公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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112話

   あれから、誰にもバレないように自分の部屋にたどり着くことが出来た。もちろん、お父様も会議が長引いたらしく、私がくつろいでいる時に部屋に戻ってきた。

  ヴァイスも一緒に部屋に来たが、お父様の仕事の書類を何やら大量に持ってきた。お父様はというと、紙ひとつ持たずに全てヴァイスに運ばせている。  

  あの書類、本当はお父様の書斎にあったものだろう。お父様が、こっちで仕事するなんて言うから、元々あったものをこっちに運ぶことになったんだよね。

ヴァイス頑張れ!

  そこから、いつもの日常を過ごした。夜になり、公爵も自室で眠る為、戻って行った。


「お嬢様、おやすみなさい。良い夢を__」

 「おやすみなさい、マリアナ」

マリアナは毎日の日課で、私がいい夢を見られるように頭を撫でてくれる。お母さんみたいに。私も、マリアナがいい夢を見られるように、願っている。

  私が寝る体勢に入ると、マリアナは隣の侍女の部屋に向かう。使用人寮とは違い、マリアナ、ローズ、ルーシーなどの侍女は、主人の呼び出しにすぐに応えられるよう、部屋が隣になっている。

  「…ねぇ」

  「なんだ」

  マリアナが出ていった事を確認すると、私は体を起こし傍で寝ようとしている、ある者に声を掛けた。

   「ステラさん、なんでここで寝ようとしてるのかな?」

  ステラは、子犬のような小さな体になり、私のベッドで一緒に寝ようとしている。別に部屋がない訳では無い。あの後、私の契約獣だということで、広めの部屋が与えられた。

  だが、基本部屋にいることはないそうだ。今も、私の隣で寝ようとしている。ひとりでゆっくり眠るのが好きなんだけどな。

   「こんなに、かっこいい我が隣にいるんだ。ティアナにとってもいいことだぞ」

   「はいはい、まぁ小さくなってくれるのはいいけどね」

 つまり、このわんちゃんは私と一緒にいたいのかな。可愛いヤツめ。仕方ない、私が譲歩してあげよう。

   「あとフィーネに聞きたいことがあるんだけど、私の体に魔力が流れてるっぽいんだけど、フィーネがやったの?」

フィーネも同様に、私のベッドでしれっと寝る体勢を取っている。ちょっとベッドが狭い。眠そうな声を出しながらフィーネは言った。

   「魔力…あぁ…魔力」

フィーネは、眠そうな声でボソボソと呟いているが、全く意味のない返答しか帰ってこない。
 
    「フィーネ。今答えないと、ベッドから突き落とすわよ」

私は、ジリジリと全身を使ってフィーネを横にずらし
落とそうとした。

   「落とすなぁ」

   「早く応えて、私ももう眠いから。でも、気になって眠れないよ」

  「ふわぁ、ティアナの中に魔力の塊が出来てたから溶かしただけだ」

フィーネは、あくびをしながら超人でないと出来ない事をサラリと言った。やっぱり、私に魔力が流れてるのはフィーネのおかげなんだ。もしかして、リエルが宿してくれたりしたのかな。転生者特典とお詫びとして。だとしたら、リエルへの見る目が変わるよ。

  ヘックション__

  どこかで、くしゃみをする音が聞こえたかもしれない。

   「私、魔法が使えるんだ」

   「…練習すればだがな」

   「我と、フィーネが魔法の使い方を教えてやろう。魔力量が膨大だから、最強の魔術師になるかもな」

   「本当!?ありがとう!ステラ、フィーネ!」
 
 最強の魔術師か。魔法が使える世界で、魔法は使ってみたいと思ってた。ロマファンの主人公みたいに私にも才能があるのかな!

本当に楽しみになってきた。オークションが終わってひと段落着いたら、2人に特訓してもらおう!

 2人はティアナより先に眠りについた。
ティアナは、ワクワクした気持ちのまま眠りについた。


   
 
  
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