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氷の矢
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しばらく電話で史弥さんの声を聞いていたが、石丸さんが呼んでいるから、と半ば強制的に電話を切った。かつん、と固い音を響かせてスマホを机に置いてから、冷めてしまったコーヒーを飲んだ。
「もうよかったのか」
じんわりと滲みそうになる涙を堪えて、コーヒーの苦味に神経を集中させる。
「はい。あれ以上声を聞いていたら、泣いてしまいそうで。それに、会いたくてたまらなくなるから」
そうか、と感情のこもらない返事が聞こえた。そして音もなく立ち上がった石丸さんは、指先で大きなクッキーを指して、遠慮がちに口を開いた。
「昨日から何も食べていないんだ。せめてこれくらいは食べておきなさい。何か欲しいものがあれば、部屋を出てすぐのところに私の部下がいるから、何でも言えばいい」
「石丸さんは、どこへ?」
出口へと歩みを進めた彼に尋ねれば、ぎこちない笑顔を作って答えてくれる。
「俺は、あの男の行方を探る。部下に史弥を尾行させているから、まずはそいつらから話を聞かないといけない。少しここを離れるが、何かあれば部下に声をかけてくれ。必要とあれば、いつでも俺が戻ってくる」
彼の気遣いと優しさに感謝しながら、私はまた、一人ぼっちになった。
石丸さんが出て行ってから三時間ほどが経ったとき、石丸さんが置いていった私のスマホが震えた。表示されているのはもちろん、史弥さんの名前だ。石丸さんは、私が彼と連絡を取る事を禁じなかった。私が彼を恋しく感じていることに、気づいているのだろう。
「もしもし」
電話に出ることに、ためらいはなかった。史弥さんの声が聞けるなら、私は恐らくなんでもするだろう。
「葉月? 今、話しても平気?」
うん、と答えれば、いつもより低い声で彼が話し出す。耳元で彼が囁いているような錯覚に陥り、足元がふらふらと覚束なくなる。慌ててベッドに座り込んで、一言だって聞き洩らすことのないように、必死に耳を澄ませた。
「石丸さんは、近くにいるの?」
今はいない、と答えると、史弥さんは少し考え込むように間を置いた。
「そうなんだ。葉月、どうして俺から離されたのか、石丸さんは何か言ってた?」
探るような口調に、胃に鈍い痛みが走る。いやだ、本能的にそう感じた。
「ううん、私には何も。いきなり家に来て、車に乗せられたから。私、てっきりここに史弥さんもいるんだと……」
私は咄嗟に、昨日会ったことを話した。これくらいなら問題ないはずだ、そう思った。
「そうか。葉月を無理やり連れていくなんて、いくら石丸さんでも許せないな。怖いことはされてない? 嫌な想いはしてない?」
優しい声に、頭の芯がぼうっとなる。
「大丈夫。でも、早く帰りたい」
誘導されるように、するすると本音がでていく。ああ、これは、話していいことだった? 石丸さんは、私に何を話すなと言ったんだっけ? 史弥さんの甘く低い声に、思考がまとまらない。
「俺も早く葉月に逢いたいよ。思い切り抱き締めたい。でも葉月は細いから、手加減しないとね」
くすりと笑う史弥さんの息遣いまで感じられるようで、思わずべっどに倒れ込んだ。思考がはっきりしない。考えなくてはならないことがあったはずなのに……。
「折れてもいいから、思い切り抱き締めて。もう、離さないで」
低い笑い声が耳元で惑わす。
「もちろん、離すつもりなんてないよ。葉月、今どこにいるの? 俺から黙って離れるなんて、いけない子だね」
「ごめんなさい。お願い、迎えに来て」
もう、何も考えられなかった。心に感じる異常なまでの焦燥感さえも無視をして、僅かに残る冷静な理性さえも既に消えかけていた。
「すぐに行くよ。どこにいるの? 警視庁かな? それとも、石丸さんの家?」
違うの、と首を振る。葉月?と呼びかける誘惑に、贖なう術など、どこにもなかった。ベッドわきの小さなテーブルにあるメモ帳に手を伸ばした。そこには、小さくホテル名が記されている。私が今まさに身を隠している、このホテルの名前だ。
その名を口にしようとした瞬間、激しいノックの音がドアを揺らした。一瞬、思考がクリアになる。
「葉月、集中して。俺の声を聞いて? 俺だけを見て」
「うん、聞いてる」
視線をドアへと移す。まだ、けたたましくドアが叩かれている。何か叫んでいる声も聞こえるが、それを言葉として認識できない。私には、史弥さんの声しか聞こえていなかった。
「ホテル……名前は…………」
ガチャン、と大きな音に驚いて身体を起こすと、大柄の男がこちらへ向かってきている。思わず声を上げた私の名前を、史弥さんが電話口で叫んだ。そして、男の手によって、電話が切られた。
スーツを着た男性は焦りをその目に映して、「石丸さんを呼びます」とだけ口にした。
ベッドの端に腰をかけている私を、先ほどの大柄の男と、女性が横目で見つめている。もちろん二人は石丸さんの部下であり、警官だ。
一体何が起こったのかも、私にはわからない。ただ史弥さんの声が心地よくて、何も考えられなかった。私の名を叫んだ史弥さんから、再び電話がかかってくることはなかった。
「これ、よければどうぞ」
女性が私の傍に来て、温かい紅茶を差し出してくれた。
「ホテルの備品だから、美味しいかはわからないけど。気分転換にはなるかと……」
そういうと、私にカップを持たせて素早く離れた。私の過去を石丸さんから聞いていて、気を使ってくれているのかもしれない。礼を言うと、彼女はにっこりと微笑んでくれた。私より十歳ほど上だろうか、彼女は優しそうな眼をしていて、石丸さんや史弥さんのような鋭さはどこにもなかった。
「あなたも……その……」
言葉を濁した私に、彼女は頷いた。
「ええ、私も吸血鬼よ。こっちの彼も。怖い? 気になるようなら、外に出ていますよ」
いえ、と慌てて首を振った。すると、彼女はやはり優しく微笑んでくれた。その笑顔に、何故か母を思い出していた。母はいつも、優しく微笑んでいた。
二人の警官が、どうじに動いた。座っていた男性は立ち上がり、ドアの方へと歩み寄り、女性も同様にドアへと向かった。男性がドアを開けると、しばらくして石丸さんが姿を見せた。彼の気配を察知したのか、それとも外から石丸さんが話しかけたのかは、私にはわからない。
「片瀬さん、大丈夫?」
珍しく慌てた様子の石丸さんが、私を見るなり口を開いた。両膝を床について私の前で屈みこんで、私の目を覗き込むように見つめた。
「大丈夫です。それより、ごめんなさい。私、史弥さんに……」
石丸さんがひらりと左手を振り、私の話を止めた。首を上げて男性警官を見上げると、彼はすぐにそれに応えた。
「電話をしているのは気づいていました。しかし、途中から彼の誘導に、片瀬さんが反応し始めました。そこでドアを叩いたのですが、断絶しきれませんでした。そこで、ドアを破って突入せざるを得ませんでした。驚かせてしまいましたが、居場所は伝わっていません」
そうか、と石丸さんが呟く。
「私、言っちゃいけないってわかってたのに……頭がぼうっとして……それで……」
言い訳ばかりを並べる自分が情けなくなって、がくりと頭を下げた。そんな私の肩に手を置いてくれたのは、以外にも石丸さんだった。
「いや、君のせいじゃない。まさか史弥が、そんな強硬策にでるとは……俺が甘かった」
「強硬策って…?」
説明を求めた私に、石丸さんが渋い顔をする。
「我々吸血鬼にはね、特殊能力が備わっている場合が多いんだ」
「特殊能力?」
突拍子もない話に、思わず笑ってしまう。しかし、この部屋で笑っているのはただ一人、私だけだ。
「そう。信じられないかもしれないけれど、吸血鬼の存在を知る君なら、そう疑うこともなく受け入れられるはずだよ。俺と、香川にも、史弥と同じ能力がある」
そう言いながら彼は、親指で大柄の男性を指した。香川と呼ばれた男性は、小さく頷く。
「その能力はね、所謂催眠術と呼ばれるものに極めて近い。つまり、他人を意のままに操ることが出来る。さっきの様子を聞く限り、史弥が電話越しに君に催眠を掛けたとみて間違いない」
聞きたいことがありすぎて無言になる私の様子を気遣いながら、石丸さんが続ける。
「電話越しですら催眠が効くなんて、未だかつて聞いたことがない。史弥の力がどれほど強いのか……それとも、相手が君だからなのか……」
なんとなく、彼の言いたいことがわかるような気がした。史弥さんの声を聞きたいと願っていた。そうでなくても、私にとって彼の声は温かい毛布のように優しく包んでくれるものなのだ。そんな私に催眠をかけるのは、息をするより簡単なことだろう。
「しかし、普通の吸血鬼は……滅多にこの力を使わない。特に、大切な相手には」
その言葉に、心に冷たい氷の矢が突き刺さったように痛んだ。
「もうよかったのか」
じんわりと滲みそうになる涙を堪えて、コーヒーの苦味に神経を集中させる。
「はい。あれ以上声を聞いていたら、泣いてしまいそうで。それに、会いたくてたまらなくなるから」
そうか、と感情のこもらない返事が聞こえた。そして音もなく立ち上がった石丸さんは、指先で大きなクッキーを指して、遠慮がちに口を開いた。
「昨日から何も食べていないんだ。せめてこれくらいは食べておきなさい。何か欲しいものがあれば、部屋を出てすぐのところに私の部下がいるから、何でも言えばいい」
「石丸さんは、どこへ?」
出口へと歩みを進めた彼に尋ねれば、ぎこちない笑顔を作って答えてくれる。
「俺は、あの男の行方を探る。部下に史弥を尾行させているから、まずはそいつらから話を聞かないといけない。少しここを離れるが、何かあれば部下に声をかけてくれ。必要とあれば、いつでも俺が戻ってくる」
彼の気遣いと優しさに感謝しながら、私はまた、一人ぼっちになった。
石丸さんが出て行ってから三時間ほどが経ったとき、石丸さんが置いていった私のスマホが震えた。表示されているのはもちろん、史弥さんの名前だ。石丸さんは、私が彼と連絡を取る事を禁じなかった。私が彼を恋しく感じていることに、気づいているのだろう。
「もしもし」
電話に出ることに、ためらいはなかった。史弥さんの声が聞けるなら、私は恐らくなんでもするだろう。
「葉月? 今、話しても平気?」
うん、と答えれば、いつもより低い声で彼が話し出す。耳元で彼が囁いているような錯覚に陥り、足元がふらふらと覚束なくなる。慌ててベッドに座り込んで、一言だって聞き洩らすことのないように、必死に耳を澄ませた。
「石丸さんは、近くにいるの?」
今はいない、と答えると、史弥さんは少し考え込むように間を置いた。
「そうなんだ。葉月、どうして俺から離されたのか、石丸さんは何か言ってた?」
探るような口調に、胃に鈍い痛みが走る。いやだ、本能的にそう感じた。
「ううん、私には何も。いきなり家に来て、車に乗せられたから。私、てっきりここに史弥さんもいるんだと……」
私は咄嗟に、昨日会ったことを話した。これくらいなら問題ないはずだ、そう思った。
「そうか。葉月を無理やり連れていくなんて、いくら石丸さんでも許せないな。怖いことはされてない? 嫌な想いはしてない?」
優しい声に、頭の芯がぼうっとなる。
「大丈夫。でも、早く帰りたい」
誘導されるように、するすると本音がでていく。ああ、これは、話していいことだった? 石丸さんは、私に何を話すなと言ったんだっけ? 史弥さんの甘く低い声に、思考がまとまらない。
「俺も早く葉月に逢いたいよ。思い切り抱き締めたい。でも葉月は細いから、手加減しないとね」
くすりと笑う史弥さんの息遣いまで感じられるようで、思わずべっどに倒れ込んだ。思考がはっきりしない。考えなくてはならないことがあったはずなのに……。
「折れてもいいから、思い切り抱き締めて。もう、離さないで」
低い笑い声が耳元で惑わす。
「もちろん、離すつもりなんてないよ。葉月、今どこにいるの? 俺から黙って離れるなんて、いけない子だね」
「ごめんなさい。お願い、迎えに来て」
もう、何も考えられなかった。心に感じる異常なまでの焦燥感さえも無視をして、僅かに残る冷静な理性さえも既に消えかけていた。
「すぐに行くよ。どこにいるの? 警視庁かな? それとも、石丸さんの家?」
違うの、と首を振る。葉月?と呼びかける誘惑に、贖なう術など、どこにもなかった。ベッドわきの小さなテーブルにあるメモ帳に手を伸ばした。そこには、小さくホテル名が記されている。私が今まさに身を隠している、このホテルの名前だ。
その名を口にしようとした瞬間、激しいノックの音がドアを揺らした。一瞬、思考がクリアになる。
「葉月、集中して。俺の声を聞いて? 俺だけを見て」
「うん、聞いてる」
視線をドアへと移す。まだ、けたたましくドアが叩かれている。何か叫んでいる声も聞こえるが、それを言葉として認識できない。私には、史弥さんの声しか聞こえていなかった。
「ホテル……名前は…………」
ガチャン、と大きな音に驚いて身体を起こすと、大柄の男がこちらへ向かってきている。思わず声を上げた私の名前を、史弥さんが電話口で叫んだ。そして、男の手によって、電話が切られた。
スーツを着た男性は焦りをその目に映して、「石丸さんを呼びます」とだけ口にした。
ベッドの端に腰をかけている私を、先ほどの大柄の男と、女性が横目で見つめている。もちろん二人は石丸さんの部下であり、警官だ。
一体何が起こったのかも、私にはわからない。ただ史弥さんの声が心地よくて、何も考えられなかった。私の名を叫んだ史弥さんから、再び電話がかかってくることはなかった。
「これ、よければどうぞ」
女性が私の傍に来て、温かい紅茶を差し出してくれた。
「ホテルの備品だから、美味しいかはわからないけど。気分転換にはなるかと……」
そういうと、私にカップを持たせて素早く離れた。私の過去を石丸さんから聞いていて、気を使ってくれているのかもしれない。礼を言うと、彼女はにっこりと微笑んでくれた。私より十歳ほど上だろうか、彼女は優しそうな眼をしていて、石丸さんや史弥さんのような鋭さはどこにもなかった。
「あなたも……その……」
言葉を濁した私に、彼女は頷いた。
「ええ、私も吸血鬼よ。こっちの彼も。怖い? 気になるようなら、外に出ていますよ」
いえ、と慌てて首を振った。すると、彼女はやはり優しく微笑んでくれた。その笑顔に、何故か母を思い出していた。母はいつも、優しく微笑んでいた。
二人の警官が、どうじに動いた。座っていた男性は立ち上がり、ドアの方へと歩み寄り、女性も同様にドアへと向かった。男性がドアを開けると、しばらくして石丸さんが姿を見せた。彼の気配を察知したのか、それとも外から石丸さんが話しかけたのかは、私にはわからない。
「片瀬さん、大丈夫?」
珍しく慌てた様子の石丸さんが、私を見るなり口を開いた。両膝を床について私の前で屈みこんで、私の目を覗き込むように見つめた。
「大丈夫です。それより、ごめんなさい。私、史弥さんに……」
石丸さんがひらりと左手を振り、私の話を止めた。首を上げて男性警官を見上げると、彼はすぐにそれに応えた。
「電話をしているのは気づいていました。しかし、途中から彼の誘導に、片瀬さんが反応し始めました。そこでドアを叩いたのですが、断絶しきれませんでした。そこで、ドアを破って突入せざるを得ませんでした。驚かせてしまいましたが、居場所は伝わっていません」
そうか、と石丸さんが呟く。
「私、言っちゃいけないってわかってたのに……頭がぼうっとして……それで……」
言い訳ばかりを並べる自分が情けなくなって、がくりと頭を下げた。そんな私の肩に手を置いてくれたのは、以外にも石丸さんだった。
「いや、君のせいじゃない。まさか史弥が、そんな強硬策にでるとは……俺が甘かった」
「強硬策って…?」
説明を求めた私に、石丸さんが渋い顔をする。
「我々吸血鬼にはね、特殊能力が備わっている場合が多いんだ」
「特殊能力?」
突拍子もない話に、思わず笑ってしまう。しかし、この部屋で笑っているのはただ一人、私だけだ。
「そう。信じられないかもしれないけれど、吸血鬼の存在を知る君なら、そう疑うこともなく受け入れられるはずだよ。俺と、香川にも、史弥と同じ能力がある」
そう言いながら彼は、親指で大柄の男性を指した。香川と呼ばれた男性は、小さく頷く。
「その能力はね、所謂催眠術と呼ばれるものに極めて近い。つまり、他人を意のままに操ることが出来る。さっきの様子を聞く限り、史弥が電話越しに君に催眠を掛けたとみて間違いない」
聞きたいことがありすぎて無言になる私の様子を気遣いながら、石丸さんが続ける。
「電話越しですら催眠が効くなんて、未だかつて聞いたことがない。史弥の力がどれほど強いのか……それとも、相手が君だからなのか……」
なんとなく、彼の言いたいことがわかるような気がした。史弥さんの声を聞きたいと願っていた。そうでなくても、私にとって彼の声は温かい毛布のように優しく包んでくれるものなのだ。そんな私に催眠をかけるのは、息をするより簡単なことだろう。
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