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第4章

勝負に関するメール

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白羅 side

ナギアさんがプロポーズをしているであろう期間に、僕達はイソーギス国に集まりクラスメイト全員と、集まってくれたとある人達と連携の修行や装備の確保など、ナギアさんとの勝負に向けての準備を行っていた。

何故、イソーギス国に集まるかというと勇者達の多く獣国の方に行っているのもあるが、イソーギス国の学園に[どんな強力な魔法でも耐える]という結界を用いた大きな訓練場が出来たからだ。
クラスメイトの誰かが、その訓練場で修行したいと言うとことで、その学園の学園長であり、イソーギス国のギルマスでもあるウボトゥアさんに「使わせてください」と頼み込みんだそうだ。結果、「授業で使う時以外ならいつでも使っても良い」と快く了承してくれたらしい。
...どんな強力な魔法でも耐えるという結界...ナギアさんが関わっているような気がするのは気のせいかな?

約1ヶ月間の間、僕達の持つチート能力やスキルを使って連携や相性の良い組み合わせなどを考えたりした。
僕がこの【エスポワ】に来る前からゲームや漫画、アニメをあまり触れなかったこともあるのか、皆の出す意見や提案などの量にはとても驚いた。
「どうしてこの組み合わせを?」と聞いたりすると秒間髪で答えてくるので、僕は2度目の衝撃を受けた。


そんなこんなで皆と修行をしている時にナギアさんからのメールが届いたのだった。

「あっ...とうとう来たよ」
「本当ですね...」
「上手く皆に合わせられるか不安だよ...」
「大丈夫よ!最後にナギアさんと戦った時よりも、私達は何倍も強くなっている!......と思う」
「そこは、言い切ってよ!?」
「『僕を倒せ!』じゃなければ勝機はあるよ!
...もしそれだったら、やれることだけの事はやって負けよう。そして、ナギアさん達を盛大に祝おう!」
「くぅ~頼む!
私達でも勝機のある勝負でお願いします!」

何故か盛り上がりをみせるクラスメイト達を横に僕はナギアさんからのメールを開いた。



勇者達へ

勝負内容を発表しにきたよ~
勇者達の事だから今頃修行をして、この発表を楽しみにして待っていたのでしょうね。

ちなみに、今回は最後にメールした時から勇者達が何をしているのかを把握しないように、この1ヶ月間は情報収集用の影達は解除してたんだ。

だから、意表を突くようなことをしてくるのを楽しみにしているね!


では、
勝負内容は『ナギアとの試合』です。
ですが、普通の試合だと僕が勝つ確率が高くなってしまうので、僕に対する縛りルールを追加します。
(あっ、もし最初から全力でかかってこい!というのなら、会った時に言って下さい)

追加する縛りは
・レベルを下げる魔道具の着用
・武器の持ち込み禁止(作るの可)
・指定された空間以外の空間に逃げるの禁止
・相手を操ったり洗脳すること禁止
・影を生成すること禁止
・強力な魔法の使用禁止
を付けようと考えてますが、他に付けろというのがありましたら、言って下さい。


それでは、
下記のURLで試合場所に転移できるので、準備が出来たら押してください。

ナギアより



...あぁ、何処からツッコミを入れればいいのか困る。
僕達のしている事が分からないように、影を解除したということは、今までの僕達の行動は全て見られていたという事なのか...
ナギアさんの事だから、あり得るとは思ってたけど、このメールで確信したと思う。

縛りの追加はこちらにとってはとても嬉しい事だ。
ナギアさんが自分自身に既に追加している縛りルールを見ると、改めてナギアさんが化け物じみている事がわかる。
何度もこの感覚を味わっているのに毎回慣れない...いや、慣れては駄目なんだ。

レベルを下げる魔道具とはどういう物なのだろうか?
前にナギアさんが自分のステータスが全てエラーだと言っていたから、レベルは桁がおかしいほど高いのだろう。
そこから下げるといったらどれだけ下げて貰えるのだろうか?
...出来れば300以内まで下げてもらえれば勝機があるんだけどね。

武器の持ち込み禁止というのは何となく分かるけど、ナギアさんにとっては特に問題ない縛りだろう。
素手で剣を粉々にする事も可能だし、魔力操作で各属性の剣を創ることもできる。
...ここは、あの作戦が上手く行けば対策ができるな。

指定された空間以外の空間に逃げるの禁止というのは、そのままの意味だろう。
ナギアさんのことだからそんな事はしないだろうけど、出来てしまうから一応縛りとして追加したのだろう。
空間って普通に受け入れてきたけど、よく考えると一体なんなのかわからなくなってくる...止めよう。

相手を操ったり洗脳すること禁止...うん、これは禁止ですね。
そんな事されたら勝ち目どころか勝負にならないですね。

影を生成すること禁止というは、本当に嬉しいことだ。
ナギアさんの代表的な魔法の一つの闇魔法から創られる影は本人と見破る事が出来ないし、様々な能力を追加が可能というところがチートだ。
数でこちらが有利と言っていれば、影を沢山生成されて数に押されて負けるというのもあり得る。

強力な魔法の使用禁止...流石に魔法1発で終わらせる事はないと思う。
ナギアさんは試合をする時、必ず先手を譲り相手の技やスキルを見てから倒す所がある。
今回の勝負でも必ず僕達の技を見てから動くと予想している為、いくつか作戦は用意してある。
確実に決めていかなければ...

そして最後...
URLを押せば転移出来るって信じられないような事が書いてある!?
確かに下の方にURLが青く表示されているけど、どんな技術がこのスマホに組み込まれているのか、分からなすぎて動揺を隠せない。


「み、みんな準備は出来た?」
「お、おう。このURLを押せば試合の場所に転移出来るって、未来より未来な技術だよな...」
「お前...気持ちは分かるが、日本語おかしくなってきてるぞ」
「ワンクリック転移...」
「そこ!詐欺みたいに言うな」

「じゃあ、準備出来たみたいだから行こうか。
あっ、このスマホというのを持っていない方は、持っている人の手をとってください。
多分、それで一緒に転移できます。
では、行きましょう!」

この時の為に僕達は様々な事を試したり、試合に役立ちそうな魔道具も集めてきた。
後はやれる事を全力でやるだけだ。

僕達はナギアさんのメールから転移するのだった...






======================
どうも、すみません。

昨日は更新出来なくてすみません。

いつも1500~2000字を目安に書いているので
昨日の分の文字数を今日と明日に追加するように書きます。
(1500字以内の話もありますが、それはすみません)


URLやリンクをタッチするだけで転移...
そんなのがあったら、
家から会社、学校、ゲーセン、その他への移動が楽になりますね~
(絶対そんな技術は出来ないと思いますがねw)
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