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02 恭弥side .

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「ねぇ、恭弥くん私の話聞いてる?」


俺の隣には先ほど交流したばかりの女の人がべったりとくっついて話しかけてる。
いつもの俺なら、ちゃんと反応するし話もするんだけど今回は、理人の件があってからぼんやりしてて、女の人と会っても会話が頭に入らない。

「ねぇってば、聞いてるの?」

俺の腕をグイグイと引っ張ってくる
俺は聞いてるよ、とだけ言うとカウンターにあるお酒を一口飲んだ。

理人とどうにかにして話し合いがしたい。
だけど、俺は理人を無意識に傷付けてしまったから、理人は俺と会いたくないんだろう。

俺はため息をつき、もう一度理人とのトークを開いたが既読は変わらずついてなかった。
既読のつかないトークを眺めた





「いらっしゃいませ、2名様ですか?今カウンターしか空いてませんが…そちらに座ってくださいね」

店員の声にふと顔を上げると、そこには見覚えのある姿が2人いた
しかも、男性に向かって楽しげに笑っていた

「はっ?理人?」

俺は思わず声に出してしまう
向こうも俺を見てびっくりした顔をしてた。

理人と前回ホテルから一緒に出てきた男性だった。
俺は気がつくとその場の席から離れ、理人の腕を掴んでた。

「何だよ、離せよ。要さんと一緒にいてんの見てて分かんない?つかお前も女の人と来てんじゃん。女の人に申し訳ないと思わないの?」

理人は俺の腕を振り払うと、俺を睨みつける

今まで、俺の前ではニコニコしていて俺が何を言っても笑いながらハイハイって聞き流してたのに何でそんな冷たい目で俺をみるんだ?俺が何かをしたのか?

俺はそんな気持ちが沸々と溢れ、理人の手首をもう一度掴み店外から飛び出した。





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「っおい!恭弥聞いてんのかよ!離せ!痛いって…!」

理人が何やら後ろで喚いているが俺はそれを無視し
人通りの少ない路地裏まで連れて行くと理人を壁へと強く押し付けた

「い゛ッ…ッ何だよ!」

「俺が何度も連絡してるのに何で無視するんだよ?こないだの言い争いが原因ならそう言えばいいだろ?俺は理人と仲直りしたい」

「…ッそんなの無理だよ、つか手離せよ…!痛いし…」

無理だよ、の言葉に俺は思わずカッとなり理人を更に壁へと押し付けた

「何で無理なんだ?理人と親友だと思ってたのは俺だけだったのか?」

「…親友だと思ってたのはお前だけだよ。俺はお前のことを一度も親友だと思った事ない。」

親友だと思った事ない、の発言に雷が打たれたような感覚がした。
じゃあお前は今まで俺の隣でどういう気持ちで笑ってたんだ?どういう気持ちで一緒にいてたんだ?

「俺のこと、どういう風に見てたんだよ…?俺は今まで何度もお前に色んな気持ちを曝け出して話してきたじゃねぇか。それなのにこの仕打ちはないだろ?」

「…お前はな。俺はお前の前で自分の気持ちや感情を話したこと一度もないと思うけど。」

理人のその発言にハッとした。
そう言えば中学生の時仲良くなってから一度も俺に相談や感情の話をされたことがない。

俺は今まで、理人の何を見てたんだろう?
俺1人だけが理人は親友なんだと思ってたんだ

それなのに、ポッと出てきた男には楽しそうに笑って寄り添ってた。

俺は壁に押し付けてた理人から離れるとその場にへたり込むと髪をグシャと握った

「わかんねぇ…俺、お前が何を考えてるのかわからねぇよ…、俺は今まで通りに…理人と笑い合って過ごしたいだけなのに。俺が何かをしたなら謝るから…理由を教えてくれ。ずっと俺を避けてる理由を知りたいんだ」

「俺がずっと避けてた理由を話したところで…きっと恭弥とは元の関係に戻れないと思う。むしろ…恭弥に幻滅されると思う。」

理人はそれだけを言うと、小さい声でごめん、とだけ呟きその場を去った








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