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竜、陥落する
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「降りる。退いてくれ」
僕は呆然とするファルデルナに、冷たい口調で告げた。
宮廷で会っていた彼女に戻っていて気が引けたが、彼女のためだと思い直す。
ゆっくりと下がり、彼女は離れた。
「吹雪が止んだら帰ってくれ」
僕はそう言って、自ら扉を塞いだ物をどかした。
「……でしょうか?」
ファルデルナが、微かな声音で疑問を投げ掛ける。
聞こえなくて僕は顔を彼女に向けた。今にも溢れそうな程に、涙が彼女の瞳を覆っている。
「わた……くしでなく……『あの方』だったら受け入れていたのでしょうか……? 」
「馬鹿馬鹿しい……!」
『あの方』が誰のことを指しているのか、分かっている。
初めて『恋』らしい想いだった。
僕の隣にいて微笑んで欲しかった。
独りよがりの恋。
彼女は叔父を選んだ。赤ん坊の頃から五つまで育てた竜を。
僕の暴走は、彼女の叔父に対する愛情を気付かせるに充分で──引き裂こうとすればするほど、二人の絆は深まった。
敵わない、二人の思いに。
叔父の彼女を守る力に。
僕は非力だ──。
國の力が僕の力ではない、僕自身は権力の座に胡座をかいていた非力な存在。
「『あの人』が例え何万分の一の確率で来たとしても、僕は何もできやしない! こんな何も無い、何も見失った、不自由な! 僕は追い返すだけだ、貴女みたいに!」
「『あの方』は帰るでしょう……きっと。愛する人が他にいるから……」
「そうだ! ファルデルナ、貴女だって時が経てば新しい恋に──!」
「わたくしは帰りません!」
空気を裂いて、時が止まった気がした。それだけ彼女の意思を乗せた言葉は強かった。
そんな強烈な言霊と裏腹に、彼女の頬には涙の跡を滴が何度も辿る。
「ひ、左腕の代わりになるのがお嫌なら、せめて側にいさせてください……! 共に罪を被って欲しくないと言うなら、せめて罪を償い続ける日々の中をお手伝いさせて下さい! 何も出来ないなんて事はないんだと、何も無いなんて不自由なんて、また作り直せば良いんだと! 見失ったら探せば良いんだと── 一緒に!」
ファルデルナの手が再び僕に触れた。
「わたくしだって一度は見失いました……。だけど、その時にはわたくしに手を差し伸べてくれた両親がいました。皇妃様や陛下も、お便りで按じて下さいました。周囲にわたくしを思い、助けようとして下さいました。シルディス様、わたくしは今度は、そんな方と同じように貴方に手を差し伸べたいのです。愛しているから──貴方を……」
何故?
どうして、僕の頬を擦る?
理由がようやく分かり、僕は笑った。
「泣いて……いたのか、僕は」
泣き笑いする僕に、ファルデルナは何度も口付けをしてくれていた。
気付かされたことがある。
ここに来て何通も届いた母と父からの手紙。
僕は返事を書かなかったけど、ちゃんと読んでいた。
──自分で解決出来ないことは躊躇わないで相談しなさい。
──不自由はしていない? 良い痛み止めの薬を送りますよ。
──いつか心身ともに逞しくなった貴方に、会えることを楽しみにしています。
この罪は一人で償わなくては──だから、誰にも手を伸ばしてはいけないと。
そう思ってやってきた。
──どれだけの想いに支えられて生きてきたのか
──罪を科せる気はないけれど
「……側に……良いのか……? 僕の……光に……なって、くれるのか……?」
「……は、い……!」
柔らかな唇が僕の嗚咽を塞ぐ。
久し振りの温もりは、ぽっかり空いていた身体の一部を瞬く間に埋めた。
「ファ、ファルデ、ファルデルナ……ちょ、ちょっと、だからって、いきなり、こ、こんなことは……!」
「いけません……?」
意外だと言うように瞳を大きく開き、ポカンとしたファルデルナに僕は、
「と、取り合えず、て、手を離して」
と、やんわりと告げた。
「ここを攻めれば殿方達は陥落すると習いましたが……シルディス様を見るに痛々しいご様子……」
「間違ってはいませんが……強く握っては痛い──って、そんな問題ではなくて!」
僕は、はだけたガウンを手繰り寄せ、机から降りた。
「ここで暮らすのは承諾しましたが、だからと言ってすぐに関係を結ぶのは早急だと思っています」
「でも、既成事実を作ってしまえば、父も諦めて許すと思うんです」
「そんな簡単に事が運ぶとは思えない。──とにかく、吹雪が止んだら貴女の父君に手紙を送りますから……今の事情と娘さんを貰います……と」
ファルデルナの顔がたちまち明るくなり、嬉そうに抱き付いてきた。
「嬉しい! わたくし、シルディス様の妻となるんですね!」
「……あ、うん……」
伯が許すとは思えないけど。父にも現状の手紙を送った方が良いかもな、と考えた。
──早急すぎたかな
ぬか喜びをさせてしまったかも知れない、僕は無邪気に抱き付くファルデルナを見つめた。
僕の視線に気付いた彼女が、背筋を伸ばし瞳を閉じた。
軽い口付けを交わすとファルデルナは、
「もう!」
と不満そうに、ますます身体を密着させる。
「そんな子供騙しな口付けは、宮廷でさんざん頂いております。もっと大人の口付けを下さいまし!」
「今夜はこれで我慢してくれ」
何でこんなに積極的なんだ──厚手のガウンとはいえ、お互いそれ一枚だ。はだけたら直ぐに温もりが分かってしまう姿なのに。
理性がもたなくなる。
はっ、とあることに気付き慌てた。
──彼女、夜這いするつもりで来たんだ、確か
「もう部屋に戻りなさい!」
「戻りません! わたくし達夫婦になるのでしょう!」
「それは後!」
嫌がるファルデルナを引きずって部屋から追い出そうとするが、片腕だけではなかなか大変だ。
「酷いわ! 女の覚悟を無下にするなんて! 屈辱です!」
「君の覚悟は充分伝わった! とにかく僕の理性の為にも、今夜は部屋に戻りなさい!」
「──分かりました」
パッと拒絶の力が無くなり、反動で身体がよろめいた僕をファルデルナは床に押し倒した。
そのまま馬乗りし、彼女はニコリと笑った。
「押して駄目なら引いてみろ──って、正解ですね」
生成りの彼女のガウンがはだけた。
輝くすべらかそうな上半に、小振りだが、つんと上向きの形良い胸が目の前に出現する。
「ファ、ファルデルナ……!」
久し振りに見た生の女性の身体は、一気に僕の身体を熱くするのに充分だった。
「女がこんなにまでして求めているのに、応えてくださらないのは……侮辱と聞いております」
「……誰から聞いたんです」
嫌な予感がした。
この女性至上主義思考は、どこかで聞いた覚えがあったからだ。
ファルデルナは、僕の問いに答えることはしなかった。あの熱を帯びた眼差しで、僕のガウンの紐を外す。
「いけない……!」
「でも、ここはもう……」
荒れていない手で撫でられ、血流が早くなる。
「またこんなに……」
ますます滾りだした物は、自然には治まらないまでになってしまった。
──ああもう! なるようになれ!
「余裕がない、痛いかも知れないが次は優しくするから……」
ファルデルナの白い腰を掴んだ。
痛みを堪える声が、甘く切ない声となって僕の耳に落ちてくるのに一晩かかった。
***
帝國、宮廷内──。
イェルディスは息子からの初めての手紙を読み終え、額に手を当てた。
「何て書いてあったの?」
溜息と共に、手紙がシルヴィアに渡される。
「あら……大胆ねえ、ファルデルナも」
楽しそうに手紙を読み続けているシルヴィアにイェルディスは、
「楽しんでいる内容ではないぞ……」
と、また溜息をついた。
イェルディスは立ち上がり日射しが注ぐ窓に向かうと、外を眺めながら考えに更けはじめた。
「シルディスはあの土地から離れられん。私が辺境伯に謝罪しに行かねばならぬか……」
そうぼやいたイェルディスに、シルヴィアは、
「わたくしが行きますわ。わたくしの父と伯は懇意ですし、伯の妹はわたくしの兄の妻ですから、まだ話がしやすいかと」
微笑みながら立ち上がった。
「すまんな……」
申し訳なさそうに目尻を下げた夫に、シルヴィアは言った。
「わたくし達の息子でしょう? ──本当、助言して良かったわ」
「──? 何をだい?」
シルヴィアの独り言にイェルディスは、何の話なのかと尋ねる。
こっちの話よ、とシルヴィアはにっこり、と華やかに笑った。
僕は呆然とするファルデルナに、冷たい口調で告げた。
宮廷で会っていた彼女に戻っていて気が引けたが、彼女のためだと思い直す。
ゆっくりと下がり、彼女は離れた。
「吹雪が止んだら帰ってくれ」
僕はそう言って、自ら扉を塞いだ物をどかした。
「……でしょうか?」
ファルデルナが、微かな声音で疑問を投げ掛ける。
聞こえなくて僕は顔を彼女に向けた。今にも溢れそうな程に、涙が彼女の瞳を覆っている。
「わた……くしでなく……『あの方』だったら受け入れていたのでしょうか……? 」
「馬鹿馬鹿しい……!」
『あの方』が誰のことを指しているのか、分かっている。
初めて『恋』らしい想いだった。
僕の隣にいて微笑んで欲しかった。
独りよがりの恋。
彼女は叔父を選んだ。赤ん坊の頃から五つまで育てた竜を。
僕の暴走は、彼女の叔父に対する愛情を気付かせるに充分で──引き裂こうとすればするほど、二人の絆は深まった。
敵わない、二人の思いに。
叔父の彼女を守る力に。
僕は非力だ──。
國の力が僕の力ではない、僕自身は権力の座に胡座をかいていた非力な存在。
「『あの人』が例え何万分の一の確率で来たとしても、僕は何もできやしない! こんな何も無い、何も見失った、不自由な! 僕は追い返すだけだ、貴女みたいに!」
「『あの方』は帰るでしょう……きっと。愛する人が他にいるから……」
「そうだ! ファルデルナ、貴女だって時が経てば新しい恋に──!」
「わたくしは帰りません!」
空気を裂いて、時が止まった気がした。それだけ彼女の意思を乗せた言葉は強かった。
そんな強烈な言霊と裏腹に、彼女の頬には涙の跡を滴が何度も辿る。
「ひ、左腕の代わりになるのがお嫌なら、せめて側にいさせてください……! 共に罪を被って欲しくないと言うなら、せめて罪を償い続ける日々の中をお手伝いさせて下さい! 何も出来ないなんて事はないんだと、何も無いなんて不自由なんて、また作り直せば良いんだと! 見失ったら探せば良いんだと── 一緒に!」
ファルデルナの手が再び僕に触れた。
「わたくしだって一度は見失いました……。だけど、その時にはわたくしに手を差し伸べてくれた両親がいました。皇妃様や陛下も、お便りで按じて下さいました。周囲にわたくしを思い、助けようとして下さいました。シルディス様、わたくしは今度は、そんな方と同じように貴方に手を差し伸べたいのです。愛しているから──貴方を……」
何故?
どうして、僕の頬を擦る?
理由がようやく分かり、僕は笑った。
「泣いて……いたのか、僕は」
泣き笑いする僕に、ファルデルナは何度も口付けをしてくれていた。
気付かされたことがある。
ここに来て何通も届いた母と父からの手紙。
僕は返事を書かなかったけど、ちゃんと読んでいた。
──自分で解決出来ないことは躊躇わないで相談しなさい。
──不自由はしていない? 良い痛み止めの薬を送りますよ。
──いつか心身ともに逞しくなった貴方に、会えることを楽しみにしています。
この罪は一人で償わなくては──だから、誰にも手を伸ばしてはいけないと。
そう思ってやってきた。
──どれだけの想いに支えられて生きてきたのか
──罪を科せる気はないけれど
「……側に……良いのか……? 僕の……光に……なって、くれるのか……?」
「……は、い……!」
柔らかな唇が僕の嗚咽を塞ぐ。
久し振りの温もりは、ぽっかり空いていた身体の一部を瞬く間に埋めた。
「ファ、ファルデ、ファルデルナ……ちょ、ちょっと、だからって、いきなり、こ、こんなことは……!」
「いけません……?」
意外だと言うように瞳を大きく開き、ポカンとしたファルデルナに僕は、
「と、取り合えず、て、手を離して」
と、やんわりと告げた。
「ここを攻めれば殿方達は陥落すると習いましたが……シルディス様を見るに痛々しいご様子……」
「間違ってはいませんが……強く握っては痛い──って、そんな問題ではなくて!」
僕は、はだけたガウンを手繰り寄せ、机から降りた。
「ここで暮らすのは承諾しましたが、だからと言ってすぐに関係を結ぶのは早急だと思っています」
「でも、既成事実を作ってしまえば、父も諦めて許すと思うんです」
「そんな簡単に事が運ぶとは思えない。──とにかく、吹雪が止んだら貴女の父君に手紙を送りますから……今の事情と娘さんを貰います……と」
ファルデルナの顔がたちまち明るくなり、嬉そうに抱き付いてきた。
「嬉しい! わたくし、シルディス様の妻となるんですね!」
「……あ、うん……」
伯が許すとは思えないけど。父にも現状の手紙を送った方が良いかもな、と考えた。
──早急すぎたかな
ぬか喜びをさせてしまったかも知れない、僕は無邪気に抱き付くファルデルナを見つめた。
僕の視線に気付いた彼女が、背筋を伸ばし瞳を閉じた。
軽い口付けを交わすとファルデルナは、
「もう!」
と不満そうに、ますます身体を密着させる。
「そんな子供騙しな口付けは、宮廷でさんざん頂いております。もっと大人の口付けを下さいまし!」
「今夜はこれで我慢してくれ」
何でこんなに積極的なんだ──厚手のガウンとはいえ、お互いそれ一枚だ。はだけたら直ぐに温もりが分かってしまう姿なのに。
理性がもたなくなる。
はっ、とあることに気付き慌てた。
──彼女、夜這いするつもりで来たんだ、確か
「もう部屋に戻りなさい!」
「戻りません! わたくし達夫婦になるのでしょう!」
「それは後!」
嫌がるファルデルナを引きずって部屋から追い出そうとするが、片腕だけではなかなか大変だ。
「酷いわ! 女の覚悟を無下にするなんて! 屈辱です!」
「君の覚悟は充分伝わった! とにかく僕の理性の為にも、今夜は部屋に戻りなさい!」
「──分かりました」
パッと拒絶の力が無くなり、反動で身体がよろめいた僕をファルデルナは床に押し倒した。
そのまま馬乗りし、彼女はニコリと笑った。
「押して駄目なら引いてみろ──って、正解ですね」
生成りの彼女のガウンがはだけた。
輝くすべらかそうな上半に、小振りだが、つんと上向きの形良い胸が目の前に出現する。
「ファ、ファルデルナ……!」
久し振りに見た生の女性の身体は、一気に僕の身体を熱くするのに充分だった。
「女がこんなにまでして求めているのに、応えてくださらないのは……侮辱と聞いております」
「……誰から聞いたんです」
嫌な予感がした。
この女性至上主義思考は、どこかで聞いた覚えがあったからだ。
ファルデルナは、僕の問いに答えることはしなかった。あの熱を帯びた眼差しで、僕のガウンの紐を外す。
「いけない……!」
「でも、ここはもう……」
荒れていない手で撫でられ、血流が早くなる。
「またこんなに……」
ますます滾りだした物は、自然には治まらないまでになってしまった。
──ああもう! なるようになれ!
「余裕がない、痛いかも知れないが次は優しくするから……」
ファルデルナの白い腰を掴んだ。
痛みを堪える声が、甘く切ない声となって僕の耳に落ちてくるのに一晩かかった。
***
帝國、宮廷内──。
イェルディスは息子からの初めての手紙を読み終え、額に手を当てた。
「何て書いてあったの?」
溜息と共に、手紙がシルヴィアに渡される。
「あら……大胆ねえ、ファルデルナも」
楽しそうに手紙を読み続けているシルヴィアにイェルディスは、
「楽しんでいる内容ではないぞ……」
と、また溜息をついた。
イェルディスは立ち上がり日射しが注ぐ窓に向かうと、外を眺めながら考えに更けはじめた。
「シルディスはあの土地から離れられん。私が辺境伯に謝罪しに行かねばならぬか……」
そうぼやいたイェルディスに、シルヴィアは、
「わたくしが行きますわ。わたくしの父と伯は懇意ですし、伯の妹はわたくしの兄の妻ですから、まだ話がしやすいかと」
微笑みながら立ち上がった。
「すまんな……」
申し訳なさそうに目尻を下げた夫に、シルヴィアは言った。
「わたくし達の息子でしょう? ──本当、助言して良かったわ」
「──? 何をだい?」
シルヴィアの独り言にイェルディスは、何の話なのかと尋ねる。
こっちの話よ、とシルヴィアはにっこり、と華やかに笑った。
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