瞬く間に住む魔

花は愛を乞う

好きになりたい

動物族の頂に座るガディ家の一人であるガディ様と、番様のルシア様。
遠目にしか見ただけの姿が、私の、私たちの血縁だけの両親。
研究員に育てられた私たちは、血縁者を親と呼び、研究員を主人と呼んでいた。
主人は言った。
「私たちは、光ある未来のための礎になる」と。
遺伝子改良された体から生まれ、さらに改良された個体から生まれた運命。
改良された遺伝子を生まれ持つ改良個体に与えられるのは、より良い新たな命の生成。
第四研究棟の研究員に選ばれ、実験体として経過観察にもなった。
必要な改良を重ね、学び、ついに始まる。
食事や運動で管理され整えられている体の曲線と柔らかく程よい弾力のある大きな胸。
雄を刺激するために覚えた閨の所作と体を使い、残り長くはない時間で、目的を達成しなければいけない。

舞踏会で見つけた番を私室に連れた。
長椅子に座らせたアルト様の隣に座る。

「ご協力あるがとうございます。私は、レナです。
父親の家名を名乗ることは許されていないので、レナです。
あなた様にはこれから、死ぬまで一生、私の傍にいてもらいます。
相手が変わるだけで暮らしに変化はありませんので、今まで通りお過ごしください」

「あ、アルトです。
わかりました。よろしく、お願いします」

怯えたような、悲しい笑みでアルト様は微笑んだ。
しかたがない。
奪われた経験があるのだから、別れの辛さも残された側の気持ちもわかるはず。
それでも、私にだって譲れないことがある。

「では、ここで、今すぐに交わりましょう」

「え？うわ、蔦？体が、うごかな…っ」

脱ぎやすいドレスにしていたので、身から外すのは簡単だった。
レースで作った下着だけが身にある肌を晒すと、食い入るように見つめるアルト様。
股間にはすでに奮い立つ雄が存在を主張していて、安心した。
男性が好むように工夫された人形のような体でよかった。

「今、ですか？じ、準備が「準備なら、すでに…アルトのこれを、私のここに、そのまま入れてくだされば」

雄を見て興奮した雌の証を見せつけると、アルト様は息をのんだ。
蔦から発する興奮作用のある香りの効果もあり、アルト様の手を掴んで胸に押し当てると、欲望に抗うことなく揉み始める。

「ぁあ…ぃいわ、そのままぁっ…ぅんっ、上手、ですわね」

アルト様の肌を傷つけないよう植物を使って服を溶かせば、露になった雄。
アルト様の膝に跨ると、恥部を隠していないレースに押し付ける。
濡れ滴る秘部の入り口を雄に擦りつけ、ゆっくりと腰を降ろす。

「ぅうう…ぁあああっ、柔らかくて、熱い…は、ぁ…っ」

アルト様の手に押しつぶされ形を変える胸の先端はすでに硬い。
下肢では互いの体液が混ざりながら、ナカに熱い塊を迎え入れる。
獣のように遠慮なく奥へと進もうとする雄に貫かれ、痛みと共に意識が弾けた。

気がつくと、全身に精をあびていた。
目下にある、まだ精力を保ったままの雄を雌に戻し包むと、ナカでさらに大きくなっている。
見下ろす先には、ギラギラした眼差しで私を見つめるアルト様がいる。
番の雄の香りにうっとりため息を吐くと、アルト様はゆっくりと下から突くような動きでナカの奥までを満たしていく。

「レナ様、解放、してくださ…ひっ」

「ぁ…あっ、私の、私のナカで射精、して、くれるなら…うぁあっ、んっ…ぃい、そのまま、ぁああっ」

「する、しま、す…レナ様のナカに射精しま…ぅ、…で、る…っ」

注がれる熱い欲望が心地よい。
時間が経てば生成されるのだから、今あるものは絞りつくしてしまおう。

雄が眠りにつくまで何度もナカで射精させた。
翌朝。
ベッドに力なくよこたわるアルト様に感謝を示そうと、目覚めて間もない雄の覚醒に応じる。
「レナ様…」

「アルトは動かないでいいですわ」

体内で精を受けると、眠気が思考を支配する。
温もりが離れていく寂しさと、体内に残る熱と余韻と、心地よい疲労感。
閉じようとする瞼に抗うが、仕事が休みであることを思い出し、微睡に身を任せた。