112 / 123
110話
「あ、フィーネ」
リアムは、フィーネの存在が把握出来たのか名を呼んだ。
「もしかして、ずっとここにいたのか?」
リアムは、フィーネに対して不思議に思うことがあるのか質問した。
やっぱり、フィーネの姿が見えるようになったんだ。フィーネが見えるようにしたんだね。
「ティアナも眠っていたし、ずっとステラに付いていた」
「やっぱりか、なんか気配を感じると思ったんだ」
フィーネは、驚いた様子であった。
(気配か…見つからないと思っていたが、感じられてしまうとわな。察知能力が優れているのか)
「え?ずっと?」
「あぁ、神器にはもう戻れないからな。壊れそうだし。中に入っている状態で壊れてしまうと、一生出てこれないからな。」
少し、フィーネが悲しい表情になったことに気がついた。
「一生出てこれないの?」
「消滅すらからな」
「そんな…じゃあ今お家がない状態ってこと?」
「あぁ、このままでもいいが、少し落ち着かないな」
それは、本当に可哀想。私のことを何もかも手伝ってくれて助けようとしてくれたのに、代償としてフィーネの家がなくなったのは申し訳ない。なんとしてでも、探さないと。
「ごめん、責任もって宝石探す。どうにかして手に入れるから」
「でもそう簡単には見つからない、形とか大きさ、種類があるからね。気持ちだけでも嬉しい」
「それは、申し訳ないよ。高価な宝石とかだったら、神器が置かれていた宝物庫にもあるよ。それは、ダメなの?」
「うーん、それはちょっと難しいかな。なんて言うんだろう、神聖力が感じられる宝石じゃないと入るのは厳しいんだ」
「…そうなんだ、どうすればいいんだろう。街に行っても高価なものはあっても、神聖力が感じられるものは多分ないよね。あるとしたら、神殿か」
神殿は、正直厳しいな。絶対に手放そうとはしないはずだし。どうしよう。
「…オークションならいいんじゃないか?」
「オークション?確かに、それなら良い宝石がありそう」
「だよな、俺が連れて行ってやるよ。でも、ただのオークションじゃないから絶対に俺から離れるなよ」
ただのオークションじゃないって言うと、もしかして、「闇オークション!?」それって、ロマファンとかによく出てくるやつだけど、まさか本当に存在しているなんて。
「ティアナ知ってるの?行ったことあったりして」
「ないないない、リアムの方が行ったことあるでしょ」
私は、右手を左右に振りながら一度も行ったことないことを強調した。
「ひみつー」
リアムは、楽しそうに言った。隠す様子ないよね、もはや。
この感じ、絶対1回は行ってる。お父様とかにバレたら注意だけじゃ済まないよ。絶対、謹慎になる。
「まぁ、でも確かにフィーネが入れそうな宝石があるかもしれない!」
「我もそのオークションについて行く。危険なら、ついて行かない理由などない」
「私も、直接目で確かめたいから行くね」
「ふたりが着いてくるのは、本当に頼もしいよ!ありがとう!」
「確かになんの心配も無くなったな、あとはこっそり外に出られるかどうかだ」
リアムは右手で首を触り、思考を凝らしていた。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。
なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。
普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。
それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。
そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。