輪廻の終わりで

秋赤音

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他様生

1.休憩は程々に

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登録すれば個室の作業場が得られる第二のオフィス。とても便利である。だが、扱うのも提供するのも人間だから。真っ当に使われるだけではない、かもしれない。
今日も、完全個室の仕事場へ来た。就業時間より少し早めだが、己には必要なことである。正直、仕事なんてクソッタレだ。己の感性がクソッタレなことに自覚はしながら、生きるために仕方なくやる程度の労働。
だが、最近は、少しだけ楽しみができた。
「おはようございます」
先に来ていた彼女は、今日もお気に入りの香水をまとっている。背筋が正しく伸びる鍛えられた体は理想の凹凸を描いていて、自由服の良さがさらに美しさへ貢献している。今日はチャコールグレーのスカートスーツな気分らしい。服に守られている体の中を想像し、昨晩も淫らに蕩けた様を思い出す。目があって、想いを告げてからはさらに柔らかくなった笑みが向けられた。部屋の施錠はされている。
「おはようございます」
背中から抱き寄せて包み込み、頬へキスを贈る。すると、彼女はビクリと体を震わせて熱い吐息をこぼす。彼女がスカートの裾を握ると足へ密着する。陰部あたりに小さな染みが浮き上がり、広がっていく。
「…っ、まだ仕事が、ぁ…、ぅ……っ」
「服が濡れている。帰るとき困るだろう」
「ぁ……、…はぃ……脱ぎ、ます…っ」
少しだけ腕を緩めると、彼女は離れる。目の前で脱ぐ姿を眺めながら、ストッキングごとスカートが床へ落とされた。貞操帯から溢れる蜜が足を濡らしている。己の欲は後から開放するとして、まずは己が与える些細な感触ですら発情する彼女へ小さな褒美を贈りたい。
「仕事が終わったら、さらにご褒美をあげようか」
「はい…ご褒美、くだ、さ、ぃっ」
貞操帯を揺らして刺激を与えながら、鍵を外されたボディスーツという上品な布の鎧が無くなった豊かな胸部へ触れる。弱く、強く、硬くなっている先端は避けながら不規則に刺激を与える。甘い声で達した彼女の頬へキスをして離れると、互いに身なりを整えた。さて、今日もなるべく早く終わらせよう。
就業中は物理的な監視も介入が基本的にない場所を与え、学びある仕事を、と『二人組労働(ペアワーク)』システムが導入された。教えることで、誰かと取り組む事で新しい学びを得て、仕事効率も上がる。と、思っているらしい。適度な昼寝が仕事効率を上げるらしく、仮眠用ベッドまで用意をする徹底さに感心する。
確かに仕事効率はあがっている。上司が考えるのとは、理由が違うかもしれないが。
今日も、与えられた仕事を終えたのは15時。オヤツの時間である。昼食は軽めに済ませたので、程よく腹が減っている。が、食べ過ぎは良くない。仕事の相手は、あくまで画面の中にある文字と数字を正しく処理するだけなのだから。電源を切り、明日までの休憩に入った薄い機械は暗い。
「お疲れ様でした…っ」
「お疲れ様でした」
背後から、彼女の足音が近づいてくる。画面越しに、女の顔でとろりと瞳が潤む彼女はゆるりと口元に弧を描く。疲れた己の顔が並んでいる。声を返せば、そして、肩にハリがある柔い重みが落ちてくる。目があった。唇を合わせて、席を立つ。同じ姿勢を一定以上超えて続けると、血行障害の可能性もあがるらしい。疲れたときは、適度な運動と昼寝が良い。
薄暗いベッドの上でも、彼女は微笑む。
「脱ぎます」
自らを守るボディスーツの鍵を外して、惜しむことなく素肌を晒す。大きく柔い胸と、控えめに出来ている筋まで綺麗な腹、適度な弾力と柔らかさのある脚。髪一本から爪先まで整えられていて、全てが美しい。見つめるだけで肌をバラ色に染め、息を詰める。もどかしそうに足の内を擦り合わせながら、胸の先を尖らせて、蜜が溢れていく。
「着替えをする」
己も拘束を解き、淫らな白昼夢へと身を預ける。
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