11 / 22
第11話 毒物検知の能力
しおりを挟む
「【毒物検知】それが君が授かった能力ということかな?」
レイドル王が質問をしてくる。
あれから、パーティーどころではなくなってしまったせいで、その場は解散となっていた。
レイドル王とローウェルにアマンダ。佐藤と田中にオリヴィアと近衛騎士が数人この場に残っている。
俺に事情を聞くため、全員の視線が向いていた。
「ええ、まあそれに近い能力ではあるかと……」
「近い能力ってどういうことなの、鈴木?」
田中が眉根を寄せると探りを入れてきた。
「これが俺の能力だと気付いたのは本当にさっきなんだ。まだ検証も済んでいないからそう答えるしかない」
「そ、そうなのか……?」
俺の返答に佐藤が困惑した表情を浮かべる。
「いずれにせよ有用な能力だ。召喚者殿、俺の専属として仕えるつもりはないか?」
レイドル王が俺にそう提案をすると、周囲の人間の表情が変わった。
「国王! 信頼できるかわからない者を傍に置くのは早計かと思いますが……」
ローウェルが苦言を呈するのだが、レイドル王はそれを一蹴する。
「愚かな、もし俺に危害を加えるつもりがあるならワインを飲むところを黙ってみておればよかっただけだろう?」
実験動物にワインを飲ませたところ、数秒と経たずに死亡したので既に結果が出ている。
「そ、それは確かに……そうですが」
ローウェルは右手で口元を隠すと悔しそうな表情をみせ、俺に視線を向けた。その瞳は以前の虫けらを見るような目ではなく、俺という人間に興味を持っているように見えた。
「恐れながら父上が召喚者殿を召し上げてしまうと儀式が破綻してしまいますわ」
アマンダがそう告げると、レイドル王は眉根を寄せて俺を見た。
「確かにな、この国の繁栄を願って行う儀式を俺のためだけに破綻させるわけにはいかぬ」
しばらく悩んだすえ、レイドル王は言った。
「召喚者、スズキに此度の褒美として星二つを与える」
周囲が驚き声を上げる中、俺は内心でガッツポーズをとると、
「ありがたき言葉。謹んでお受けします」
レイドル王に跪き、そう答えるのだった。
「やっと、解放された」
あれから他の人間に話しかけられ、どうにか屋敷に戻って衣装を脱ぎ寛ぎはじめた。
「それにしても、ギリギリだったな……」
今思えば、何か一つでもずれていれば俺の命は消えていてもおかしくなかった。
実際、一度は喉が斬られる痛みと、喉を締め付けられる痛み、喉が焼ける痛みを味わったのだ。
「それにしても、俺が星三つか……」
星一つというのは普通に城で働き地道に努力をしていれば何年もかかってようやく一つもらえる物。
召喚者特典ということで他のクラスメイトはあっさりともらっていたが、これまで俺は一つしか持たない無能側だった。
ところが、今回のことで能力を認められたお蔭で、こうしてクラスメイトと同等の地位まで上がることができた。
「これで、俸給も上がるし、好きなことが出来るようになるな」
いくつか興味のある魔導具なんかもあるし、街に出て美味しい物を食べてみたいと思っている。今回の事件で報奨金も出るらしいので、手に入ったらそれらを片っ端から実現させてみるのもありだ。
「気持ち悪い顔」
「なっ!」
気が付けば部屋の中にオリヴィアが入ってきており、横から俺の顔を観察していた。
「か、勝手に部屋に入ってこないでくださいよっ!」
「ここは私の屋敷よ。私が立ち入れない場所はどこにもない、遠慮するならあなたがしなさい」
太々しい態度で向かいのソファーへと腰掛ける。一体何の用かといぶかしんでいると、
「それで、さっきの件で興味が湧いてきたのだけど」
これまでのように無視するわけではなく、オリヴィアは好奇の瞳で俺を見つめていた。
「あなたがズンポイを犯人と特定した能力だけど、本当に【毒物検知】?」
その言葉にドキリとする。
「どうしてそう思ったんですか? 実際、ズンポイは毒を持っていたじゃないですか?」
俺はあの事件でズンポイの毒物を見破ったことを持ち出してみる。
「それは確かにそうね。でも儀式の最初から考えると、色々と辻褄が合わない部分が出てくるのよ。あなたそもそも、ローウェルやアマンダを支持するつもりだったでしょう? あの時、どうしてそうしないのか気になっていたけど、あれも能力に関係することだとしたら?」
実際に体験した俺が辿り着いた答えに既に気付きはじめているようだ。目線を離さずにじっと俺を見つめる彼女に俺は両手を上げる。
「はぁ、降参です。うまく隠せれば立ち回りに使えるかと思ったんですけどね」
ちょっとした違和感からそこまで推理できているのなら、こちらとしてもしらを切り通すつもりはない。
「それで、あなたは何に気付いたの? 途中まで死に怯えていたあなたがある時を境に自信を持っていた。あの時点で自分が死なないと判断したのでしょう?」
質問をしてくるオリヴィアに、俺は自分が死を回避するに至った推理を披露することにした。
レイドル王が質問をしてくる。
あれから、パーティーどころではなくなってしまったせいで、その場は解散となっていた。
レイドル王とローウェルにアマンダ。佐藤と田中にオリヴィアと近衛騎士が数人この場に残っている。
俺に事情を聞くため、全員の視線が向いていた。
「ええ、まあそれに近い能力ではあるかと……」
「近い能力ってどういうことなの、鈴木?」
田中が眉根を寄せると探りを入れてきた。
「これが俺の能力だと気付いたのは本当にさっきなんだ。まだ検証も済んでいないからそう答えるしかない」
「そ、そうなのか……?」
俺の返答に佐藤が困惑した表情を浮かべる。
「いずれにせよ有用な能力だ。召喚者殿、俺の専属として仕えるつもりはないか?」
レイドル王が俺にそう提案をすると、周囲の人間の表情が変わった。
「国王! 信頼できるかわからない者を傍に置くのは早計かと思いますが……」
ローウェルが苦言を呈するのだが、レイドル王はそれを一蹴する。
「愚かな、もし俺に危害を加えるつもりがあるならワインを飲むところを黙ってみておればよかっただけだろう?」
実験動物にワインを飲ませたところ、数秒と経たずに死亡したので既に結果が出ている。
「そ、それは確かに……そうですが」
ローウェルは右手で口元を隠すと悔しそうな表情をみせ、俺に視線を向けた。その瞳は以前の虫けらを見るような目ではなく、俺という人間に興味を持っているように見えた。
「恐れながら父上が召喚者殿を召し上げてしまうと儀式が破綻してしまいますわ」
アマンダがそう告げると、レイドル王は眉根を寄せて俺を見た。
「確かにな、この国の繁栄を願って行う儀式を俺のためだけに破綻させるわけにはいかぬ」
しばらく悩んだすえ、レイドル王は言った。
「召喚者、スズキに此度の褒美として星二つを与える」
周囲が驚き声を上げる中、俺は内心でガッツポーズをとると、
「ありがたき言葉。謹んでお受けします」
レイドル王に跪き、そう答えるのだった。
「やっと、解放された」
あれから他の人間に話しかけられ、どうにか屋敷に戻って衣装を脱ぎ寛ぎはじめた。
「それにしても、ギリギリだったな……」
今思えば、何か一つでもずれていれば俺の命は消えていてもおかしくなかった。
実際、一度は喉が斬られる痛みと、喉を締め付けられる痛み、喉が焼ける痛みを味わったのだ。
「それにしても、俺が星三つか……」
星一つというのは普通に城で働き地道に努力をしていれば何年もかかってようやく一つもらえる物。
召喚者特典ということで他のクラスメイトはあっさりともらっていたが、これまで俺は一つしか持たない無能側だった。
ところが、今回のことで能力を認められたお蔭で、こうしてクラスメイトと同等の地位まで上がることができた。
「これで、俸給も上がるし、好きなことが出来るようになるな」
いくつか興味のある魔導具なんかもあるし、街に出て美味しい物を食べてみたいと思っている。今回の事件で報奨金も出るらしいので、手に入ったらそれらを片っ端から実現させてみるのもありだ。
「気持ち悪い顔」
「なっ!」
気が付けば部屋の中にオリヴィアが入ってきており、横から俺の顔を観察していた。
「か、勝手に部屋に入ってこないでくださいよっ!」
「ここは私の屋敷よ。私が立ち入れない場所はどこにもない、遠慮するならあなたがしなさい」
太々しい態度で向かいのソファーへと腰掛ける。一体何の用かといぶかしんでいると、
「それで、さっきの件で興味が湧いてきたのだけど」
これまでのように無視するわけではなく、オリヴィアは好奇の瞳で俺を見つめていた。
「あなたがズンポイを犯人と特定した能力だけど、本当に【毒物検知】?」
その言葉にドキリとする。
「どうしてそう思ったんですか? 実際、ズンポイは毒を持っていたじゃないですか?」
俺はあの事件でズンポイの毒物を見破ったことを持ち出してみる。
「それは確かにそうね。でも儀式の最初から考えると、色々と辻褄が合わない部分が出てくるのよ。あなたそもそも、ローウェルやアマンダを支持するつもりだったでしょう? あの時、どうしてそうしないのか気になっていたけど、あれも能力に関係することだとしたら?」
実際に体験した俺が辿り着いた答えに既に気付きはじめているようだ。目線を離さずにじっと俺を見つめる彼女に俺は両手を上げる。
「はぁ、降参です。うまく隠せれば立ち回りに使えるかと思ったんですけどね」
ちょっとした違和感からそこまで推理できているのなら、こちらとしてもしらを切り通すつもりはない。
「それで、あなたは何に気付いたの? 途中まで死に怯えていたあなたがある時を境に自信を持っていた。あの時点で自分が死なないと判断したのでしょう?」
質問をしてくるオリヴィアに、俺は自分が死を回避するに至った推理を披露することにした。
11
あなたにおすすめの小説
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる