魔界饗宴 ・外伝 ケルベロスの花嫁

由宇ノ木

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案内をされる間、着たいドレスについて質問をうけた。

好きな色、ドレスの形、胸元は空いてるのがよいか、きっちりかくしたものがよいか、など。

それらを参考にし、スタイリストはドレスが用意された部屋に女を案内した。

マネキンにコーディネイトされた、好みのドレスが部屋にはそろっていた。

中世をテーマにした舞踏会だが、ドレスは現代風のものも多数用意されているとスタイリストは説明した。


「すごいわ。素敵!」

「六十着ほどそろえました。興味があるとおっしゃった、現代風の赤と黒のマーメイドラインのドレスもご用意しました」

「ありがとう!ほんとに素敵!全部着てみたいわ!」

「舞踏会は三日三晩続きますし、その間は自由にお着替えいただけますよ。お食事の時間はまた専用のドレスがございますからそちらにお着替えいただきますし」

「そうなの?私は今晩だけで帰るのよ。残念だわ。連れてきてくれた方がお仕事で今晩だけと言ってたから」

「お時間があるならお嬢様だけお残りになればよろしいのに。招待客のお連れ様なら身元もしっかりされた方でしょうし、他の方々もたぶんそうされますよ。ご主人様はにぎやかなのがお好きですからぜひお残りください」

「・・そうね・・・」

「とりあえずご相談されてみてはいかがですか?スタイリストに引き留められたと言ってみてください。さあ、ドレスを選びましょう、お嬢様。コーディネイトされていますが、お好きなドレスにお好きなジュエリーを選びなおしてもよいですし、ジュエリーはこちらにいろいろご用意しておりますから。ただ、ネックレスだけは必ずお付けください」

ともにドレスを見て回り、悩みながら女はふんわりとしたアントワネット風のピンクのドレスを選んだ。
次はドレスに合わせてネックレスを選ぶ。
「これはルビー?」
それにしては随分と深い紅色だった。
「ルビーとは違いますが、特殊加工して真紅にした天然石でございます。招待されたお客様の証として、今宵は必ずどのネックレスにもこの真紅の天然石があしらわれております」

女が選んだネックレスには、ダイヤとところどころに真紅の石があしらわれていた。イヤリングは小ぶりのシンプルな真紅の天然石だけのものにした。

ダイヤは本物かしら?と手にするのを躊躇してると、

「精巧な模造ダイヤですよ。本物も混じってはいますけど」と、スタイリストが教えてくれた。

「本当は全て本物の宝石を用意するはずだったんですけど、さすがにちょっとムリだったようですね」
スタイリストの女はクスリと笑って言った。

「ナイショですよ。教えたのがバレたら怒られちゃう」

「わかったわ。ナイショね」

そんな会話が緊張を和らげてくれた。


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