従僕と柔撲

秋赤音

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曇天と棘

1.壊腕

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気づけば事は終わっていた。
制服は近くの椅子に置いてあった。
畳まれているところに彼らしさを感じる。
ゆっくりと、最中がよみがえれば、体は熱く苦しい。
近くにある鏡に映った自分は、もう少女ではない。
母親と同じ、男を求める女の体になっている。
せめてシャツだけでもと着ようとすれば、背後から抱きしめられ、動けない。

らきあルビ羅輝亜。見込んだ通り、素敵。
親御さん譲りかな。
お願いしてよかった。でも、愛人にはしない」

「はい…っ」

彼の腕が私を鏡の前へ誘導する。
再び入ってこようとするモノが、押し当てられている。
買ったお菓子は食べられるのだろうか。

「いずれ、出産も経験してもらう。
生まれた子供の行き先は、すでに決められている」

なぎとルビ凪都の子供…はい。頑張ります…っ、ぁ…っ、…んぅ…ふぁあっ」

「見て。綺麗」

鏡には、男を受け入れ求め動く私がいた。
頬を染め、だらしなく口を開き、事後独特の欲望に濡れる体と吹いたばかりの水。
終わりを惜しむように突起する淫部が、もっと欲しいと主張する。
グロテスクな映像が嫌でも目に入る。
恥ずかしいのに、とめられない。

「そう。それでいい。僕は君のすべてが見たい」

台詞を読んでいるだけだと、分かっている。
分かっているが、望まれている安堵と悦びが身体を昂らせる。

「ぁあああっ、おく、おくはぁあっ…だめ、になる…ぅ、は…っ、ぁあっ」

体の隅々までが、彼に染まる。
それでも良いと、思う自分がいる。
死ぬときは一緒だと、約束してくれた彼なら良いと。

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