瞬く間に住む魔

秋赤音

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合いし愛して

提案

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歩いている揺れを感じないままベッドにおろされる。手早く夜着を脱ぐと、うつ伏せにされた。両腕を背中に回されて左右の腕が横並び、するりと彼の触手が緩やかに束ねた。頭から胸と膝からつま先はベッドに支えられ、腰を彼へ突き出した姿勢になる。
ここからは彼の指示待ちだが、行為に慣れた雌らしい体は彼の脱衣姿を眺めるだけで蜜を滴らせる。触れられなくても、すでに胎内は受け入れる用意を始めている。

「足を開いてください。ああ…今日も用意が良いですね。
でも、すぐに終わるのは惜しいので…まずは触手でナカを慣らします」

「は、ぅっ…胸、も…っ?これ、…っ必要ぉっ…?」

彼が作った第二の手は温度を除けば主人に忠実で、本物のように愛撫をする。触手特有の冷たさも刺激となり、分かりやすい性感帯を同時に弄ばれて耐えられず絶頂する。
増すばかりの感度は雌の本能に抗うことなく雄を求める。せめてと自由な爪先を握りこもうとすると、腕に巻き付いている触手が伸びて人間の指先が絡むように指の間を埋める。まるで恋人のような拘束に違和感があった。だが、本来の目的である雄の象徴が雌の象徴に収まり与えられる悦びで違和感は流される。

「フィーナのナカ、俺のでいっぱい…嬉しいです。フィーナも嬉しいですよね。俺の子種、ほしいですよね」

「ぁあああ…っ、んぁあっ、ほしぃ…リンの、子種が…ぁうっ…ほしいっっ」

「今夜は少しだけ夜更かし、してもいい、ですよね…っ」

「ひゃぁあああぁああっっ…っく、ぃくっ、イって…るのにぃ…さっ採取、してっ、あっ、ぁっ、お願っぃ…っ」

「もう一度、注ぎますから…採取、も…します…だから、締めないで。我慢が、できない…ッっ」

二度目の射精を受け入れると、本当に採取してくれた。だが、採取した刺激での絶頂でさらに脱力していると再び彼の雄が空になったばかりの胎を埋める。動物本能を刺激したらしい兆しだが、抵抗する術はあっても約束で使えない。今は獣に犯されるだけの力ない雌だ。諦めた私に安堵したのか、胎の奥までしっかりと突いてくる。

「なっ、んん…っ、ぇっ、んひぃいい…っっ」

「フィーナ、フィーナ…採取さえすれば、いいのですから…俺のフィーナ、誰にも」

彼が背中に覆いかぶさってきて、首筋を舐められる。噛まれる、と思った時にはすでに皮膚へ食い込んでいた。快楽漬けの体は痛みすら悦び、絶頂する。血を吸われながら、昇るばかりの快楽を制御しようと抗う。

「問題な、ぁあっ…ぃ、問題な、いっ。私はリンの、番…だからぁ、ん…っ」

とまった彼が腕の拘束を解いた。だが、抱きしめられていて動けない。穏やかになってくる快楽の波を制御して、理性だけに戻る。彼の様子が違うけれど、対処を誤れば大事になるので慎重に様子を見る。

「フィーナ…フィーナは、わかっていない。外でどれだけ視線を集めているか。笑うだけで見知らない誰かに興味をもたれてしまうのに。だから、フィーナに番がいるってわからせないと」

「ぁっ、まだ大きく…んんっ、ぁああ…っ、動か、ないで…っ」

「フィーナ、フィーナ…逃げないで、俺のフィーナ。俺だけを見て」

獣と化した彼は、胎から溢れるくらいの射精を終えてようやく暴走を終えた。落ち着いた彼の手で採取されながら何度も絶頂し、念のため触手で清掃されてようやく一日が終わり眠る。
目覚めたら考えよう。私は彼を信じるために、彼が私に信じられていると思えるために必要なことを。



目覚めて遅めの朝食をとったあと、彼を自宅の庭で行う午後のお茶会に誘った。
向かい合う彼の目をじっと見つめると、なぜか照れながら笑む彼。緊張した様子はないので、お茶会の目的である言葉を告げよう。

「リン。デートをしましょう」
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