瞬く間に住む魔

秋赤音

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花は愛を乞う

8.哀願人形

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ジル様と会う約束の日、買い物に行く私をアルトはいつものように優しい笑みで見送ってくれた。
心が痛んだ。
夫ではない人に抱かれると知って会いに行く後ろめたさがつきまとう。
でも、特別な薬は彼しか持っていないから。
私には必要だから。

初めて、酒につき合うよう指示された。
ゆったりとした長椅子の隣に座るよう指示もされた。
盃に注がれ、一口のむと喉の通りが良く、香りも良い品。
「のめ」と促され注がれれば、瞬く間に喉を通って盃から消える。
血の巡りが良くなっているのか、温かくなり、熱くなり、気分もよくなり

気づけば朝になっていた。
鏡をみて映った自分の姿を見て悪寒がした。
夫ではない男にすがることを、契約だからと逃げて頼った罪が明るみになったような。
夫のものではない精を全身に浴びて、秘部からは流れ出ている様は娼婦そのもの。
下肢の繋がりが解かれると、急いで浴室に向かった。
なんとなく、すぐに洗い落としたかった。
罪が消えることはないのに。
無駄な足掻きだと言うように、遺伝子の回収のための道具を持ったジル様が現れた。

「まだ、です。わかっていますね?」

「はい」

薬をねだるためには、応じるしかない。
道具が雌の秘部に入った瞬間、イった。
道具が擦れるたびに意識が途切れては、刺激で冴える。
当たり前のように敏感なところへ何かがぬられた。
体はじくじくと新たな熱をもち、少し触れられただけでイきそうになる。

「あ…まあ、いいか。
回収のため終わりだと言うまでは、イき続けてもらいます。
気持ち良くなる薬も使ったので、心配はありません」

「ひゃあぁあああああああっ!!あぅっ、はぁ…んっ!くすり、ぃやぁあ…ぁんっ、ぬらないで…おかしくな、ぁああっ!!」

熱い体が冷えたのは、何度もイった後だった。
蜜が散る床を見るように指示され、見たくないが見るしかない。
見下ろしていると、ジル様の指が体を撫でた。

「ぁあ…っ、んはぁ…な、にを…ひゃんっ、んん…胸、だめ…きもちぃいのっ」

「体の痣、たくさんですね。
夫様によほど執着されているよう見えます。
最後に胸で射精しますから、ほら」

「はい」

座って胸の奉仕をしていると、ジル様が秘部に玩具を入れた。
絶妙な加減で果てに導かれ、ようやく行為が終わった。
身を清めて家に帰ると、昼食の用意ができている香りがした。

その夜。
浴室でアルトが行為を求めてきた。
いつも前戯だけのアルトが、深い繋がりまで求めてきた。
遺伝子は回収されることなく、浴室らしく身を清めて流れていった。


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