公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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110話


  「あ、フィーネ」

  リアムは、フィーネの存在が把握出来たのか名を呼んだ。

 「もしかして、ずっとここにいたのか?」

 リアムは、フィーネに対して不思議に思うことがあるのか質問した。

  やっぱり、フィーネの姿が見えるようになったんだ。フィーネが見えるようにしたんだね。

  「ティアナも眠っていたし、ずっとステラに付いていた」

  「やっぱりか、なんか気配を感じると思ったんだ」

 フィーネは、驚いた様子であった。
 (気配か…見つからないと思っていたが、感じられてしまうとわな。察知能力が優れているのか)

  「え?ずっと?」

  「あぁ、神器にはもう戻れないからな。壊れそうだし。中に入っている状態で壊れてしまうと、一生出てこれないからな。」

  少し、フィーネが悲しい表情になったことに気がついた。

  「一生出てこれないの?」

 「消滅すらからな」

  「そんな…じゃあ今お家がない状態ってこと?」

  「あぁ、このままでもいいが、少し落ち着かないな」

 それは、本当に可哀想。私のことを何もかも手伝ってくれて助けようとしてくれたのに、代償としてフィーネの家がなくなったのは申し訳ない。なんとしてでも、探さないと。

  「ごめん、責任もって宝石探す。どうにかして手に入れるから」

  「でもそう簡単には見つからない、形とか大きさ、種類があるからね。気持ちだけでも嬉しい」

  「それは、申し訳ないよ。高価な宝石とかだったら、神器が置かれていた宝物庫にもあるよ。それは、ダメなの?」

  「うーん、それはちょっと難しいかな。なんて言うんだろう、神聖力が感じられる宝石じゃないと入るのは厳しいんだ」

  「…そうなんだ、どうすればいいんだろう。街に行っても高価なものはあっても、神聖力が感じられるものは多分ないよね。あるとしたら、神殿か」

 神殿は、正直厳しいな。絶対に手放そうとはしないはずだし。どうしよう。

   「…オークションならいいんじゃないか?」

  「オークション?確かに、それなら良い宝石がありそう」

  「だよな、俺が連れて行ってやるよ。でも、ただのオークションじゃないから絶対に俺から離れるなよ」

 ただのオークションじゃないって言うと、もしかして、「闇オークション!?」それって、ロマファンとかによく出てくるやつだけど、まさか本当に存在しているなんて。

  「ティアナ知ってるの?行ったことあったりして」

  「ないないない、リアムの方が行ったことあるでしょ」

 私は、右手を左右に振りながら一度も行ったことないことを強調した。

  「ひみつー」

  リアムは、楽しそうに言った。隠す様子ないよね、もはや。

 この感じ、絶対1回は行ってる。お父様とかにバレたら注意だけじゃ済まないよ。絶対、謹慎になる。

  「まぁ、でも確かにフィーネが入れそうな宝石があるかもしれない!」

  「我もそのオークションについて行く。危険なら、ついて行かない理由などない」

  「私も、直接目で確かめたいから行くね」

  「ふたりが着いてくるのは、本当に頼もしいよ!ありがとう!」

  「確かになんの心配も無くなったな、あとはこっそり外に出られるかどうかだ」

 リアムは右手で首を触り、思考を凝らしていた。
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