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第1章 謎の魔導師
第2話 魔導師ギルド
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ルミナス王国、南部にある大きな街、五大都市の一角のサースト。私が所属する魔導師ギルド、白い天馬があるのもこの街。
五大都市とは、首都・ルミテミアと東西南北それぞれにある一番栄えている街4つと合わせた総称。
駅から徒歩15分ほど、多くのお店が並ぶ大通りを抜けて少し人気が少なくなったところにある2階建の大きな建物。中央にある看板には白い天馬と書かれている。
戸惑うことなく扉を開け、中に入る。
中は一見居酒屋のような感じで丸い木造テーブルと椅子が適当に配置され、誰でも座れるように数は十分に置かれている。奥に行けばバーカウンターがあり、飲み物や食事はそこで注文できるようになっている。その隣には大きなボードが置かれており、いくつかの紙が貼られている。それが依頼掲示板。ギルドのメンバーは、そこから好きな依頼を選ぶことができる。
私は一直線でバーカウンターへ。
「サーラ」
栗色のカールがかった長い髪のすらっとした背の高い女性の名を呼んだ。
「あらレイナ! おかえりなさい」
彼女はこちらをくるっと向き、その大きな黒い瞳が私を捉えた。
「依頼、何かある?」
「何枚かレイナが好きそうなのは見つけておいたわよ」
彼女はサーラ・ヴィヤード。彼女もこのギルドの魔導師だが、今は前線から離れ、マスターの補佐をしている。依頼の管理も彼女の仕事。だから面白そうな依頼があったら取っておいてもらうように頼んである。
「ありがとう、いつも助かるわ」
「レイナ、いい加減休んだら? 2ヶ月ぶりに戻ってきたんだし、ゆっくりしたらいいじゃない」
「そうだぞ、レイナ。そして俺と勝負しろ」
「イアル、早かったんだね」
隣を向けば、先程別れたイアルの姿が。
「おかえりなさい、イアル」
「おお。ただいま、サーラ」
「それで依頼は?」
「はあー、言っても聞かないんだから」
「2ヶ月間ずっと仕事してたわけじゃないから大丈夫だよ」
「もうー。とりあえず、聖議院から依頼申請来てるわよ。依頼内容はここにまとめてあるわ」
「ありがとう」
サーラから1枚の紙を受け取った。
依頼内容は裏ギルド、神の裁きの情報収集。情報収集だけでこっちに回してくるの? どうせなら討伐がいいのだけれど。しかもこれの担当、第2部隊だし。この機会を逃す手はないか。
「なあ、依頼申請ってなんだ?」
「権力のある聖議院の幹部や貴族は自分の好きな上級魔導師に直接依頼することができるの」
「直接依頼してくるだけあって難易度は跳ね上がるけどその分報酬は良い。ただ失敗すると自分の評判はおろかギルドの評判も落ちるからその辺りもちゃんと考慮する必要はある」
「まあでも、そこまでのリスクをおかしてまででも受ける理由はやっぱり……」
「国家魔導師の資格が欲しいから、だろうね」
国家魔導師とは、国王に認められた優秀な魔導師のことを指す。この資格を得ることで、聖議院の幹部と同等の権力を得ることができ、一般人立ち入り禁止の場所に出入り可能になったり公開されていない資料を閲覧できたりといろいろと便利な特権を得ることができる。
「レイナもそれが欲しいのか?」
「まあ、それもあるかな」
「他に何か目的があるのか?」
目的……。
「ふふっ、それは内緒」
「なんでだよ」
「イアルだって隠し事があるでしょ? それと一緒」
「うっ……」
「レイナ、どうする?」
「今から行くって伝えといて」
「わかったわ」
一度家に戻り、必要な物を持って聖議院の本部がある首都・ルミテミアに向かった。
五大都市とは、首都・ルミテミアと東西南北それぞれにある一番栄えている街4つと合わせた総称。
駅から徒歩15分ほど、多くのお店が並ぶ大通りを抜けて少し人気が少なくなったところにある2階建の大きな建物。中央にある看板には白い天馬と書かれている。
戸惑うことなく扉を開け、中に入る。
中は一見居酒屋のような感じで丸い木造テーブルと椅子が適当に配置され、誰でも座れるように数は十分に置かれている。奥に行けばバーカウンターがあり、飲み物や食事はそこで注文できるようになっている。その隣には大きなボードが置かれており、いくつかの紙が貼られている。それが依頼掲示板。ギルドのメンバーは、そこから好きな依頼を選ぶことができる。
私は一直線でバーカウンターへ。
「サーラ」
栗色のカールがかった長い髪のすらっとした背の高い女性の名を呼んだ。
「あらレイナ! おかえりなさい」
彼女はこちらをくるっと向き、その大きな黒い瞳が私を捉えた。
「依頼、何かある?」
「何枚かレイナが好きそうなのは見つけておいたわよ」
彼女はサーラ・ヴィヤード。彼女もこのギルドの魔導師だが、今は前線から離れ、マスターの補佐をしている。依頼の管理も彼女の仕事。だから面白そうな依頼があったら取っておいてもらうように頼んである。
「ありがとう、いつも助かるわ」
「レイナ、いい加減休んだら? 2ヶ月ぶりに戻ってきたんだし、ゆっくりしたらいいじゃない」
「そうだぞ、レイナ。そして俺と勝負しろ」
「イアル、早かったんだね」
隣を向けば、先程別れたイアルの姿が。
「おかえりなさい、イアル」
「おお。ただいま、サーラ」
「それで依頼は?」
「はあー、言っても聞かないんだから」
「2ヶ月間ずっと仕事してたわけじゃないから大丈夫だよ」
「もうー。とりあえず、聖議院から依頼申請来てるわよ。依頼内容はここにまとめてあるわ」
「ありがとう」
サーラから1枚の紙を受け取った。
依頼内容は裏ギルド、神の裁きの情報収集。情報収集だけでこっちに回してくるの? どうせなら討伐がいいのだけれど。しかもこれの担当、第2部隊だし。この機会を逃す手はないか。
「なあ、依頼申請ってなんだ?」
「権力のある聖議院の幹部や貴族は自分の好きな上級魔導師に直接依頼することができるの」
「直接依頼してくるだけあって難易度は跳ね上がるけどその分報酬は良い。ただ失敗すると自分の評判はおろかギルドの評判も落ちるからその辺りもちゃんと考慮する必要はある」
「まあでも、そこまでのリスクをおかしてまででも受ける理由はやっぱり……」
「国家魔導師の資格が欲しいから、だろうね」
国家魔導師とは、国王に認められた優秀な魔導師のことを指す。この資格を得ることで、聖議院の幹部と同等の権力を得ることができ、一般人立ち入り禁止の場所に出入り可能になったり公開されていない資料を閲覧できたりといろいろと便利な特権を得ることができる。
「レイナもそれが欲しいのか?」
「まあ、それもあるかな」
「他に何か目的があるのか?」
目的……。
「ふふっ、それは内緒」
「なんでだよ」
「イアルだって隠し事があるでしょ? それと一緒」
「うっ……」
「レイナ、どうする?」
「今から行くって伝えといて」
「わかったわ」
一度家に戻り、必要な物を持って聖議院の本部がある首都・ルミテミアに向かった。
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