輪廻の終わりで

秋赤音

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他様生

2.男子会

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理不尽な結果を防ぐための貞操帯の着用が義務化されて、あっという間に数年が過ぎていた。人間は意外と順応が早く、道具の欠点を改良するため日々努力だ。

とある会議室。二人の男がいた。
重い空気の中、テーブルに置かれている目隠し布がめくられた。電気に照らされ輝くのは、男性用の大人玩具。素材は肌に優しく、機能性はコンドーム同様に、当然だが貞操帯になる商品だ。
「ということで、できました」
「金欲と性欲、コワイですね」
ただし、今までと同じ事はしない。新作の男性用貞操帯は、外さなくても洗えば事を致せるようになった。自分で処理するときも楽なように作られてある。避妊具を作る経験と、大人玩具を作った経験者が真剣に考えた成果だった。
意見箱の中にあった言葉たちが、始まりの初めだった。
『つけたまま、ヤれたらゴム代が節約できそう』
『玩具を改良したら、ヌいた後の処理が楽そう』
『洗って繰り返し使えるほうが経済的』
貞操帯の装置がある程度まで小型化、あるいは軽量化されると商品の作りやすさが良くなった。
うっかり勃起しても誤魔化せる事に気づいた世の紳士たちは、拘束道具に良さを見出したとたんワガママになった。
ご婦人の方も下着一体型まで開発した。既製品の月経用品と相性の良い形から、見た目重視の商品まで多様になりつつある。

「実験した結果、だが。まあ、よかった」
「まあ、そうですが……具体的には」
研究のためとはいえ、他人の経験談を話すことも聞く事も面倒だ。が、しかたない。
「まず、自己処置は楽だった」
「そうですね」
大人玩具の経験は、素晴らしく活かされたようだ。
「次に、つけたままヤった。色々と捗った。
しっかりした薄型は着用感も良く、開発成果が特に強い」
色々の正体は、無言で出された追加で付け外しできる部品のようだ。やはり無言で使い方が見せられる。貞操帯が、明らかに大人玩具と化している。だが、うっかりしても、妊娠させる危険が低いのはありがたい。妊娠しても産むかは女の自由で、今は困ったら孤児院がある。育てたい人が、育てればいい。
「色々と捗ります。目に入る心配もないですし。事後の換気も楽になりました」
彼女のパイずりでうっかり顔射しても、失明の危険が減った。髪がベタついて不機嫌にすることもない。事後のシャワー代と水使用量も減って、素晴らしいことだ。器具を外して洗う時に、とろりと欲しがる目をする彼女を煽って続けるのも良い。
「念のため…念のため、確認するが…相手の肉体性別は」
「女です」
「同じく、女だ。同性同士での実験も必要か…心当たり、あるか?」
「い…ました」
「では、頼む」
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