機械仕掛けの無能力者

angelica

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第4話 入学式

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 葉月は利雄との決闘の後、シャワーを浴びていた。
 シャワーに当たって疲れをとっている間、利雄との戦いのことを考えていた。
 私の2発の《バレット》をかわして背後に回り込み、私が振り向くよりも速くまた背後に回り込み攻撃を放ったのか。
他にも利雄が戦闘中に叫んでいた「天城流」とは何なのか。そして、あの黒い腕のこと。
 はっとして気がつくとシャワーを浴びていることを忘れながら利雄の事ばかり考えていた。
「やはり利雄さんは強かったですね」
 いきなり背後から声がして驚いた。
「紗夜先輩でしたか、驚かせないでください。確かに私は彼の力を侮っていました。」
葉月は自らの勘違いに腹をたたて強く拳を握った。
「彼の力を否定せずにもっといい勝負になったと思います。この戦いは私の完敗でした。」
 葉月は素直に負けを認めた。
「そうだね、葉月ちゃんはちょっと利雄くんのことを見くびりすぎていたかもね。私も利雄くんの力を見るのは初めてだったけどすごかったわね。でも!そんなに落ち込まないの!葉月もよくやったよ!」
 そう言いながら紗夜は葉月の控えめな胸を揉みしだいた。
「あっ…ちょっ、先輩!辞めてください!はぁぁん…」
「ほれほれほれほれー、いつまでも落ち込んでると葉月のちっぱいと揉んじゃうよ~」
「もう揉んでるじゃないですかー!あとちっぱいじゃないです!んっ、んんっ」
 これは先輩なりの励ましなのだろうと葉月は甘い声を出しながら思った。
 それから5分程その状態だった。



 利雄はシャワーを終え、まだ人工皮膚を魔力で再現していない黒い腕を眺めていた。この腕を見ているといつもあの少女のことを思い出す……
 しばらく眺めていたら、いきなりドアをノックする音がしたので返事をする前に頭の中で腕に人工皮膚を魔力で再現するように念じる。すると、まるで本物のような人工皮膚が黒色の腕を覆った。
「どうぞ」
 ドアをノックして入ってきたのは紗夜と葉月だった。
「ほら、葉月ちゃん」
 紗夜は葉月に何かを言うように言った。
「その…さっきは、エンプティとか3流とか言ってその…ごめん…」
 葉月は下を向きながら、とても恥ずかしそうに利雄にそう言った。
「別に気にしてないから大丈夫だよ、言われ慣れてるからな」
 気にしていないわけではなかったが素直に謝ってくれたのでこれ以上責める必要はないと思ったのでそう言った。
「あの…だからその…ここまで言って負けたんだから何かあなたのためにさせて欲しいの、」
 頬をピンクに染めながら言った。
「葉月ちゃんは利雄くんのことをあそこまで言って負けたから何か罰っていうか何かしたいって思ってるの」
 紗夜が葉月の言葉に付け加えた。その間も葉月は下向いたり利雄の顔を交互に見ながらもじもじしていた。
(いや、何かって言われてもなぁ)
 その言葉に少し戸惑った。確かに馬鹿にされて腹はたったがそのまで根に持つようなことではなかったのでこの話は葉月の謝罪で終わりだと思っていた。
「んー、それなら後で飯を奢るってのはどうだ?」
「え?そんなことでいいの?」
「おう、それでこの話はお終いにしよう」
「あ!私もご飯食べいきたい!」
 葉月は本当にそんなことでいいかと思ったらしく目を丸くした。こんな美少女とご飯を食べに行けるだけでも十分なのになと思った。
 ふと、スマホの液晶を見た。そこには11時50分という数字が映し出されていた。
「やばい!入学式に遅れるぞ!あと10分で始まっちまうぞ!」
「え!嘘!急がなきゃ」
「じゃー、入学式終わったらご飯行きましょー!何食べるー?私はハンバーグがいいなー」
 2人は焦って荷物を片付けているにもかかわらず、約1名、呑気に夜の食事のことを考えていたのだった。



入学式が始まった。今年は約500人の普通科の生徒と約30人の特別魔導科の生徒、合計530人もの生徒が入学した。
 特別魔導科とは、入学者の中から特に成績のよい30人の生徒が集めれたクラスで、そのなかに推薦入学者も含まれている。
 「こんにちは、まずは入学おめでとう。この学院に入学できたことは素晴らしいことだ。誇りに思うといい。私はこの学院の理事長を務めている城ヶ崎 辰巳という。君たちにはこの学院で6年間魔導について学んでもらう。入学できたからと言って努力を惜しまずに精一杯勉学に励み、自分を磨くといい。」
 高身長で顔の整った白髪の理事長が短い挨拶でその場から立ち去った。
「皆さんこんにちは、そして入学おめでとうございます。私は生徒会長の千寿 美琴と言います。先程理事長が言っていたようにこの学院に入学できたことは誇りにしていいでしょう。ですが、そればかりに満足してしまうのではなく更なる高みを目指して同年代の仲間や先輩、教師の方々と共に自分を磨き上げていきましょう。それではこの学院について説明をし_______________」
  生徒会長がそう言うと先程とは打って変わってみんなが活気で溢れて言った。
 その話の間利雄は違うことを考えていた。この学院には序列制度があり序列上位者には色々な特権が与えられ、将来にも影響してくる。今、前で話をしている生徒会長、千寿美琴はこの学院の序列1位である。
 利雄にはやることがあった。それはこの学院で序列上位者になり、自分の妹の呪いを解くための方法を探すことである。
 そのためには手段は選ぶつもりはないと考えていた。
 殺意の籠った赤く光った瞳は彼の信念をものがたっていた…
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