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町の日常
9.時巡り~初めまして。さようなら
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「よかった」
潮の香りで意識が冴えてくると、男性が私を見ていた。
「リン?…リン!」
知らない天井、知らない人。
怖くなって、当たり前の存在を探す。
「リン?もしかして、一緒にいた女性の方?」
「そうです」
「その方は、親と一緒に食事を作っているよ。
できたら、一緒に食べよう」
生きていることに、傍にいることに安堵する。
ふと、聞き馴染んだ速度の足音がする。
「セツナ様。おはようございます。食事を作りました。
きてください」
開いている扉から見えたのは、
見慣れた姿と聞きなれた平坦な声。
それだけで安心する。知らない場所というのは、
それだけで不安になることを初めて知った。
「はい」
「あ、案内します。リンさんも」
「はい。黒刀さん。ありがとうございます」
案内された先へ行くと、すでに用意が終わっていた。
「セツナ様はこちらに座ってほしいそうです。
ここの決まりに従いましょう」
「はい。私は、セツナです。
助けていただき、ありがとうございます」
リンに促され座ると、この家の者へ向く。
彼らは、私の言葉を静かに微笑みながら聞いてくれた。
「困ったときはお互い様です。
さ、どうぞ。リンさんのおかげで、早くできました。
こちらこそ、ありがとうございます」
「「いただきます」」
「「「いただきます」」」
湯気が見える料理たちに驚く。
私たちは目を合わせ、静かに感動を分かち合う。
「まだ寒いから、鍋にしたんだけど…」
私を見て不安そうな表情の奥方様。
私だって食べたい。
だが、初めて見る料理に食べ方が分からない。
困っていると、リンが微笑む。
「奥方様。とても美味しいので、
そのような顔をしないでください。
セツナ様。そちらの汁につけて、食べるそうです。
味見をしましたが、
舌を火傷しないように気をつけてください」
リンの言うとおりに、食べる。
柑橘の風味がする汁と甘い野菜の美味しさに驚いた。
「リン。この野菜は甘いですね…これは、魚?」
「はい。こんなにも青さがない魚は初めてです。
部屋では冷たいものばかりでしたからね。
鮮度が落ちるとどうしても…」
隣で部屋の料理を思い出すリンは、
おそらく生魚を薄く切ったものを想像している。
私も、その意見に同感だった。
「お二人とも、煮た魚は初めてですか?」
首をかしげて私たち見るご主人。
その仕草が、なんとなく可愛い。
男性には失礼な気がするので言わないが。
「はい。
温かな料理も、野菜が甘いのも初めてで…でも、美味しいです」
「私たちの家は、
野菜は長期保存のために塩が使われていました。
そういえば、セツナ様。こちらにも塩漬けがありますが、
とても美味しいのです」
「リン!私、ちゃんと食べてましたって…え?……本当。
美味しい。どうしてこんなにも違うの?」
リンが指し示すものを見ると、
奥方様は笑って食べていいと言った。
小さく切られている一つをいただくと、感動が広がる。
「そうですか。
どうぞ、たくさん食べてください」
「ありがとうございます」
たくさんあった気がしたのに、
あっという間に空になった。
家族団らんというのは、おそらくこうなのだろう。
赤の他人に、夢に描いたそれを重ねる。
奥方が机を片付け始める。
おそらくこれが最初で最後になるので、
今ここで恩を返したい。
「奥方様。私、よかったら手伝います」
「んー…では、お願いします」
初めて立つ台所。本で見た通りだ。
「セツナさんやリンさんにも手伝わせて…
お客様にさせて申し訳ないけど、
娘ができたみたいで嬉しいです」
「そうですか」
「あ、そうだった。これ、持っていきましょう」
出されたのは、甘い香りがするお菓子。
それは、高級嗜好品として有名なもの。
「よろしいのですか。こんなに高級な品…」
「苦手ですか?」
「いえ。まず、食べたことがありません」
「だったら、ぜひ食べてください。
野菜で何か新しいものが作れないか試して、
やっと商品になったんです」
「でしたら、いだたきます」
「はいー。ありがとうございます」
嬉しそうな奥方様と共に、さっきまでいた部屋へ戻る。
皆で食べたお菓子は、とても美味しかった。
親切な方たちのおかげで、
空腹を満たすことができた。
ふと、思い出す。
「ご主人。潮の満ち引きは分かりますか?」
「潮?そろそろ満ち始める頃…か」
その言葉に、私たちは焦る。
「リン。そろそろ戻らないと…」
「はい」
「帰るのでしたら、こちらを…よかったら」
奥方様が渡そうとしているのは、
香りが逃げないように工夫されてる食べ物。
「漬物、美味しいと言っていたから。
たくさん、あるので遠慮はいりません」
「では、ありがたく…いただきます。
リン、私たちも。これなら対価に見合うでしょう?」
「はい」
リンのものも預り、奥方様へ渡す。
小さなものだが、なぜか驚かれる。
「綺麗なブレスレット…よろしいのですか?」
「はい。食事と団らんのお礼です。
私たちは、急ぎ戻らないと…海へ行く道はどちらですか?」
「案内します」
「黒刀さん、ありがとうございます」
贈り物を受け取り、奥方様とご主人と別れた。
風に感じる潮の香りに包まれながら歩くと、
見晴らしのいい海岸へ着いた。
「ここから先が海です」
「ありがとうございます」
「見送りは、ここまででいいですよ。
お戻りください。ありがとうございます」
リンが私を庇うように前に出る。
私は鍵だから、だろう。
冷たい部屋を思い出す。
それでもいられるのは、監視とはいえリンがいるからだ。
「わかりました。お二人とも、気をつけて帰ってください」
黒刀さんが見えなくなると、リンが一歩、海へと歩き出す。
「行きましょう」
二度目にして、最後の移動魔法の合図だ。
私は、目を閉じる。ふわりと空気が変わり目を開けると、
街の入り口にいた。
「ここは…」
「最後ですから、買い物くらいは許してもらいましょう。
私たちも、たまには少女らしいことをしたいです」
「はい。賛成です」
私たちは、人の姿が見えない街を歩く。
きっと、もうすぐ陸へ向かった大人たちが戻る。
急ぎ足で奥方様へあげた物と同じのを再びお揃いで買い、
部屋に戻った。
「秋人。聞いたか?海の中に街があるって」
野菜の配達のため、約束の時間通りに顔を会わせると、
開口一番に潮はそう言った。
やはり海のことは気になるのだろう。
魚と海は縁深い。土地の生い立ちは、
畑の土にも影響はある。
興味はあるので、その気持ちは分かる。
「男性が泳いでいると、偶然見つけたそうだね。
昔は、ここも今とは違っていたのかもしれない」
「そうかも。夢があるよねー」
「分かります。
文明が今より進んでいたという噂もあるから、
知りたい反面…かな」
「うん。触れないほうがいいこともあるかもー」
明るい声には寂しさがあるように思えた。
儚い笑みを浮かべた潮は、
遠くへ思い馳せるようにに空を仰ぎ見る。
「そうだね。あ、そういえば。
これ、渡すように言われて」
手に持っている重さに思い出す。
親から預かっている注文の野菜。仕事はしなければ。
「そうだった。
これがないと怒られる…今日も美味しそう」
無邪気に渡したものを見て、嬉しそうに笑う潮。
少しだけ懐かしそうな様子には、
あえて触れないことにした。
「美味しいですよ。八百屋自慢の品です。
またそちらにも食事へ行くよ」
「はい。お待ちしてます」
潮と別れると、湊の家にも野菜を持っていく。
「こんにち…あれ?」
「こんにちは。どうしました?」
首をかしげる湊。
野菜を受け取ろうとしている腕で揺れているのは、装飾品。
「それ…綺麗だね。話題の水中ブレスレット?」
「みたいですね」
「復元したら、
可愛いからって模造品が流行ってるのは知ってたけど、
売っているの?」
「はい。
黒刀さん夫婦が身につけていたのが可愛いので…
得るべき許可は頂いています」
愛嬌のある笑みを浮かべる湊の腕には、
小さいが澄んだ煌めきを放っていた。
潮の香りで意識が冴えてくると、男性が私を見ていた。
「リン?…リン!」
知らない天井、知らない人。
怖くなって、当たり前の存在を探す。
「リン?もしかして、一緒にいた女性の方?」
「そうです」
「その方は、親と一緒に食事を作っているよ。
できたら、一緒に食べよう」
生きていることに、傍にいることに安堵する。
ふと、聞き馴染んだ速度の足音がする。
「セツナ様。おはようございます。食事を作りました。
きてください」
開いている扉から見えたのは、
見慣れた姿と聞きなれた平坦な声。
それだけで安心する。知らない場所というのは、
それだけで不安になることを初めて知った。
「はい」
「あ、案内します。リンさんも」
「はい。黒刀さん。ありがとうございます」
案内された先へ行くと、すでに用意が終わっていた。
「セツナ様はこちらに座ってほしいそうです。
ここの決まりに従いましょう」
「はい。私は、セツナです。
助けていただき、ありがとうございます」
リンに促され座ると、この家の者へ向く。
彼らは、私の言葉を静かに微笑みながら聞いてくれた。
「困ったときはお互い様です。
さ、どうぞ。リンさんのおかげで、早くできました。
こちらこそ、ありがとうございます」
「「いただきます」」
「「「いただきます」」」
湯気が見える料理たちに驚く。
私たちは目を合わせ、静かに感動を分かち合う。
「まだ寒いから、鍋にしたんだけど…」
私を見て不安そうな表情の奥方様。
私だって食べたい。
だが、初めて見る料理に食べ方が分からない。
困っていると、リンが微笑む。
「奥方様。とても美味しいので、
そのような顔をしないでください。
セツナ様。そちらの汁につけて、食べるそうです。
味見をしましたが、
舌を火傷しないように気をつけてください」
リンの言うとおりに、食べる。
柑橘の風味がする汁と甘い野菜の美味しさに驚いた。
「リン。この野菜は甘いですね…これは、魚?」
「はい。こんなにも青さがない魚は初めてです。
部屋では冷たいものばかりでしたからね。
鮮度が落ちるとどうしても…」
隣で部屋の料理を思い出すリンは、
おそらく生魚を薄く切ったものを想像している。
私も、その意見に同感だった。
「お二人とも、煮た魚は初めてですか?」
首をかしげて私たち見るご主人。
その仕草が、なんとなく可愛い。
男性には失礼な気がするので言わないが。
「はい。
温かな料理も、野菜が甘いのも初めてで…でも、美味しいです」
「私たちの家は、
野菜は長期保存のために塩が使われていました。
そういえば、セツナ様。こちらにも塩漬けがありますが、
とても美味しいのです」
「リン!私、ちゃんと食べてましたって…え?……本当。
美味しい。どうしてこんなにも違うの?」
リンが指し示すものを見ると、
奥方様は笑って食べていいと言った。
小さく切られている一つをいただくと、感動が広がる。
「そうですか。
どうぞ、たくさん食べてください」
「ありがとうございます」
たくさんあった気がしたのに、
あっという間に空になった。
家族団らんというのは、おそらくこうなのだろう。
赤の他人に、夢に描いたそれを重ねる。
奥方が机を片付け始める。
おそらくこれが最初で最後になるので、
今ここで恩を返したい。
「奥方様。私、よかったら手伝います」
「んー…では、お願いします」
初めて立つ台所。本で見た通りだ。
「セツナさんやリンさんにも手伝わせて…
お客様にさせて申し訳ないけど、
娘ができたみたいで嬉しいです」
「そうですか」
「あ、そうだった。これ、持っていきましょう」
出されたのは、甘い香りがするお菓子。
それは、高級嗜好品として有名なもの。
「よろしいのですか。こんなに高級な品…」
「苦手ですか?」
「いえ。まず、食べたことがありません」
「だったら、ぜひ食べてください。
野菜で何か新しいものが作れないか試して、
やっと商品になったんです」
「でしたら、いだたきます」
「はいー。ありがとうございます」
嬉しそうな奥方様と共に、さっきまでいた部屋へ戻る。
皆で食べたお菓子は、とても美味しかった。
親切な方たちのおかげで、
空腹を満たすことができた。
ふと、思い出す。
「ご主人。潮の満ち引きは分かりますか?」
「潮?そろそろ満ち始める頃…か」
その言葉に、私たちは焦る。
「リン。そろそろ戻らないと…」
「はい」
「帰るのでしたら、こちらを…よかったら」
奥方様が渡そうとしているのは、
香りが逃げないように工夫されてる食べ物。
「漬物、美味しいと言っていたから。
たくさん、あるので遠慮はいりません」
「では、ありがたく…いただきます。
リン、私たちも。これなら対価に見合うでしょう?」
「はい」
リンのものも預り、奥方様へ渡す。
小さなものだが、なぜか驚かれる。
「綺麗なブレスレット…よろしいのですか?」
「はい。食事と団らんのお礼です。
私たちは、急ぎ戻らないと…海へ行く道はどちらですか?」
「案内します」
「黒刀さん、ありがとうございます」
贈り物を受け取り、奥方様とご主人と別れた。
風に感じる潮の香りに包まれながら歩くと、
見晴らしのいい海岸へ着いた。
「ここから先が海です」
「ありがとうございます」
「見送りは、ここまででいいですよ。
お戻りください。ありがとうございます」
リンが私を庇うように前に出る。
私は鍵だから、だろう。
冷たい部屋を思い出す。
それでもいられるのは、監視とはいえリンがいるからだ。
「わかりました。お二人とも、気をつけて帰ってください」
黒刀さんが見えなくなると、リンが一歩、海へと歩き出す。
「行きましょう」
二度目にして、最後の移動魔法の合図だ。
私は、目を閉じる。ふわりと空気が変わり目を開けると、
街の入り口にいた。
「ここは…」
「最後ですから、買い物くらいは許してもらいましょう。
私たちも、たまには少女らしいことをしたいです」
「はい。賛成です」
私たちは、人の姿が見えない街を歩く。
きっと、もうすぐ陸へ向かった大人たちが戻る。
急ぎ足で奥方様へあげた物と同じのを再びお揃いで買い、
部屋に戻った。
「秋人。聞いたか?海の中に街があるって」
野菜の配達のため、約束の時間通りに顔を会わせると、
開口一番に潮はそう言った。
やはり海のことは気になるのだろう。
魚と海は縁深い。土地の生い立ちは、
畑の土にも影響はある。
興味はあるので、その気持ちは分かる。
「男性が泳いでいると、偶然見つけたそうだね。
昔は、ここも今とは違っていたのかもしれない」
「そうかも。夢があるよねー」
「分かります。
文明が今より進んでいたという噂もあるから、
知りたい反面…かな」
「うん。触れないほうがいいこともあるかもー」
明るい声には寂しさがあるように思えた。
儚い笑みを浮かべた潮は、
遠くへ思い馳せるようにに空を仰ぎ見る。
「そうだね。あ、そういえば。
これ、渡すように言われて」
手に持っている重さに思い出す。
親から預かっている注文の野菜。仕事はしなければ。
「そうだった。
これがないと怒られる…今日も美味しそう」
無邪気に渡したものを見て、嬉しそうに笑う潮。
少しだけ懐かしそうな様子には、
あえて触れないことにした。
「美味しいですよ。八百屋自慢の品です。
またそちらにも食事へ行くよ」
「はい。お待ちしてます」
潮と別れると、湊の家にも野菜を持っていく。
「こんにち…あれ?」
「こんにちは。どうしました?」
首をかしげる湊。
野菜を受け取ろうとしている腕で揺れているのは、装飾品。
「それ…綺麗だね。話題の水中ブレスレット?」
「みたいですね」
「復元したら、
可愛いからって模造品が流行ってるのは知ってたけど、
売っているの?」
「はい。
黒刀さん夫婦が身につけていたのが可愛いので…
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小さいが澄んだ煌めきを放っていた。
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