《心の同期》スキルが発動して、彼の心の微妙な感情までわかってしまったこと。

 そして今日、彼はオフィスに戻ってきた。
 短期出張は終わり、元の席に座る玲央先輩。
 朝の光が、彼の灰色の瞳を柔らかく照らしていた。

「真白、おはよう」
 あの一言に、胸の奥で何かが跳ねる。
 ――これが、恋の最終試験か。

 ピクルが頭の中で騒ぐ。
「真白さん、Lv.5達成条件:自覚的恋心の告白! 対象:玲央先輩!」
「うるさい! まだ出勤してるんだよ!」

 でも心の奥では、覚悟ができていた。
 失恋の経験値が積み重なり、共感力や恋心の解析力がここまで高まった。
 もう、逃げられない。

 昼休み、二人で書庫の隅に移動する。
 玲央先輩が、少しだけ顔を赤らめているのを見て、俺は深呼吸した。

「玲央先輩……俺、ずっと……」
「……真白」

 声が重なる瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
 共感波、心の同期――全てのスキルが、今、完璧に作用する。

「……俺、玲央先輩のこと、好きです」

 沈黙のあと、彼がゆっくりと笑った。
「……俺もだよ、真白」

 心の中で、ピクルが小さく拍手。
「おめでとうございます! 最終レベル達成! 恋愛スキルフルコンプリート!」
「……もう、うるさい!」

 でも、嬉しい。
 失恋の連鎖で手に入れたスキルも、涙も、
 全部この瞬間のためだったと思える。

 編集部の窓から差し込む朝の光。
 そこに二人の影が並ぶ。
 静かに、だけど確かに――恋はここで終わりではなく、始まったのだ。

 真白の胸の中で、失恋の経験値が光に変わる。
 そして彼は思った。

「失恋なんて怖くない。だって、恋は、こんなにも素敵だから」

 今日から、俺たちの恋はレベル0からの再スタート。
 でも、もうスキルは十分。
 あとは、二人で育てるだけ。

 編集部の静かな朝に、二人の笑い声が溶けていった――。

 (完)
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