【本編完結】繚乱ロンド

由宇ノ木

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151. ━惣領家━

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木々に覆われた惣領家の屋敷が建つ敷地は、所有する山の、平地に近いふもとにある。敷地をぐるりと一周する形で囲む塀があり、塀の内側から3メートルほど離れた箇所に背の高い竹垣が造られていた。夜になると警備のために、塀と竹垣の間にできた空間に、数頭の犬が放たれるのだ。

木々は常緑樹を中心に竹垣に沿って立ち並び、木々に守られるように庭園と貴之・京司朗の住む屋敷や離れ、黒岩家などが建っていた。

庭園の一部として果樹園があり、果樹園に隣接する畑との境は人工の竹垣と壁で区切られ裏門がある。正面と横は自然の竹垣だが、実験的な試みで、敷地の裏側となる竹垣のみが人工の竹垣だ。裏門の側にはガードマンボックス兼用の警備担当者達が詰める和風建築の平屋があり、常時、人の出入りをチェックしていた。夜はライフルなど銃器類を装備した男達の詰め所となる。

以前は畑側の裏門の両脇には二本の大銀杏おおいちょうがたっていた。門を象った形で立つ大銀杏はまるで巨大な番人だった。

現在大銀杏の木は二本ともない。

大銀杏おおいちょうはどちらも樹齢五百年を超える雄株おかぶだったが、二年前に先に一本が倒れ、この夏に残った一本も倒れてしまった。
みふゆが倒れると予知し、桐島と勅使河原てしがわらを助ける結果となった、あの大銀杏が残った一本だった。

惣領家の敷地内には、雄株おかぶ銀杏いちょうの木があちらこちらに不規則に点在している。ほとんどが樹齢三百年を超え、倒木した場合は根元から新たな芽が出るのを待ち、育てている。

畑・果樹園に続き、山側に対して広がる田んぼの向こう側は、幅広の私道(農道)を挟み丘陵地帯きゅうりょうちたいで、牧草地となっている。規模は大きくないが酪農を営むエリアになっている。

農作・酪農など各地区内の所々にある二階建てのコテージには、それぞれの区域の管理・警備を任せている社員達が住んでいた。

山が近いため、人の暮らす区域とは隔たりが造られ、場所に応じて、川・用水路・防壁・電気柵・防犯カメラ・猟犬などで獣や人の不法侵入を阻んでいる。山際の銀杏いちょう雌株めかぶがつけるギンナンの臭気も獣の侵入対策の役割を担っていた。ただ、獣は害にならない限りは駆除せずに山に返している。

そして、特に貴之の住む屋敷の敷地の守りは強固だ。常に新しい技術を取り入れたセキュリティシステムと優れた『私兵』達のおかげで、これまで人も獣も侵入を許したことはなかった。








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