影に鳴く

秋赤音

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自己幸福

1.初恋

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あの感情はなんだったのだろうか。
恋というには重く、愛というには身勝手なものだった。
それでも、俺にとっては恋だった。


やんちゃ盛りの頃だった。

「お父さんたちは大人の話があるから、
みんなで遊んでいなさい」

「「「「はい」」」」

大人が屋敷の入り口に消えたのを見届けると、
妹は迷わずリリの手をひいた。
遊びの趣味が合うらしい。

「リリ、行こう」

「レン、今日は何して遊ぶ?」

楽しそうに馴染みの場所へ移動する二人を見送る俺とルカ。
可憐な少女と楽しく遊ぶ方法を知らない俺に、
ルカはいつも優しく微笑んでくれた。
どんな暗闇も照らす月のようだ。

「ラオ、待っ…っ」

「ルカ!…ほら、手かせ」

「うん」

大きな幹の木に登る途中、ルカが足を滑らせそうになる。
なんとかとどまったので、その手を掴む。
太い幹に座るが、なぜか離れて座ろうとする。
細い枝の方へ寄っているので不安になる。

「そっちは細くて危ないから、ここ」

「ぅ…うん。ありがとう」

照れたように赤い頬で笑みを浮かべるルカ。
気づけば唇に触れていた。
目が合うと、そこに戸惑いと何かが見えた。
拒絶の色がないのをいいことに、唇を舌先でなめた。
お父さんがお母さんにしていた気がする。
ルカは拒絶しない。
とろりと潤む瞳で俺の真似をしてくる。

「ルカ」

「ラオ、私…最近ね、おかしくて」

泣きそうな声で伏せられた視線の先にあったのは、
不自然に盛り上がるスカートだった。

「ルカ…俺、たぶん、知ってる」

すると、期待の眼差しが向けられた。

「まずは降りよう」

うなずいたルカと木から降りると、誰もこない影に行く。

「もう、いい?」

「…いい」

「うん。ラオ。どうすればいい?とっても辛いんだよ」

赤い頬でそっとめくられたスカートの中には、自分がよく知るモノがあった。
控えめだが確実に硬くなっている。

「俺、知ってる。今、楽にするから」

「うん…ラオ、早く…っ」

辛くないように背を木に預けさせて、ルカの足を広げる。

「触る、からな」

「ん、ラ、オ…ひ、ゃ、ぁ、あ、な…ぁっ、あああっっ!」

少し触れただけで達したルカは、
状況が分からないのか蕩けた瞳でぼんやりとしている。
気づけば自身も熱をもてあましていた。

「ルカ。俺も、いい?」

「ラオ、私と、おなじ…?」

「うん。ルカと同じ」

すると、まるで自分が辛いような表情に変わる。

「辛い、よね。私が、助けるから」

同じように座るよう手で促される。
懸命に俺のモノへ指先を滑らせながら、再びモノを硬くしている姿に興奮した。
その手に射精すると、ルカは目を瞬かせた。

「これが。私にも?」

ルカは辛そうに俺の精がついたままの手で、
達した後も水を滴らせている自分のモノに触れている。
同じようにモノを扱うと、気持ちよさそうに目の前でもう一度達した。

「ルカは特別な女の子なんだな。
秘密にするから、俺の奥さんになって?
辛いのから楽にするよ」

「本当に?」

俺をじっと見つめるルカをじっと見る。

「約束する」

「わかった。私、ラオの奥さんになる。
私も、ラオを守る。ありがとう」

花が綻ぶような笑みに心臓が跳ねた。





「お…ラオ」

「ルカ」

いつの間にか寝ていたらしい。
お茶会は、おそらくどうにかなったのだろう。
男性の制服を着たルカと橙の空が見える。

「なに?」

首をかしげて俺を見るルカの頬に触れる。

「約束、守ってくれてありがとう」

「約束…ああ、私は、ラオを守れている?」

その瞳は不安で揺れている。

「いつも、守ってくれている。
ルカ、ありがとう」

「ラオ。私も、ありがとう」

その甘く蕩ける笑みに理性を捨てた。
ルカを抱き上げベッドへ降ろすと、
扉の向こうから呼ぶ音も無視して抱き続けた。
どちらの体液かわからない白濁がルカを引き立て、欲を煽っている。

「ラオ…っ、今、触られると」

「まだ、イけるみたいだな」

達したばかりのモノに触れれば宿る熱。
ゆるりと首を横にふる反面、熱は水音をさせながら手に擦りつけられている。

「…っ、ラオ、はや、く…っ」

解放してほしいと強請る唇を塞いだ。
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