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しおりを挟む大広間では既に楽団が音楽を奏で、早くから訪れていた者達が踊っていた。
今宵招かれた者達は、魔界の貴族や上級悪魔、悪魔崇拝者の中でも身分の高い人間達である。
中世の王公貴族のごとくドレス姿で華麗に踊る魔界の女達に混じって、人間の女達がいた。悪魔崇拝者に騙されて連れてこられた女達だった。
もっとも騙されてるなど微塵も思っていない。
人間の女達は、ただただ豪華で華やかな上流社会のパーティーに招待されたと思っている。
人間の女達は皆、真紅の天然石を身に着けていた。
魔界にある、人間の女の血で造られた池の底から採れる黒い天然石。それを磨き加工すると、艶やかな、深い真紅の天然石となるのだ。
真紅の天然石は、生贄を意味していた。
人間の女を一人悪魔に捧げることによって、悪魔崇拝者は己の欲望をひとつ悪魔に叶えてもらうのだ。
大広間には特別な観覧席が設けられていた。
生贄たちがどのような仕打ちをうけるのか、高い場所から観覧するためだ。
観覧席は、魔王ルシフェルと魔界の貴族で伯爵以上の地位にある者達だけが座することを許されていた。彼らは人間風に食事をし、酒を飲み、言葉を交わし、前菜である生贄たちの、まだ人間らしい優雅な音楽と舞いを楽しんだ。
悪神サタンは最も高くに座している。
魔界の神の座━━
裸体の人間の女達で作り上げたサタンの座は白く艶めいていた。
人間界で成功を得るかわりに、その身と魂を悪魔に売り渡した女達。
人間界で得た名声と多くの財産を保持し続けるには、生贄を捧げ続けることだった。
できなくなったときには、女達は己自身を捧げると悪魔と契約していた。
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