2 / 59
序章 始まりの町
第2話 到着
しおりを挟む
「わかりました。では、やらせてもらいますね。」
アルトは魔力で出来た工具を空中に浮かべる。その工具を使い、あっと言う間に魔導騎馬を分解する。
手早く以前触った魔導騎馬のパーツと見比べてどこに問題があるのか探る。数百あるパーツをものすごいスピードで見ていき、ついに故障の原因になったパーツを見つけた。
右前脚の付け根部分の可動部に付与魔法が付けられているのだから、その付与の炎の割合が高すぎたため金属の膨張が設計時よりも大きくなってしまったため部品が割れてしまったのだ。
アルトは手早く同じ形の部品をストックしていた鉄で作り、付与魔法を正しく付与し直して組み立てた。ついでに他の部分の付与魔法もより最適な割合に変え、しっかりと組み立てた。
形は故障前と一切変わらないまま、スペックは少し上がっている。一応のためにアルトは直したばかりの魔導騎馬を起動して乗ってみる。
試しに走らせてみたが、特に異常は見当たらなかったため、御者と令嬢に修理が完了したことを伝える。
「すいません、少し時間がかかってしまいましたが、修理完了しました。」
「もう終わったのか?!まだ初めてから10分も立ってないぞ!?」
「はい。ちゃんと動作チェックも済ませてあるので今すぐ使って頂いても問題ないですよ。」
御者は驚きながらもしっかりと立っている魔導騎馬をみてアルトを信じたのか、魔導騎馬を馬車に繋ぎ始めた。
「君のようなとても腕のいい魔道具師に出会えて本当に幸運だった。ありがとう。」
御者は馬に跨りながらアルトに礼を言った。
「旅の魔道具師の方、本当にありがとうございました。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「アルト・ロゼンタールです。」
「アルト様、この御恩は必ず返させていただきます。何か困ったことがあれば、アクマリンの町にあるバースデー邸にいらっしゃってください。では、失礼いたします。」
そうして馬車はアクマリンに向かって走っていった。さっきの速度の三割り増しで。
~~~~~
「先程の魔道具師、かなりの技術をお持ちでしたが、私めは彼のことを知らなかったのですがお嬢様はご存知でしたか?」
「いいえ、私も名前すら聞いたことはありませんでしたわ。魔導騎馬をたったの10分で直してしまうほどの魔道具師なんて世界中を探しても見つからないでしょうに。」
「彼のことはどうなさいますか?」
「もちろんあの技術力を死なせてしまうのは惜しいでしょうし、それは世界にとっても大きな損失です。お父様にお願いして彼に最大限の援助をしますわ。」
「私もその方がよろしいかと思います。私の方でも彼のことを探ってみます。何かわかればすぐにお知らせします。」
「お願いします。でも、あまり無理はしないでくださいね。」
アルトの知らないところで貴族との繋がりが出来上がるのだった。
~~~~~~
貴族の魔導騎馬を修理してから約20分程歩いたところで、アルトはアクマリンの町に到着した。
町に着いた頃には、もうすでに太陽も落ちかけており、町も酒を飲む人たちでごった返していた。
流石に今から冒険者ギルドに行って冒険者登録するのは厳しいので、また明日にしようと思う。
とりあえず宿を取って荷物を置いてくる。軽く食事も取って、そのまま商店街に向かう。この街は王国最大の冒険者たちの町であり、売ってある商品は冒険者が依頼の際に必要になるものや、戦闘時に使う武器や魔道具、ポーションなどが多い。
特に魔道具は戦闘用のものが7割を占め、アルトにとっても魔道具といえば戦闘用のものが一番馴染み深い。
しかし、今までゴミ捨て場にあるようなものを漁って直して使ったり、自分で素材を集めて自作していたので全くと言って良いほど相場を知らない。
今日は戦闘用の魔道具の相場を知るのが目的である。今後自分の店を持つことになったときにも十分役に立つだろう。
ということで一番最初にやってきたのは、この町1番の魔道具店だった。
この店では、あらかじめ作ってある既製品と、一から希望を聞いて作る特注品をの両方を取り扱っていた。
ある程度回っていると、魔道具にも区分があることがわかった。魔道具は質によって六つに分けられる。
E級:計測値1~99までの魔道具
D級:計測値100~199までの魔道具
C級:計測値200~299までの魔道具
B級:計測値300~499までの魔道具
A級:計測値500~999までの魔道具
S級:計測値1000~の魔道具
この計測値というのが、魔道具に充填できる魔力の限界値であり、より精密かつ丈夫に作られた魔道具であるほど限界値が高くなる。
簡単な照明の魔道具程度のものなら、どれほどレベルの高い魔道具師が作ったとしてもD級が限度である。
逆に、戦闘用の魔道具の一つである属性を変化させられる剣、いわゆる人工魔剣にははっきりと差が生まれ、E級からS級まで存在する。
この店では一番高いものでもB級のものまでしか取り扱っておらず、その値段はおよそ三百万ケルーだった。銅貨換算でおよそ三十万枚もの値段であった。
B級の魔道具でそんなにするとは全く思っていなかったので、アルトは少しばかり驚いた。何かの間違いかもしれないと思い、他の店も回って見たのだが、やはりどの店もそのくらいの値段設定であった。
アルトは自分の思っている魔道具の価値と世間一般の魔道具の価値に大きなギャップがあることを知れて満足し、そのまま宿に戻っていくのであった。
アルトは魔力で出来た工具を空中に浮かべる。その工具を使い、あっと言う間に魔導騎馬を分解する。
手早く以前触った魔導騎馬のパーツと見比べてどこに問題があるのか探る。数百あるパーツをものすごいスピードで見ていき、ついに故障の原因になったパーツを見つけた。
右前脚の付け根部分の可動部に付与魔法が付けられているのだから、その付与の炎の割合が高すぎたため金属の膨張が設計時よりも大きくなってしまったため部品が割れてしまったのだ。
アルトは手早く同じ形の部品をストックしていた鉄で作り、付与魔法を正しく付与し直して組み立てた。ついでに他の部分の付与魔法もより最適な割合に変え、しっかりと組み立てた。
形は故障前と一切変わらないまま、スペックは少し上がっている。一応のためにアルトは直したばかりの魔導騎馬を起動して乗ってみる。
試しに走らせてみたが、特に異常は見当たらなかったため、御者と令嬢に修理が完了したことを伝える。
「すいません、少し時間がかかってしまいましたが、修理完了しました。」
「もう終わったのか?!まだ初めてから10分も立ってないぞ!?」
「はい。ちゃんと動作チェックも済ませてあるので今すぐ使って頂いても問題ないですよ。」
御者は驚きながらもしっかりと立っている魔導騎馬をみてアルトを信じたのか、魔導騎馬を馬車に繋ぎ始めた。
「君のようなとても腕のいい魔道具師に出会えて本当に幸運だった。ありがとう。」
御者は馬に跨りながらアルトに礼を言った。
「旅の魔道具師の方、本当にありがとうございました。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「アルト・ロゼンタールです。」
「アルト様、この御恩は必ず返させていただきます。何か困ったことがあれば、アクマリンの町にあるバースデー邸にいらっしゃってください。では、失礼いたします。」
そうして馬車はアクマリンに向かって走っていった。さっきの速度の三割り増しで。
~~~~~
「先程の魔道具師、かなりの技術をお持ちでしたが、私めは彼のことを知らなかったのですがお嬢様はご存知でしたか?」
「いいえ、私も名前すら聞いたことはありませんでしたわ。魔導騎馬をたったの10分で直してしまうほどの魔道具師なんて世界中を探しても見つからないでしょうに。」
「彼のことはどうなさいますか?」
「もちろんあの技術力を死なせてしまうのは惜しいでしょうし、それは世界にとっても大きな損失です。お父様にお願いして彼に最大限の援助をしますわ。」
「私もその方がよろしいかと思います。私の方でも彼のことを探ってみます。何かわかればすぐにお知らせします。」
「お願いします。でも、あまり無理はしないでくださいね。」
アルトの知らないところで貴族との繋がりが出来上がるのだった。
~~~~~~
貴族の魔導騎馬を修理してから約20分程歩いたところで、アルトはアクマリンの町に到着した。
町に着いた頃には、もうすでに太陽も落ちかけており、町も酒を飲む人たちでごった返していた。
流石に今から冒険者ギルドに行って冒険者登録するのは厳しいので、また明日にしようと思う。
とりあえず宿を取って荷物を置いてくる。軽く食事も取って、そのまま商店街に向かう。この街は王国最大の冒険者たちの町であり、売ってある商品は冒険者が依頼の際に必要になるものや、戦闘時に使う武器や魔道具、ポーションなどが多い。
特に魔道具は戦闘用のものが7割を占め、アルトにとっても魔道具といえば戦闘用のものが一番馴染み深い。
しかし、今までゴミ捨て場にあるようなものを漁って直して使ったり、自分で素材を集めて自作していたので全くと言って良いほど相場を知らない。
今日は戦闘用の魔道具の相場を知るのが目的である。今後自分の店を持つことになったときにも十分役に立つだろう。
ということで一番最初にやってきたのは、この町1番の魔道具店だった。
この店では、あらかじめ作ってある既製品と、一から希望を聞いて作る特注品をの両方を取り扱っていた。
ある程度回っていると、魔道具にも区分があることがわかった。魔道具は質によって六つに分けられる。
E級:計測値1~99までの魔道具
D級:計測値100~199までの魔道具
C級:計測値200~299までの魔道具
B級:計測値300~499までの魔道具
A級:計測値500~999までの魔道具
S級:計測値1000~の魔道具
この計測値というのが、魔道具に充填できる魔力の限界値であり、より精密かつ丈夫に作られた魔道具であるほど限界値が高くなる。
簡単な照明の魔道具程度のものなら、どれほどレベルの高い魔道具師が作ったとしてもD級が限度である。
逆に、戦闘用の魔道具の一つである属性を変化させられる剣、いわゆる人工魔剣にははっきりと差が生まれ、E級からS級まで存在する。
この店では一番高いものでもB級のものまでしか取り扱っておらず、その値段はおよそ三百万ケルーだった。銅貨換算でおよそ三十万枚もの値段であった。
B級の魔道具でそんなにするとは全く思っていなかったので、アルトは少しばかり驚いた。何かの間違いかもしれないと思い、他の店も回って見たのだが、やはりどの店もそのくらいの値段設定であった。
アルトは自分の思っている魔道具の価値と世間一般の魔道具の価値に大きなギャップがあることを知れて満足し、そのまま宿に戻っていくのであった。
0
あなたにおすすめの小説
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて
碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。
美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。
第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる