機械仕掛けの無能力者

angelica

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第3話 黒色の腕

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「行くぞ!」
 掛け声とともに利雄は走り出した。
 そのに葉月の《バレット》が放たれる。葉月は1発目の《バレット》を大きさを重視して囮として放出し、2発目を魔力を濃縮しスピード重視にして放った。
 1発目が着弾し土煙で煙幕のようになり、2発目をあらかじめ利雄を誘導した場所へと着弾した。
 「あっけなかったわね」
 勝利を確信した葉月は呆れた顔をしていた。
 「それはどうかな」
 背後から声。
 咄嗟に触媒を声の方に向けるが誰もいない。
 「こっちだよ!天城流壱の型  朱雀!」
 技名と共に葉月の背後から利雄の渾身の右ストレートが炸裂する。
 葉月の魔法障壁とぶつかり合う。バチバチと火花が散り、またもや葉月の障壁にヒビを入れた。
「どうやってあの攻撃を回避したの!耐えれたるのは分かるけど無傷で助かり、なおかつ私の背後に回るなんてありえない!」
「それは企業秘密で」
  葉月が悔しさのあまり地団駄を踏む。きっとエンプティと馬鹿にしていたやつに完璧だと思った攻撃を回避され、背後を取られ、魔法障壁を2度もヒビを入れられれば頭にくるだろう。
「1発よ、私のできる最大の魔法であなたを消し飛ばしてあげる。加減が難しいから直撃したら大怪我だけじゃ済まないからね!」
  葉月はそう言うと詠唱を始めた。
「汝、我が問いに答えてよ  おおいなる力を持って  龍をも屠る  炎火をもたらせ!」
  そしてその詠唱とともに集められた魔法は大地を揺らし、彼女の周りの小石が重量に逆らって浮き始めた。そして、最後にその魔法の名を告げた.......
「炎解撃蘭華《カラミティ・アルバトラム》」
  その魔法は決闘場のほとんどを飲み込み結界のうち1枚を破った。
  そして、その大きな大きな1輪の炎の花は全てを焼き尽くした。
 「はぁはぁはぁ、どんなもんよ.......」
 汗を拭いながら呟いた。
 「紗夜先輩、勝敗は着きましたよ」
 「いいえ.......まだよ」
 紗夜がそう葉月に伝えた時真正面の土煙の中から1人の男がこちらを見ながら手を片手を地面に着け、低い姿勢をとっていた。
 「きいたよ、葉月の魔法はマジで凄いな、俺も本気でやらしてもらうよ」
  そう言うと利雄の黒色の腕が変形。肩からは排出口のようなものが出て、前腕からも排出口のようなものが2つ出ていた。
「いくぞ!」
「来なさい!全力で受け止めてあげる!」
  葉月は魔法障壁に魔力を注ぎ込んだ。先の障壁よりも明らかに魔力の質が違う。
 利雄の黒色の腕の排出口からは魔力が放出された。放出された魔力の推進力により大加速。魔法障壁までの距離はおよそ20メートルほどあったのにも関わらず1秒も掛からずにたどり着いた。
「天城流奥義四番 雷鳥!」
 そして、黒色の腕ととてつもない魔力の魔法障壁がぶつかり合い、轟音。まるで雷が落ちたかのような音がはしった。
魔法障壁とぶつかり合うがヒビすら入らない。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 利雄の雄叫びと共に更に魔力を放出。
 すると、障壁にヒビが入りみるみるうちに広がっていく。
 「いっけぇぇぇぇぇ!!!!」
 ヒビが障壁全体に広がると砕けた。その勢いのまま葉月の顔の澄んでのところまで行き、目の前で拳は急停止した。
 爆風。
 何が起きたか分からないような顔をしながら葉月は膝から崩れていった。
 「ほら」
 利雄は優しく葉月に手を伸ばす。
 「情けのつもり?」
 葉月は手を取る前に利雄に問う。
 「これは情けじゃない、女の子の顔面に全力パンチができないだけだよ」
 利雄は笑いながら言った。
 「馬鹿じゃないの、戦いじゃ女もいるのに」
 葉月は利雄の手を取り立ち上がりながら言った。
「それはその時に考えるよ」
「ほんとに馬鹿だね」
 そう言いながら2人は笑いあった。
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