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†闇の継承†
様々な欠片
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★☆★☆★
──闇のような黒と、血のような赤を調和させた空間の内部で。
カミュは、魔力によって作り出された頑強な鎖に、その美しい躯を繋がれ、両手を己の頭上で拘束されていた。
それまで、続けざまにヴァルディアスの魔力による責め苦に遭ったのか、着ていた服は、まるで猛獣にでも引き裂かれたかのように乱れ、破れ…
吐く息は荒く、呼吸もままならない程に、苦しげに変化している。
幾筋もの切り傷が付けられた体からは、彼の生命そのものが染み出すかのように、各所に血が滲み、その艶やかな肌を伝わり、流れ出ている。
その、見る者を誘う、形の良い赤い唇の端から流れる、それよりなお…赤い血。
そこには見る者をぞくりとさせ、強く惹きつける、魔の魅力が存在している。
その場には、闇に呑み込まれた絵画にも等しい、見事なまでの美と、赤の調和があった。
…しかしその、いつものカミュであったなら、到底見られることのない乱れた様が、ヴァルディアスの苛虐心に、更に火をつけた。
目の前でカミュの反応を眺めていたヴァルディアスは、掻き立てられる己の心を隠すこともなく、カミュの顔に触れる。
もはや抵抗もままならないのか、カミュはされるがままに、ヴァルディアスの接触を許していた。
「──いい様だな、皇子」
『……』
乱れた銀髪の下から、せめてひと睨みする間にも、ヴァルディアスの手は、頬から顎へと伝い、移動する。
不意に、くっ、と、顎を持ち上げられた。
ヴァルディアスはその端正な顔を、先程よりもなお近付けて呟く。
「…人格が岐れているとは聞いていたが…
こうしていると、まるでただの人間のようだな」
『……』
カミュは一度、伏せ気味に顔を背けると、内心で、人間と比較されて、苛立ちも露に腹も煮えくり返っている主人格に、更に油を注ぐように呟いた。
『例え…血統が…どうあろうと、俺は…魔に属しているとは…思っていない…』
「…、ほう…」
ヴァルディアスは感嘆し、その心境を言葉によって表す。
カミュは先を続けた。
『…そして…例え、魔力が無くとも…、俺は…、お前などに屈する気は…ない…!』
「…これだけ痛めつけられてなお、それだけの科白が出て来るとは…
…成程…唯香が信じ、乞うわけだな」
ヴァルディアスは意図的に細めた蒼銀の瞳に、意味深な光を宿す。
…絶望的なこの状況下でも、彼はその意思通り、屈することはない。
まさしく強者であるはずの、主人格ではない…
その無力さでは人にも等しい、副人格の方の皇子が。
魔力も無く、両手を拘束され、抵抗すらもままならないはずの、眼前にいる、この憐れな皇子が──
「…陛下、失礼致します」
…ヴァルディアスの考えを遮るかのように、不意に、空間一帯に少女の声が響いた。
それにヴァルディアスは我に返り、それまでの空間の静寂に勝るほどに静かに、その名を口にする。
「アクァエル…か」
「はい。…御呼びですか、陛下」
アクァエルと呼ばれたその少女を、カミュは朧気な意識の下から眺めた。
見た目には、唯香とさほど変わらない。
だがそれは、あくまで見た目だけのことなのだろう。
唯香や自分たちの例からしても、実質、内面がどうなのかは分からない。
また、その魔力の規模、或いはその能力すらも…判断が付きかねる。
…初対面故に、分かることはない。
そう考えたカミュが相手の出方を図りかねていると、アクァエルがふと、当のカミュに目を走らせた。
「…、私に、精の黒瞑界の皇子を落とせと仰るのですか?」
アクァエルは、カミュから視線をそらすこともなく尋ねる。
その、仮にも、ひとつの世界の皇子である自分を見ても、顔色ひとつ変えず、ましてや怯むこともないアクァエルに、カミュは今やヴァルディアス以上の警戒心を見せ、その出方を窺っていた。
…そんな折り、ヴァルディアスが、瞬きすることでそれを肯定し、頷いた。
「お前ならば容易い。…己の二つ名の【複顔】を忘れた訳ではないだろう?」
「…、了承致しました」
アクァエルが答えながら僅かに俯く。
そのまま再び顔を上げ、カミュを真正面から見つめた、その顔は…!
『!? …ゆ、唯…香…!?』
カミュは信じられないものを目のあたりにして、我知らず背筋を凍らせた。
顔立ち、面差し、髪の長さ、体の作り…全て唯香と同じだ。
あり得ないことなのだが…
そしてそれ自体が作り物だと、既に理解してはいるのだが──
その全てが、“唯香と同じ”なのだ。
「…これならば愛せるだろう?
紛い物には紛い物…、分相応を知るがいい…!」
残酷に耳元で囁きを落として、ヴァルディアスは無情にも、魔力を用いることで、少し離れた場にある玉座まで移動し、その場に座した。
『!…っ、ふざけるな、貴様っ!』
「…“カミュ”…、そんなに怒らないで…!」
『!…』
…外見だけではない。
その声も。
その呼びかけすらも──!
不気味なほど。
嫌悪感を覚えるほど…
…同じすぎる…!
『…違う…! お前は唯香じゃない!』
「カミュ…! あたしのことが分からないの!?」
『…、分からない…、いや、分かるはずがない!
分かってたまるものか! お前は唯香じゃない!
お前はあいつとは違う! …唯香の姿で、その声で…俺に話しかけるな!』
愛する者の醜悪な姿に、本人ではないと知りながらも絶望したカミュは、最後の方は悲痛にも、首を振りきることで否定する。
それによって銀髪が尚も乱れようと、
止まり始めた傷から、再び血が流れ滴っても──
構わず、カミュは叫んでいた。
すると、ヴァルディアスの命令を受けた以上、このままでは引けないアクァエルが、唯香の顔で強く眉をひそめる。
「…なかなかに手強いですね。
どう致しますか? 陛下」
「お前もなかなかに狡猾だな、アクァエルよ」
玉座に頬杖をついて、さも楽しそうにヴァルディアスは笑む。
「俺に尋ねるまでもなく、お前は始めから、あれを使うつもりなのだろう?」
「…さすがは陛下。やはり私の行動などお見通しなのですね」
唯香の顔で、快楽に微笑むアクァエル。
その表情は、オリジナルである唯香には、到底持ち得るはずのない、深い…昏い、魔に侵食されている。
アクァエルはカミュに向き直ると、その魔力でもって、空中から赤い、ガラスの破片のようなものを出現させた。
宝石さながらの光と、核のある美しさを放つそれは、知らぬうちにカミュの目を釘付けにした。
「…これが何か、分かる…?」
親指と人差し指でその破片を摘みながら、アクァエルが柔らかく話しかける。
いたずらっぽい表情で、それでいて上目遣いに尋ねる、純粋な子供のようなその仕草が、皮肉なほどに唯香に酷似していて、カミュは耐えきれずに、きつく目を閉じた。
──その瞬間。
不意を突かれて、その破片をいきなり口内へと放り込まれる。
『!…』
口の中に異物が入ったことに気付いたカミュは、反射的に目を見開き、瞬時にそれを吐き出そうとした。
しかし、相手はそのカミュの行動を読んでいたらしく、次にはすぐさまそれを封じるべく、捕われていて避けることも適わないカミュの唇を、口づけという形で強引に塞いだ。
『!うっ…、ぐっ!』
ごくり…、と、嫌な形で喉が鳴った。
ガラスの欠片のような形をしていたはずのそれは、尖った様相のそれに反してすんなりと喉を通り抜けた。
しかし、ここで異物を飲まされたカミュが大人しく引っ込むはずもない。
次には荒い息の下から、先をなお上回る鋭い殺意を込めた瞳で、唯香の形をとった少女を睨み据える。
「!…あの目は…」
何かに気付いたヴァルディアスが、思わず声を洩らした。
副人格であるはずの非力な皇子に、力ある主人格の威圧的な姿が重なる。
…特に、あの目。あの冷ややかで排他的な眼差しは、副人格には絶対的にあり得ず、また、真似の出来ないものだ。
だが、だとすれば…
「……」
ヴァルディアスはカミュを食いいるように見ると、視線を外さずアクァエルに話しかけた。
「…赤だけでは事足りない。紫も使え」
──闇のような黒と、血のような赤を調和させた空間の内部で。
カミュは、魔力によって作り出された頑強な鎖に、その美しい躯を繋がれ、両手を己の頭上で拘束されていた。
それまで、続けざまにヴァルディアスの魔力による責め苦に遭ったのか、着ていた服は、まるで猛獣にでも引き裂かれたかのように乱れ、破れ…
吐く息は荒く、呼吸もままならない程に、苦しげに変化している。
幾筋もの切り傷が付けられた体からは、彼の生命そのものが染み出すかのように、各所に血が滲み、その艶やかな肌を伝わり、流れ出ている。
その、見る者を誘う、形の良い赤い唇の端から流れる、それよりなお…赤い血。
そこには見る者をぞくりとさせ、強く惹きつける、魔の魅力が存在している。
その場には、闇に呑み込まれた絵画にも等しい、見事なまでの美と、赤の調和があった。
…しかしその、いつものカミュであったなら、到底見られることのない乱れた様が、ヴァルディアスの苛虐心に、更に火をつけた。
目の前でカミュの反応を眺めていたヴァルディアスは、掻き立てられる己の心を隠すこともなく、カミュの顔に触れる。
もはや抵抗もままならないのか、カミュはされるがままに、ヴァルディアスの接触を許していた。
「──いい様だな、皇子」
『……』
乱れた銀髪の下から、せめてひと睨みする間にも、ヴァルディアスの手は、頬から顎へと伝い、移動する。
不意に、くっ、と、顎を持ち上げられた。
ヴァルディアスはその端正な顔を、先程よりもなお近付けて呟く。
「…人格が岐れているとは聞いていたが…
こうしていると、まるでただの人間のようだな」
『……』
カミュは一度、伏せ気味に顔を背けると、内心で、人間と比較されて、苛立ちも露に腹も煮えくり返っている主人格に、更に油を注ぐように呟いた。
『例え…血統が…どうあろうと、俺は…魔に属しているとは…思っていない…』
「…、ほう…」
ヴァルディアスは感嘆し、その心境を言葉によって表す。
カミュは先を続けた。
『…そして…例え、魔力が無くとも…、俺は…、お前などに屈する気は…ない…!』
「…これだけ痛めつけられてなお、それだけの科白が出て来るとは…
…成程…唯香が信じ、乞うわけだな」
ヴァルディアスは意図的に細めた蒼銀の瞳に、意味深な光を宿す。
…絶望的なこの状況下でも、彼はその意思通り、屈することはない。
まさしく強者であるはずの、主人格ではない…
その無力さでは人にも等しい、副人格の方の皇子が。
魔力も無く、両手を拘束され、抵抗すらもままならないはずの、眼前にいる、この憐れな皇子が──
「…陛下、失礼致します」
…ヴァルディアスの考えを遮るかのように、不意に、空間一帯に少女の声が響いた。
それにヴァルディアスは我に返り、それまでの空間の静寂に勝るほどに静かに、その名を口にする。
「アクァエル…か」
「はい。…御呼びですか、陛下」
アクァエルと呼ばれたその少女を、カミュは朧気な意識の下から眺めた。
見た目には、唯香とさほど変わらない。
だがそれは、あくまで見た目だけのことなのだろう。
唯香や自分たちの例からしても、実質、内面がどうなのかは分からない。
また、その魔力の規模、或いはその能力すらも…判断が付きかねる。
…初対面故に、分かることはない。
そう考えたカミュが相手の出方を図りかねていると、アクァエルがふと、当のカミュに目を走らせた。
「…、私に、精の黒瞑界の皇子を落とせと仰るのですか?」
アクァエルは、カミュから視線をそらすこともなく尋ねる。
その、仮にも、ひとつの世界の皇子である自分を見ても、顔色ひとつ変えず、ましてや怯むこともないアクァエルに、カミュは今やヴァルディアス以上の警戒心を見せ、その出方を窺っていた。
…そんな折り、ヴァルディアスが、瞬きすることでそれを肯定し、頷いた。
「お前ならば容易い。…己の二つ名の【複顔】を忘れた訳ではないだろう?」
「…、了承致しました」
アクァエルが答えながら僅かに俯く。
そのまま再び顔を上げ、カミュを真正面から見つめた、その顔は…!
『!? …ゆ、唯…香…!?』
カミュは信じられないものを目のあたりにして、我知らず背筋を凍らせた。
顔立ち、面差し、髪の長さ、体の作り…全て唯香と同じだ。
あり得ないことなのだが…
そしてそれ自体が作り物だと、既に理解してはいるのだが──
その全てが、“唯香と同じ”なのだ。
「…これならば愛せるだろう?
紛い物には紛い物…、分相応を知るがいい…!」
残酷に耳元で囁きを落として、ヴァルディアスは無情にも、魔力を用いることで、少し離れた場にある玉座まで移動し、その場に座した。
『!…っ、ふざけるな、貴様っ!』
「…“カミュ”…、そんなに怒らないで…!」
『!…』
…外見だけではない。
その声も。
その呼びかけすらも──!
不気味なほど。
嫌悪感を覚えるほど…
…同じすぎる…!
『…違う…! お前は唯香じゃない!』
「カミュ…! あたしのことが分からないの!?」
『…、分からない…、いや、分かるはずがない!
分かってたまるものか! お前は唯香じゃない!
お前はあいつとは違う! …唯香の姿で、その声で…俺に話しかけるな!』
愛する者の醜悪な姿に、本人ではないと知りながらも絶望したカミュは、最後の方は悲痛にも、首を振りきることで否定する。
それによって銀髪が尚も乱れようと、
止まり始めた傷から、再び血が流れ滴っても──
構わず、カミュは叫んでいた。
すると、ヴァルディアスの命令を受けた以上、このままでは引けないアクァエルが、唯香の顔で強く眉をひそめる。
「…なかなかに手強いですね。
どう致しますか? 陛下」
「お前もなかなかに狡猾だな、アクァエルよ」
玉座に頬杖をついて、さも楽しそうにヴァルディアスは笑む。
「俺に尋ねるまでもなく、お前は始めから、あれを使うつもりなのだろう?」
「…さすがは陛下。やはり私の行動などお見通しなのですね」
唯香の顔で、快楽に微笑むアクァエル。
その表情は、オリジナルである唯香には、到底持ち得るはずのない、深い…昏い、魔に侵食されている。
アクァエルはカミュに向き直ると、その魔力でもって、空中から赤い、ガラスの破片のようなものを出現させた。
宝石さながらの光と、核のある美しさを放つそれは、知らぬうちにカミュの目を釘付けにした。
「…これが何か、分かる…?」
親指と人差し指でその破片を摘みながら、アクァエルが柔らかく話しかける。
いたずらっぽい表情で、それでいて上目遣いに尋ねる、純粋な子供のようなその仕草が、皮肉なほどに唯香に酷似していて、カミュは耐えきれずに、きつく目を閉じた。
──その瞬間。
不意を突かれて、その破片をいきなり口内へと放り込まれる。
『!…』
口の中に異物が入ったことに気付いたカミュは、反射的に目を見開き、瞬時にそれを吐き出そうとした。
しかし、相手はそのカミュの行動を読んでいたらしく、次にはすぐさまそれを封じるべく、捕われていて避けることも適わないカミュの唇を、口づけという形で強引に塞いだ。
『!うっ…、ぐっ!』
ごくり…、と、嫌な形で喉が鳴った。
ガラスの欠片のような形をしていたはずのそれは、尖った様相のそれに反してすんなりと喉を通り抜けた。
しかし、ここで異物を飲まされたカミュが大人しく引っ込むはずもない。
次には荒い息の下から、先をなお上回る鋭い殺意を込めた瞳で、唯香の形をとった少女を睨み据える。
「!…あの目は…」
何かに気付いたヴァルディアスが、思わず声を洩らした。
副人格であるはずの非力な皇子に、力ある主人格の威圧的な姿が重なる。
…特に、あの目。あの冷ややかで排他的な眼差しは、副人格には絶対的にあり得ず、また、真似の出来ないものだ。
だが、だとすれば…
「……」
ヴァルディアスはカミュを食いいるように見ると、視線を外さずアクァエルに話しかけた。
「…赤だけでは事足りない。紫も使え」
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