瞬く間に住む魔

秋赤音

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合いし愛して

3.5-3 琳隠の刻

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デートの途中で呼び出されてからフィーナが帰ってこない。
次の日も、その次の日も。家を離れず待っているが、あっという間に3日が過ぎていた。
探しに行きたいが、すれ違いが怖かった。なにより、実家に呼び出されいるのだから動けない。
寂しい。
心も体もフィーナを求めるが、彼女はまだ帰らない。

一人で迎えた4日目の朝、久しぶりに自慰をした。
が、満たされない。
湧く欲情を抑えて、気晴らしに街へ出ることにした。
ぼんやり歩いていると、女性が倒れそうになっていたので支えた。不注意が過ぎたかもしれない。
ふと、甘い香りに意識が揺れた。支えた女性から香る。
周囲を見ても、振り向く異性はいない。
俺にしか分からないのだろうか。
心臓がドクドクと脈打ち、雄の本能がこの女性を求めている。
だが、勘違いかもしれない。フィーナ不足で欲求不満なんだ。
しかし、直感は告げている。でも、不義理なことをする理由にはならない。
足の怪我の手当をしたら帰ってもらえばいい、と彼女を支えて連れ帰る。
家に近づくたび、雄の欲望が大きくなる。
だが、我慢できた。女性の、女性特有の柔らかさを身で感じるまでは。
まだ名前すら知らない女性の雌らしい部位を暴いて自分の印を刻みたい。言い訳ができると揺らぎ、女性がまとう雌の香りと温度で理性は薄れる。
フィーナを頭の片隅に追いやってしまったと気づいたのは、女性と交わってナカに射精してしまった後だった。
女性の蕩けた表情を見た瞬間にフィーナへの罪悪感が溢れ出す。この女性とまだ離れたくないと本能が叫ぶ。
感情が暴走しているのに、女性の甘い言葉にまだ足りないと主張する雄が勝つ。女性が求めて陰部の繋がりが深くなる。
女性から誘われたのだと言い訳をして、フィーナが帰るまでと決めて、久しぶりに全開で堕落した快楽漬けの時間を過ごす。
繊細な体のフィーナとは違う、全力で互いをぶつけ合っても良い交わりに欲が満たされ心地よい。
それから、初めて自己紹介をした。女性の名前はラフィーナだった。互いの属腫が同じだと知った。最中に求めることも食事も同じなのが嬉しくて、どちらともなくキスをした。
しっかり俺を覚えたようなラフィーナの体を、求められれば言い訳をして組み敷いた。好きと言われ、俺との子が欲しいと強請られる嬉しさが欲望を満たす。
採取ではなく、よく知る従来の営みに安堵する。本当にできたら、きっと可愛いのだろう。不義理の証はできないほうがいいのに、拒絶されないことを理由にして孕む行為を繰り返す。

ラフィーナと出会って1ヶ月になった頃。
共に外出しようと誘われ、街に出た。買い物をしていると、ラフィーナは「一人で見たいものがある」と後に合流する約束をした。
だが、約束の待ち合わせに来ない。すれ違ってはいけないと待っていると、近くで悲鳴が聞こえたので走る。
途中、誰かとぶつかってしまった。

「すみませ…フィーナ?」

「リン…?」
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