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【閑話】あてられたのは(裏)(ラファ×ギル)

❤(4)

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「あっ、な、待っ……、これ……ひぁっ!」

 内側から、挟むようにして押し上げられたそこから、びり、と甘すぎる痺れが背筋を駆け抜ける。
 腰の奥へと蟠っていた熱が競り上がり、ぴゅる、と少量の飛沫ひまつが腹に散った。

「今日は……なんだか分かりやすいですね」
「っ! あぁっ、な、なに、がっ……!」

「……ほんと、なんなんですか」

 呟くように言ったラファエルが、僅かに視線を下向ける。その表情を隠すように、長い白金髪の髪が肩からこぼれ落ちてきた。
 髪の毛に覆われる直前、ラファエルの笑みが一瞬消えた――ような気がした。

「分かってるんですか」
「だ、だから、なに……が……っ!」

 返る言葉はないままに、ラファエルはずるりと指を抜く。
 かと思うと、当たり前みたいに片足を抱え上げられ、充溢した先端がそこにあてがわれた。

「――あなたは僕の恋人なんですよ」
「そ、れはお前が勝手に……っや、あっ――ああぁっ!」

 言葉も半ばに一気に貫かれ、普段なら考えられないような高い嬌声が口をついた。と同時に、押し出されるみたいに腹部に白い雫がぱたぱたと落ちた。

(だから……俺、マジ早すぎ……)

 穴があったら入りたい……。
 ……挿れられるんじゃなくて。

「…………は」

 そんな俺を他所に、ただ邪魔そうに髪を掻き上げ、再びまみえたラファエルの顔には艶やかな笑みが浮かんでいた。
 遅れて、はぁ、という妙になまめかしい吐息が落とされる。

 そういう状況なのだから、別に不自然ではないのかもしれない。
 けれども、その反応も、表情も眼差しも、やはり急にスイッチが入ったように、やけにギラついたものに変わっている気がした。

「ラ……ラファ、エル?」
「ギル……あなた」

 窺うように名を呼べば、返されたのは、いつにもまして腰の奥へと響くような官能的な声。
 急くように服の下へと滑り込んできた片手が、ツンと布地を押し上げていた胸の突起を責めるみたいに捻り上げた。

「っあ!」

 びくりと身を竦ませると、相乗して内壁がきゅんと締まる。その瞬間、ラファエルがとっさに息を詰めたのが分かった。
 一拍後、身体の奥でどくんと脈打ったそれに、勢いよく注ぎ込まれたものを感じて――。

「え、嘘……」

 ……まさか、イった? マジで?
 いつもはあれだけ完璧(?)に制御コントロールしているラファエルが? 挿れただけで?!

 最初は疑いながらも、やはり間違いないと知れば、思わず口端が微かに引き上がった。
 かと言って、揶揄からかおうにもそこまでの余裕はないんだけど、

「あなた……いったい何を口にしたんです」

 独りごちるように言いながら、恨めしげに見下ろしてくるラファエルの面持ちを目にすると、少しだけすつとしたような気分になれた。



 ――まぁ、当然のようにこれで終わりじゃなかったけどな…………。



 END(次ページより本文に戻ります)
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