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第四章 魔術大学編
第59話 学術都市
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宿に帰った俺は、カンケレスさんが食事に呼びに来るまで部屋でイリスと他愛のない話をしていた。
「それにしても、明るいところで見ると、その切子というガラス細工はきれいですね。」
俺は俺の分に青い切子を、イリスの分に赤い切子を買った。イリスの分を渡すと、店で見ていたときとは全く違う、アクセサリーをもらったときの女性のように目を輝かせながら切子を眺めていた。
確かに明るい部屋の中で改めて切子を見てみると、切子の色ガラスと透きガラスを通った光が現像的な光を放っていた。自分で気に入って買ったものなのだが、初めておしゃれなものを買った気がする。
「それにしても、よく見つけましたよね。」
「それに関してはラッキーだったとしか言いようがないかな。たまたま店の奥できれいに光ってる切子が目に入って、釣られるまま入っただけだから。でも、かなりいい買い物だたと思う。」
「そうですね。きれいな食器で食事を摂ると、より美味しく感じますからね。」
そんなことを話しながら切子を眺めていると、カンケレスさんが部屋をノックして入ってきた。
「王都はどうでしたか?」
「それはもう目新しいものばっかりで、楽しかったです。」
俺はそう答えながら、さっき買ったばっかりの切子をカンケレスさんに見せる。
「カンケレスさんはこれ見たことありますか?」
「はて、とてもきれいなガラス細工ですが…見たことはないですね。」
どうやらカンケレスさんも知らないようだ。どうやら若い店主が言っていたことは本当らしい。
「これ、切子って言うそうで、王都の少し寂れた店で売られてたんです。一個一個が高価なんですけど、とてもきれいで買ってきちゃったんですよ。」
俺はわざとらしく切子を見せながら話した。なんとなく察したと思うが、俺の考えは複数の店を持つカンケレスさんにこの切子を認知してもらい、あわよくば宿屋や飲食店で使ってもらえるように使用というものだ。
「なるほど、そんな店があったとは知りませんでした。その店の場所を教えていただいてもいいですか?」
俺はなんとなく近くにあった店を思い出して、その店の場所を伝えた。
「ありがとうございます。またあしたにでもその店に使いをやって何個か発注してみようと思います。」
どうやらカンケレスさんも切子を気に入ったのか、即決で発注することを決めた。思っていたよりも早かったのでちょっとびっくりしてしまった。
「商人というのは素早く売れそうなものとそうではないものを見極めて、売れそうなものであればすぐに手をつけないと他の商人に取られてしまいますからね。スピード命なんですよ。」
そういったカンケレスさんは、俺たちを食堂に送ったあと、すぐに裏へといってしまった。おそらく従業員に明日の朝市に行くようにでも行っているのであろう。
ちなみに、カンケレスさんの宿屋で出された食事はそれはもうほっぺたが落ちるどころかぶっ飛ぶくらい美味しかった。
シンプルな鶏肉のステーキや少し手間のかかっていそうなスイーツ、その他の付け合せなど、完璧と言っても過言ではないレベルの夕食に、少し感動を覚えてしまうほどだった。
美味しい夕食に舌鼓を打ったあとは、軽く風呂に入り、ベッドに入ることにした。明日は魔術大学に出向く予定だったので、あまりコンディションを悪くしたくなかったのだ。
イリスは普段からものすごく寝るのが早かったので、もうすでにすやすやと寝息を立てて寝ていた。
一応俺も男なので、少しくらいは警戒してほしいものなのだが、以前そんなことを行ったときには、「フェディはそんなことをするような男の子じゃないですよ」と言われてしまった。
まぁ、たしかに自分のパーティーメンバーに手を出すほど俺は汚れていないし、何よりこの体はまだ16歳で、成人もまだギリギリしていないのだ。
そんな歳でもう子供ができましたなんて洒落にもならないし、何より忙しいときにそんなことをしている余裕もないので、彼女の言い分は何も間違っていなかった。
それでも、少しくらいは警戒してほしいと思うのだが…。
そんなことを思っているうちに、俺の枕元にも眠りの妖精が舞い降りてきたのだった。
~~~~~~~
翌朝、俺は少し早めに目をさますと、顔を洗って歯を磨いて、持っている服の中で一番清掃に見えるローブを纏った。
イリスも目を覚まして着替えている。イリスは特におしゃれをするでもなく、無難な服を着ていた。
「おや、もう出発されるんですか?」
「うん、魔術大学までは歩いていくし、もし迷ってもあまり遅くはならないようにね。」
「そうですか、それでは、気をつけていってらっしゃいませ。」
カンケレスさんは従業員と一緒に俺たちを見送ってくれた。カンケレスさんの後ろではミューレンもブンブンと腕を振っていた。
「それにしてもミューレンちゃんはかわいかったですね。」
「そうだね。」
イリスはミューレンを風呂に入っている間ずっと愛でていた。ミューレンもずっと撫でれらていたので少し嫌がっているのかと思いきや、気持ちよさそうに頭をなでさせていた。
カンケレスさんに聞いたところ、ミューレンは狐人族の亜人であり、人間の姿をしていても、狐と同じようじように撫でられることが好きで、人懐っこい性格だそうだ。そのほかにも狐人族には特徴はあるのだが、俺はイリスに撫でられてきもちよさそうにしているミューレンを眺めながら話半分に聞いていたのであまりよく覚えていない。
「まぁ、王都でしばらく暮らすことになるから、また会いに行けばいいよ。」
俺は名残惜しそうにしているイリスに言葉をかけて魔術大学へと向かった。
魔術大学までの道はカンケレスさんが王都の地図に赤い線を引いて渡してくれていたので、特に迷うことはなかった。しかし、魔術大学の近くになるにつれて、同じ王都の中でも西部の商業エリアとは全く違う町並みになっていた。
西部の商業エリアをいろいろな店が雑多に広がった活気の溢れる町とするなら、北部の魔術大学など多くの学校が集まっているエリアは魔道具店や文房具店、書店などの学問に関連した店が多く広がっている学術都市といった様子だった。
中にはカフェや大衆食堂のような学生がゆっくり休めるところもあり、息苦しい感じはなく落ち着いて学問に励むことができそうだった。
そんな学術都市の中心部に堂々とそびえたつ巨大な建築物こそが俺が今向かっているロゼンタール魔術大学である。
カンケレスさんに事前に聞いた話だと、多くの大学が血統や権力を重視する中、創設者の意思を創設当時から何ら変わることなく受け継ぎ、あくまでも実力主義で、実力のあるものは優遇され、実力のないものも実力をつけられるようにサポートしてもらえる、模範のような大学ということだった。
そのため、魔術大学の卒業生の中でもかなり高い社会的立場になった人が寄付をしていくうちにこのような学術都市のシンボルになるほどの校舎になったそうだ。
特に貴族からお金を巻き上げているわけでもなく、普通の大学よりも学費が安いため身分に関係なく優秀な人間や憂愁になりたいと望む生徒が国外はもちろん大陸の外からもやってくるそうだ。
俺はそんな立派な大学とは知らなかったため、もしあらかじめ魔術大学について聞いていなかったらとんでもない反応をしていたかもしれない。現に今も、話を聞いていたのにその圧倒的な校舎に気おされているのだ。
そして、今更なのだが、こんな大学で研究室に入って何かを研究しているアメリアは本当に優秀だったんだと改めて思った。
「それにしても、明るいところで見ると、その切子というガラス細工はきれいですね。」
俺は俺の分に青い切子を、イリスの分に赤い切子を買った。イリスの分を渡すと、店で見ていたときとは全く違う、アクセサリーをもらったときの女性のように目を輝かせながら切子を眺めていた。
確かに明るい部屋の中で改めて切子を見てみると、切子の色ガラスと透きガラスを通った光が現像的な光を放っていた。自分で気に入って買ったものなのだが、初めておしゃれなものを買った気がする。
「それにしても、よく見つけましたよね。」
「それに関してはラッキーだったとしか言いようがないかな。たまたま店の奥できれいに光ってる切子が目に入って、釣られるまま入っただけだから。でも、かなりいい買い物だたと思う。」
「そうですね。きれいな食器で食事を摂ると、より美味しく感じますからね。」
そんなことを話しながら切子を眺めていると、カンケレスさんが部屋をノックして入ってきた。
「王都はどうでしたか?」
「それはもう目新しいものばっかりで、楽しかったです。」
俺はそう答えながら、さっき買ったばっかりの切子をカンケレスさんに見せる。
「カンケレスさんはこれ見たことありますか?」
「はて、とてもきれいなガラス細工ですが…見たことはないですね。」
どうやらカンケレスさんも知らないようだ。どうやら若い店主が言っていたことは本当らしい。
「これ、切子って言うそうで、王都の少し寂れた店で売られてたんです。一個一個が高価なんですけど、とてもきれいで買ってきちゃったんですよ。」
俺はわざとらしく切子を見せながら話した。なんとなく察したと思うが、俺の考えは複数の店を持つカンケレスさんにこの切子を認知してもらい、あわよくば宿屋や飲食店で使ってもらえるように使用というものだ。
「なるほど、そんな店があったとは知りませんでした。その店の場所を教えていただいてもいいですか?」
俺はなんとなく近くにあった店を思い出して、その店の場所を伝えた。
「ありがとうございます。またあしたにでもその店に使いをやって何個か発注してみようと思います。」
どうやらカンケレスさんも切子を気に入ったのか、即決で発注することを決めた。思っていたよりも早かったのでちょっとびっくりしてしまった。
「商人というのは素早く売れそうなものとそうではないものを見極めて、売れそうなものであればすぐに手をつけないと他の商人に取られてしまいますからね。スピード命なんですよ。」
そういったカンケレスさんは、俺たちを食堂に送ったあと、すぐに裏へといってしまった。おそらく従業員に明日の朝市に行くようにでも行っているのであろう。
ちなみに、カンケレスさんの宿屋で出された食事はそれはもうほっぺたが落ちるどころかぶっ飛ぶくらい美味しかった。
シンプルな鶏肉のステーキや少し手間のかかっていそうなスイーツ、その他の付け合せなど、完璧と言っても過言ではないレベルの夕食に、少し感動を覚えてしまうほどだった。
美味しい夕食に舌鼓を打ったあとは、軽く風呂に入り、ベッドに入ることにした。明日は魔術大学に出向く予定だったので、あまりコンディションを悪くしたくなかったのだ。
イリスは普段からものすごく寝るのが早かったので、もうすでにすやすやと寝息を立てて寝ていた。
一応俺も男なので、少しくらいは警戒してほしいものなのだが、以前そんなことを行ったときには、「フェディはそんなことをするような男の子じゃないですよ」と言われてしまった。
まぁ、たしかに自分のパーティーメンバーに手を出すほど俺は汚れていないし、何よりこの体はまだ16歳で、成人もまだギリギリしていないのだ。
そんな歳でもう子供ができましたなんて洒落にもならないし、何より忙しいときにそんなことをしている余裕もないので、彼女の言い分は何も間違っていなかった。
それでも、少しくらいは警戒してほしいと思うのだが…。
そんなことを思っているうちに、俺の枕元にも眠りの妖精が舞い降りてきたのだった。
~~~~~~~
翌朝、俺は少し早めに目をさますと、顔を洗って歯を磨いて、持っている服の中で一番清掃に見えるローブを纏った。
イリスも目を覚まして着替えている。イリスは特におしゃれをするでもなく、無難な服を着ていた。
「おや、もう出発されるんですか?」
「うん、魔術大学までは歩いていくし、もし迷ってもあまり遅くはならないようにね。」
「そうですか、それでは、気をつけていってらっしゃいませ。」
カンケレスさんは従業員と一緒に俺たちを見送ってくれた。カンケレスさんの後ろではミューレンもブンブンと腕を振っていた。
「それにしてもミューレンちゃんはかわいかったですね。」
「そうだね。」
イリスはミューレンを風呂に入っている間ずっと愛でていた。ミューレンもずっと撫でれらていたので少し嫌がっているのかと思いきや、気持ちよさそうに頭をなでさせていた。
カンケレスさんに聞いたところ、ミューレンは狐人族の亜人であり、人間の姿をしていても、狐と同じようじように撫でられることが好きで、人懐っこい性格だそうだ。そのほかにも狐人族には特徴はあるのだが、俺はイリスに撫でられてきもちよさそうにしているミューレンを眺めながら話半分に聞いていたのであまりよく覚えていない。
「まぁ、王都でしばらく暮らすことになるから、また会いに行けばいいよ。」
俺は名残惜しそうにしているイリスに言葉をかけて魔術大学へと向かった。
魔術大学までの道はカンケレスさんが王都の地図に赤い線を引いて渡してくれていたので、特に迷うことはなかった。しかし、魔術大学の近くになるにつれて、同じ王都の中でも西部の商業エリアとは全く違う町並みになっていた。
西部の商業エリアをいろいろな店が雑多に広がった活気の溢れる町とするなら、北部の魔術大学など多くの学校が集まっているエリアは魔道具店や文房具店、書店などの学問に関連した店が多く広がっている学術都市といった様子だった。
中にはカフェや大衆食堂のような学生がゆっくり休めるところもあり、息苦しい感じはなく落ち着いて学問に励むことができそうだった。
そんな学術都市の中心部に堂々とそびえたつ巨大な建築物こそが俺が今向かっているロゼンタール魔術大学である。
カンケレスさんに事前に聞いた話だと、多くの大学が血統や権力を重視する中、創設者の意思を創設当時から何ら変わることなく受け継ぎ、あくまでも実力主義で、実力のあるものは優遇され、実力のないものも実力をつけられるようにサポートしてもらえる、模範のような大学ということだった。
そのため、魔術大学の卒業生の中でもかなり高い社会的立場になった人が寄付をしていくうちにこのような学術都市のシンボルになるほどの校舎になったそうだ。
特に貴族からお金を巻き上げているわけでもなく、普通の大学よりも学費が安いため身分に関係なく優秀な人間や憂愁になりたいと望む生徒が国外はもちろん大陸の外からもやってくるそうだ。
俺はそんな立派な大学とは知らなかったため、もしあらかじめ魔術大学について聞いていなかったらとんでもない反応をしていたかもしれない。現に今も、話を聞いていたのにその圧倒的な校舎に気おされているのだ。
そして、今更なのだが、こんな大学で研究室に入って何かを研究しているアメリアは本当に優秀だったんだと改めて思った。
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