瞬く間に住む魔

秋赤音

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合いし愛して

3.5-3乱反射

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仕えていたクレフ家が消え、ラフィーナは四男のフィラン様が始めた事業の従業員となった。
家名は消えてもクラフ家との繋がりは続いていて、遺伝子の研究成果が惜しみなく事業へ注がれている。
私は、幹部を支える仕事で貢献している。異性が好む凹凸な容姿のおかげか嫁入りも打診されたが、断った。
順調に育つ事業の初期からいる他の従業員は、面倒見のいいの幹部となって支え続ける。

ある日、いつものように仕事をしていたら呼び出された。案内された部屋に入るとフィラン様がいた。
扉が閉まると、フィラン様は神々しい笑みで唇を開いた。

「ラフィーナ。これは貴女だけの遺伝子をもつ、貴女にしかできない仕事なんだけれど。
とある人物と番になってもらえるかな?彼とはおそらく相性もいいはずだ」

断るという選択肢はない。

「はい。精一杯できる限りを尽くします」

「ありがとう。では、段取りを説明しよう」

しばらくの予定を伝えられ、準備のため自室に戻る。
今夜からフィラン様の手解きを受けて、雌の繁殖力を高める作業を始める。
店で一番人気の施術を、久しぶりに己の身で体験することになる。運用前に行った試験が懐かしい。あれから改善されながら続いているのだから、相当良いものになっているはず。

案内された部屋は、家具や配置と色使いや香りといった全てが安心してよい場所だと示す。
危機意識を煽るのも生殖本能を煽るには良いが効果は短期間だから、長期計画には安心が重要だ。
直接運用への関わりが無くなってしばらくだが、相変わらずゆったりと過ごせるよう最大限の配慮がされている。あとは施術者がくれば良い。だが、予定より遅れる連絡がくる。一度は身で知る心地よさを思い出しながら、焦れったくなる体でその時を待つ。そして、触手による深い絶頂を毎日一度は感じること1ヶ月。その後の、絶頂の手前までを毎日二度は繰り返す1か月。特定の遺伝子に強く反応するよう手を加えると言っていた。さらに陰部を除いた愛撫だけで絶頂の手前までを毎日三度する半ヶ月。快楽が過ぎれば苦しいと知る。早く雄の精子を雌の証へと注いでほしい。子宮いっぱいに雄で満たされたい。壊れそうな理性を留め、ついに決行の日。フィラン様の従者と夕暮れの街へ向かった。周囲の警戒はフィラン様の従者がしてくださっているから、野蛮な人は近づいてすらこない。互いに近からず遠からずの距離で歩き続けていると、打ち合わせ通りにフィラン様が私によろけてぶつかる。目前に転がりそうな体を支えてくれたのは、標的の彼。リンという名の男性は、私を見つめて優しく微笑む。上手く抑えられているが、わずかな香りで雄の本能が暴走しているのが分かる。私も、体の苦しさが増している。楽になる方法は知っているのに、ここではできない。

触手による極上の施術は想像以上に性感を高めた。
発情の兆しがあると、目隠しをされて標的だけを求めるように施術された。
予定通りにフィラン様のおかげで体はすっかり発情している。だが、誰でもいいのではない。
標的でなければ治せないよう作られた状態だから、フィラン様でも従者の方でも触られれば感じる。が、標的でない寂しさが煽られるだけ。
街娘のような服を着て、従者の肩に連れられる。馬車に乗るが、振動すらお腹に響いて辛い。早く求める快楽がほしいのに、今はじくじくと疼くだけ。
街の近くに着くと従者の方と別行動になる。
私は離れて歩きながら街を歩いていればいい。
タイミングで標的にぶつかるよう仕向けるのは従者の方の役割だから、心配しなくていい。
程よく賑わう街中で、ようやく見つけた。香りで分かる。体が標的を求めている。近くにいる。
近づく程に目がくらむ。倒れる、と思った。
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