117 / 278
117. 女神 (1)
しおりを挟む
.
京司朗は堺家から買い取った山の視察に行っていた。
山の中には入らないが、公道から脇にある私道の入り口を封鎖する作業をするためだった。私道は今後潰す予定だが、その間に面倒ごとがあると無駄に手間がかかる。
堺家の持ち山は惣領家と松田家の真ん中に位置する。以前から買い取りたい旨を打診していたが、良い返事をもらえなかった。
山中には堺家の当主・堺 上総介が幼い頃に過ごした村がある。既に廃村となっているが、懐かしさに浸たっていたいのか、なかなか首を縦にふらなかった。
そこに、堺家の跡取りである長男が、借金の返済と遊ぶ金欲しさに広大な田畑を勝手に外国資本の土地開発会社に売ろうとした。
これを止めたのが京司朗だった。
最も長男をそう仕向けたのも京司朗だが。
堺家当主は今年百歳を迎えた。外国資本をとかく嫌う堺家当主は、頭はしっかりしているが、近年入退院を繰り返している。現在はほぼ寝たきりとなり、腎臓に病がみつかり命も長くない。
長男の愚行に呆れた堺家当主は、跡継ぎを長男ではなく次男に変えてしまった。
次男の元々の相続分は堺家の所有する全ての山だった。しかし次男は二年前からアメリカ在住となってしまった。帰国の予定も立っていない。跡継ぎに指名されても、今後も広大な田畑・山を管理するなど出来ない。
京司朗は次男の説得を始め、成功した。
堺家現当主・堺 上総介も次男の決定に従った。
京司朗は合法的に堺家の田畑・山を手に入れた。
万が一でも外国資本に心変わりされぬように、見合う金額以上の金を出した。
━━━━俺が仕向けなくても遅かれ早かれあの長男は同じことをした。
訳のわからん外国資本の手に落ちるくらいなら惣領家のほうが有意義に使えるさ。
「あの大雨でよく土砂崩れしなかったッスよねー、ここ」
背中にライフルをおんぶしている矢口が京司朗を振り向いて話しかけた。
「ああ、だが危なそうだな。霧も出てきた。さっさと作業をして帰るぞ」
「ウーッス!」
矢口友、三上竜治、高城春希らが二台のワゴン車から入り口を封鎖するロープや看板を下ろした。
矢口はみふゆをナンパして京司朗に睨まれたあの矢口だ。
矢口友は、タクシー会社に勤務と林業を担っている。趣味はサバイバルゲームとライフルで、ライフルは免許を持っている。
山の鳥獣の個体数を保つ駆除も矢口の仕事のひとつだ。
三上は京司朗の秘書的な役割を担う。運転手から調査、あらゆることを京司朗の指示で行いこなす。時には京司朗の代わりに惣領貴之の秘書に立ったりもする。
高城も京司朗の直属の部下だ。自動車修理工としては、惣領グループのなかでもトップクラスの腕を誇っている。ケンカっ早く、二十歳の頃に相手にケガを負わせ実刑判決を受けた。実家が旧家・高城家で、逮捕と同時に縁を切られ、出所後は惣領家の寺に引き取られた男だ。車好きが高じて自動車修理の才能を発揮。京司朗に才能を見込まれて舎弟となった。
「あれ?」
看板を抱えた矢口が何かに気づいた。
「どうした?」
高城が言った。
「人が入って行った。あそこにも道、あるんスかね?ちょっと見てきます!」
「え?おい、矢口!待て!一人で行動するな!仙道さん、俺もちょっといってきます!」
高城が矢口の後を追って行った。
「しょーがねーな矢口の奴」
三上があきれた口調で言うと携帯電話を取り出し、矢口を呼び出した。
《おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか電源が入っていないためかかりません━━》
アナウンスの声がした。
「・・仙道さん、俺も」
「やめろ」
三上の言葉を京司朗はすぐに遮った。
「多重遭難になるかもしれん」
辺りはいつの間にか濃い霧に囲まれていた。
獣道だった。人影は獣道を足早に進む。
「ちょっと!そこの人ー!ここ私有地なんで立ち入り禁止っスーーー!」
矢口は人影に向かって叫ぶが、後ろを振り向くこともなくどんどん進みやがて見えなくなった。
「矢口!待て!矢口!!」
「あ、高城さん」
「『あ、高城さん』じゃねえ!!このど阿呆!!」
高城は矢口の頭にげんこつを落とした。
「いってえ!」
「当たり前だ!勝手な真似しやがって!」
「だってさあ、ヤバいじゃないッスか。人が入っていったのに」
「お前、山が専門のくせにこの状況がわかってねえのか」
高城が真面目な表情している。
「この状況って・・・」
周囲は真っ白で何も見えなくなっている。
「下手に動くと遭難する状況だぞ」
矢口がゴクリとのどを鳴らした。
「た・・、高城さん・・」
「なんだ」
「俺達・・・もしかしてヤバいんじゃ?!」
「・・・。ああ!!そうだよ!!さっきから俺が言ってるけどな!!!お前のせいでな!!!」
「そんなに怒鳴らなくても・・」
「怒鳴らずにいられるか!!この状況で!!」
「・・・俺・・、死ぬんだったら最後にもう一度女神に会ってから死にたかったなぁ」
「縁起でもねえこと言うな!!だいたい女神って誰だ!!」
「俺の女神は惣領会長のお嬢さんッス。お嬢さんは俺がお嬢さんを軽いノリでナンパしたのをコロコロと鈴を鳴らすようなかわいい声で笑って許してくれたんス」
そのような事実はない。あくまでも矢口の頭の中での勝手な解釈である。みふゆは当惑しつつ笑ってごまかしただけだ。販売接客業お得意の笑ってごまかすの域である。
「その上、会長にも内緒にしてくれるって言ってくれたんスよ。あの瞬間から彼女は俺の女神になったッス。・・女神、先立つ不幸を許してください。俺はこの世から消えても女神の側で女神をお守りしまッス。アーメン、アーメン、南無阿弥陀仏~法蓮華経~般若心経~~」
「おい、真面目にいい加減にしろよ・・テメェ」
高城が握りこぶしを作り、目をつり上げて矢口を睨んでいる。マジでキレ散らかす三秒前。
「でも高城さん、安心してください。高城さんを道連れにはしないッスよ」
「は?」
「山の神様ーーーーーー!!俺の命一個でなんとかお願いしまッスーーーーー!!今なら俺の女神への叶わぬ切ない思いもおつけしますからーーー!!思う存分イジッてやってくださーーーーい!!女ーー神ーーーー!!俺の愛は永遠に君のものだああああぁぁぁ!さよーならああああぁぁぁぁ!!!」
矢口が叫んだ。
京司朗は堺家から買い取った山の視察に行っていた。
山の中には入らないが、公道から脇にある私道の入り口を封鎖する作業をするためだった。私道は今後潰す予定だが、その間に面倒ごとがあると無駄に手間がかかる。
堺家の持ち山は惣領家と松田家の真ん中に位置する。以前から買い取りたい旨を打診していたが、良い返事をもらえなかった。
山中には堺家の当主・堺 上総介が幼い頃に過ごした村がある。既に廃村となっているが、懐かしさに浸たっていたいのか、なかなか首を縦にふらなかった。
そこに、堺家の跡取りである長男が、借金の返済と遊ぶ金欲しさに広大な田畑を勝手に外国資本の土地開発会社に売ろうとした。
これを止めたのが京司朗だった。
最も長男をそう仕向けたのも京司朗だが。
堺家当主は今年百歳を迎えた。外国資本をとかく嫌う堺家当主は、頭はしっかりしているが、近年入退院を繰り返している。現在はほぼ寝たきりとなり、腎臓に病がみつかり命も長くない。
長男の愚行に呆れた堺家当主は、跡継ぎを長男ではなく次男に変えてしまった。
次男の元々の相続分は堺家の所有する全ての山だった。しかし次男は二年前からアメリカ在住となってしまった。帰国の予定も立っていない。跡継ぎに指名されても、今後も広大な田畑・山を管理するなど出来ない。
京司朗は次男の説得を始め、成功した。
堺家現当主・堺 上総介も次男の決定に従った。
京司朗は合法的に堺家の田畑・山を手に入れた。
万が一でも外国資本に心変わりされぬように、見合う金額以上の金を出した。
━━━━俺が仕向けなくても遅かれ早かれあの長男は同じことをした。
訳のわからん外国資本の手に落ちるくらいなら惣領家のほうが有意義に使えるさ。
「あの大雨でよく土砂崩れしなかったッスよねー、ここ」
背中にライフルをおんぶしている矢口が京司朗を振り向いて話しかけた。
「ああ、だが危なそうだな。霧も出てきた。さっさと作業をして帰るぞ」
「ウーッス!」
矢口友、三上竜治、高城春希らが二台のワゴン車から入り口を封鎖するロープや看板を下ろした。
矢口はみふゆをナンパして京司朗に睨まれたあの矢口だ。
矢口友は、タクシー会社に勤務と林業を担っている。趣味はサバイバルゲームとライフルで、ライフルは免許を持っている。
山の鳥獣の個体数を保つ駆除も矢口の仕事のひとつだ。
三上は京司朗の秘書的な役割を担う。運転手から調査、あらゆることを京司朗の指示で行いこなす。時には京司朗の代わりに惣領貴之の秘書に立ったりもする。
高城も京司朗の直属の部下だ。自動車修理工としては、惣領グループのなかでもトップクラスの腕を誇っている。ケンカっ早く、二十歳の頃に相手にケガを負わせ実刑判決を受けた。実家が旧家・高城家で、逮捕と同時に縁を切られ、出所後は惣領家の寺に引き取られた男だ。車好きが高じて自動車修理の才能を発揮。京司朗に才能を見込まれて舎弟となった。
「あれ?」
看板を抱えた矢口が何かに気づいた。
「どうした?」
高城が言った。
「人が入って行った。あそこにも道、あるんスかね?ちょっと見てきます!」
「え?おい、矢口!待て!一人で行動するな!仙道さん、俺もちょっといってきます!」
高城が矢口の後を追って行った。
「しょーがねーな矢口の奴」
三上があきれた口調で言うと携帯電話を取り出し、矢口を呼び出した。
《おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか電源が入っていないためかかりません━━》
アナウンスの声がした。
「・・仙道さん、俺も」
「やめろ」
三上の言葉を京司朗はすぐに遮った。
「多重遭難になるかもしれん」
辺りはいつの間にか濃い霧に囲まれていた。
獣道だった。人影は獣道を足早に進む。
「ちょっと!そこの人ー!ここ私有地なんで立ち入り禁止っスーーー!」
矢口は人影に向かって叫ぶが、後ろを振り向くこともなくどんどん進みやがて見えなくなった。
「矢口!待て!矢口!!」
「あ、高城さん」
「『あ、高城さん』じゃねえ!!このど阿呆!!」
高城は矢口の頭にげんこつを落とした。
「いってえ!」
「当たり前だ!勝手な真似しやがって!」
「だってさあ、ヤバいじゃないッスか。人が入っていったのに」
「お前、山が専門のくせにこの状況がわかってねえのか」
高城が真面目な表情している。
「この状況って・・・」
周囲は真っ白で何も見えなくなっている。
「下手に動くと遭難する状況だぞ」
矢口がゴクリとのどを鳴らした。
「た・・、高城さん・・」
「なんだ」
「俺達・・・もしかしてヤバいんじゃ?!」
「・・・。ああ!!そうだよ!!さっきから俺が言ってるけどな!!!お前のせいでな!!!」
「そんなに怒鳴らなくても・・」
「怒鳴らずにいられるか!!この状況で!!」
「・・・俺・・、死ぬんだったら最後にもう一度女神に会ってから死にたかったなぁ」
「縁起でもねえこと言うな!!だいたい女神って誰だ!!」
「俺の女神は惣領会長のお嬢さんッス。お嬢さんは俺がお嬢さんを軽いノリでナンパしたのをコロコロと鈴を鳴らすようなかわいい声で笑って許してくれたんス」
そのような事実はない。あくまでも矢口の頭の中での勝手な解釈である。みふゆは当惑しつつ笑ってごまかしただけだ。販売接客業お得意の笑ってごまかすの域である。
「その上、会長にも内緒にしてくれるって言ってくれたんスよ。あの瞬間から彼女は俺の女神になったッス。・・女神、先立つ不幸を許してください。俺はこの世から消えても女神の側で女神をお守りしまッス。アーメン、アーメン、南無阿弥陀仏~法蓮華経~般若心経~~」
「おい、真面目にいい加減にしろよ・・テメェ」
高城が握りこぶしを作り、目をつり上げて矢口を睨んでいる。マジでキレ散らかす三秒前。
「でも高城さん、安心してください。高城さんを道連れにはしないッスよ」
「は?」
「山の神様ーーーーーー!!俺の命一個でなんとかお願いしまッスーーーーー!!今なら俺の女神への叶わぬ切ない思いもおつけしますからーーー!!思う存分イジッてやってくださーーーーい!!女ーー神ーーーー!!俺の愛は永遠に君のものだああああぁぁぁ!さよーならああああぁぁぁぁ!!!」
矢口が叫んだ。
10
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
