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第22話 映画
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学校が始まっても生活が激変することはなかった。
休みの日には茜姉が勉強を教えに来てくれたし、運動も、筋トレはたまにサボったけれど、蛍光灯のスイッチ紐とのスパーリングは毎日欠かさなかった。
変わったと言えば、アリサの呼び名がいつのまにか「パパ」から「八乙女さん」に変わっていた。
一度そのことに触れると、アリサは顔を真っ赤にして「やめてくださいっ」と憤慨した。
まるで俺がいたいけな少女を騙して辱めたみたいな言い草だが、間違いを指摘しなかった俺に非があるのも事実なので反論はしなかった。
騒動があったのは、五月の第三土曜日だった。
その日、茜姉が朝から勉強を教えに来てくれていた。
当初は、予習復習という形で学校の授業に沿っていたんだけど、回数を重ねるごとに変化して、いつしか俺が知りたいことや茜姉が教えたいことがメインになっていた。
それは俺の中の「学習」という概念に大きな影響を与えた。
学校が作ったカリキュラムに従うわけでも、ましてややりたくもない受験勉強を強要されるでもなく、自分が学びたいことを学ぶという、ただそれだけのことが新鮮だった。
幕末の情勢について茜姉が熱く語っていたときのことだ(茜姉は幕末が好きらしかった)。
妹の晴香が珍しくノックをし、俺の部屋に入ってきた。
茜姉が来ているときは勉強の邪魔しないためか、寄り付かないので意外に思う。
「どうした」
尋ねると、妹は小さく咳払いをしてから神妙な口調で言った。
「たまにはさ、息抜きに映画でも観たら。一階のリビングでさ、用意してあるから」
「親は?」
俺は反射的に尋ねていた。
「二人とも出かけてるよ。じゃあ、下りてきてね」
妹は部屋を出ていってしまう。
俺と茜姉は顔を見合わせた。
なんとなく小さく頷き合ってから、俺たちはリビングに向かった。
妹の言う通り、用意がしてあった。
座卓の上にはお菓子やジュースが置いてあり、DVDはすでにデッキに収められているらしく微かに稼働音がする。
「さあさあ」
妹に促されるまま俺と茜姉は並んでソファに座った。
「途中退席や中断するのはなしね」
妹は電気を消してテレビのリモコンを操作した。
テレビ画面の左上に読み込みマークが現れる。
「じゃあ、そういうことで。私はちょっと外出してくるから、ごゆっくり」
そう言い残すと、妹はそそくさとリビングから出ていった。
俺は茜姉に尋ねた。
「ええっと、どうする?」
「まあ、せっかく用意してくれているんだし、たまにはいいんじゃないかな」
「それもそうだな」
俺は背もたれに体重を預けた。
茜姉がぽつりと言う。
「ホラーかな」
俺は頷いた。
電気を消したり途中退席や中断を禁じるとなると、それしか考えられない。
俺は呆れて嘆息する。
妹はきっと、茜姉が怯えて俺に抱き着いたりするのを期待しているのだろう。
あるいは吊り橋効果でも狙っているのか。
「苦手?」
俺の問いに茜姉は首を振る。
「むしろ得意かな」
妹の目論見は早くもご破算だ。
俺は少し愉快な気持ちになった。
「誠一くんは?」
「あまり得意じゃないかな」
「そうなんだ。ちょっと意外」
茜姉は少し間を置いてから、悪戯っぽく言った。
「せっかくだし、勝負しよっか」
「勝負?」
「目を背けたり叫び声をあげた方の負け。もちろん、途中退席もね。罰ゲームは、そうだね……。相手の言うことを何でも一つ聞く、とかどう?」
「ずりいな。自分が得意だからって」
「怖いならいいけど」
わかりやすく挑発してくる。
「……いいよ、のった」
勝負と挑発に。
読み込みが終わる。
メニューや宣伝はなく、いきなり本編が始まった。
ベッドに腰掛ける若い女性。おそらくホテルの一室だ。
「モキュメンタリー」
茜姉は熱っぽくつぶやき、目を輝かせた。
得意どころか大好物じゃねえか。
俺は目を細め、心のシャッターをそっと下ろす。
ホラー映画は得意じゃないどころか大の苦手なのだ。
強がってしまったことを早くも後悔する。
男の声が画面の外から女性に話しかける。
姿は見えないが、親しい話しぶりから女性の彼氏か旦那だと思われた。
「日本のモキュメンタリーホラーって珍しいね」
「せやな」
「楽しみだね」
「ほんまやな」
「なんか動揺してない?」
「してへんで?」
映像に動きがあった。
男が画面の中に現れ、女性の隣に腰かけたのだ。
「……ん?」
何かがひっかかる。
「どうしたの?」
「いや、なんかこの映画、見覚えがあって。ホラー映画なんてリングくらいしか観たことないんだけどな」
というか小学生のころに観たリングがトラウマでホラー映画が苦手になったのだ。
怪談話や恐怖映像の類は平気なんだけど、映画だけが未だに苦手意識をぬぐえない。
画面の中の男がおもむろに女性の腰に手を回した。
そこでようやくピンとくる。
ああ、と納得した直後、俺は絶叫しながら立ち上がった。
隣で茜姉がびくっと体を震わせる。
「な、なに?」
「こ、これ駄目な奴だ」
俺は慌ててリモコンを探した。
「ちょっと、どうしたの急に。まだ何も始まってないよ」
「始まってかららじゃ遅いんだってっ」
「いくらなんでも怖がりすぎだよ」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあなんなの?」
答えられるわけがない。
「と、とりあえず、消すから」
どれだけ探してもリモコンは見つからなかった。
ふと、さきほどの妹の姿がフラッシュバックする。
「ごゆっくり」と言い残してリビングを出ていった妹の手には、リモコンがしっかりと握られていた。
かっと頭に血が上ったけれど、なんとか堪える。
今は映像を消すのが最優先だ。
俺はテレビに駆け寄った。
主電源を落とそうと思ったのだが、暗くてボタンがどこにあるのかわからない。
こうなったらコンセントを引っこ抜いてしまおうとテレビの後ろを覗き込んだとき、茜姉がつまらなさそうに呟いた。
「じゃあ私の勝ち、ね」
その声が俺の神経を逆なでする。
「……なにが?」
「勝負だよ。お願い、なに聞いてもらおうかなー」
「……別に、茜姉がいいならいいんだけどさ」
「だから私はこういうの得意だって」
「そう、ならいいよ。続きを観よう」
俺は元の位置に戻った。
「さっき叫んだのは不問にしてあげる」
茜姉は余裕綽々といった様子でそんなことを言った。
やがて画面の中でいちゃいちゃしていた男女が、おもむろに唇を重ね合わせた。
男の手が女性の服の下に伸び胸を乱暴に揉む。
「……え、これ」
引きつった茜姉の声。
「目を背けたら負けだぞ」
「で、でもこれ、ホラーじゃ」
茜姉の言う通りだ。
これはホラー映画なんかじゃなく、AV——つまりアダルトビデオだ。
見覚えがあるのは当然だ。
これは俺の秘蔵コレクションの中の一つだったから。
やがて画面の中の男が女性の服を一枚ずつ剥いていく。
「え? え?」
「悲鳴をあげても負けだぞ」
動揺する茜姉に俺は冷然と言った。
その後、画面の中の男女は前置きもほどほどに、おっぱじめ始めた。
そうそうに茜姉がギブアップすると踏んでいたのに、そうはならなかった。
おそらく「なんでも言うことを聞く」という約束が頭から離れなかったのだろう。
この状況で「なんでも」はあまりにも生々しすぎる。
そして俺も意地になっていた。
腕を組み背もたれに体重を預け、無心で画面を眺め続けた。
唯一の救いと言えば、それが四十分ほどの短い作品だったことだろう。
休みの日には茜姉が勉強を教えに来てくれたし、運動も、筋トレはたまにサボったけれど、蛍光灯のスイッチ紐とのスパーリングは毎日欠かさなかった。
変わったと言えば、アリサの呼び名がいつのまにか「パパ」から「八乙女さん」に変わっていた。
一度そのことに触れると、アリサは顔を真っ赤にして「やめてくださいっ」と憤慨した。
まるで俺がいたいけな少女を騙して辱めたみたいな言い草だが、間違いを指摘しなかった俺に非があるのも事実なので反論はしなかった。
騒動があったのは、五月の第三土曜日だった。
その日、茜姉が朝から勉強を教えに来てくれていた。
当初は、予習復習という形で学校の授業に沿っていたんだけど、回数を重ねるごとに変化して、いつしか俺が知りたいことや茜姉が教えたいことがメインになっていた。
それは俺の中の「学習」という概念に大きな影響を与えた。
学校が作ったカリキュラムに従うわけでも、ましてややりたくもない受験勉強を強要されるでもなく、自分が学びたいことを学ぶという、ただそれだけのことが新鮮だった。
幕末の情勢について茜姉が熱く語っていたときのことだ(茜姉は幕末が好きらしかった)。
妹の晴香が珍しくノックをし、俺の部屋に入ってきた。
茜姉が来ているときは勉強の邪魔しないためか、寄り付かないので意外に思う。
「どうした」
尋ねると、妹は小さく咳払いをしてから神妙な口調で言った。
「たまにはさ、息抜きに映画でも観たら。一階のリビングでさ、用意してあるから」
「親は?」
俺は反射的に尋ねていた。
「二人とも出かけてるよ。じゃあ、下りてきてね」
妹は部屋を出ていってしまう。
俺と茜姉は顔を見合わせた。
なんとなく小さく頷き合ってから、俺たちはリビングに向かった。
妹の言う通り、用意がしてあった。
座卓の上にはお菓子やジュースが置いてあり、DVDはすでにデッキに収められているらしく微かに稼働音がする。
「さあさあ」
妹に促されるまま俺と茜姉は並んでソファに座った。
「途中退席や中断するのはなしね」
妹は電気を消してテレビのリモコンを操作した。
テレビ画面の左上に読み込みマークが現れる。
「じゃあ、そういうことで。私はちょっと外出してくるから、ごゆっくり」
そう言い残すと、妹はそそくさとリビングから出ていった。
俺は茜姉に尋ねた。
「ええっと、どうする?」
「まあ、せっかく用意してくれているんだし、たまにはいいんじゃないかな」
「それもそうだな」
俺は背もたれに体重を預けた。
茜姉がぽつりと言う。
「ホラーかな」
俺は頷いた。
電気を消したり途中退席や中断を禁じるとなると、それしか考えられない。
俺は呆れて嘆息する。
妹はきっと、茜姉が怯えて俺に抱き着いたりするのを期待しているのだろう。
あるいは吊り橋効果でも狙っているのか。
「苦手?」
俺の問いに茜姉は首を振る。
「むしろ得意かな」
妹の目論見は早くもご破算だ。
俺は少し愉快な気持ちになった。
「誠一くんは?」
「あまり得意じゃないかな」
「そうなんだ。ちょっと意外」
茜姉は少し間を置いてから、悪戯っぽく言った。
「せっかくだし、勝負しよっか」
「勝負?」
「目を背けたり叫び声をあげた方の負け。もちろん、途中退席もね。罰ゲームは、そうだね……。相手の言うことを何でも一つ聞く、とかどう?」
「ずりいな。自分が得意だからって」
「怖いならいいけど」
わかりやすく挑発してくる。
「……いいよ、のった」
勝負と挑発に。
読み込みが終わる。
メニューや宣伝はなく、いきなり本編が始まった。
ベッドに腰掛ける若い女性。おそらくホテルの一室だ。
「モキュメンタリー」
茜姉は熱っぽくつぶやき、目を輝かせた。
得意どころか大好物じゃねえか。
俺は目を細め、心のシャッターをそっと下ろす。
ホラー映画は得意じゃないどころか大の苦手なのだ。
強がってしまったことを早くも後悔する。
男の声が画面の外から女性に話しかける。
姿は見えないが、親しい話しぶりから女性の彼氏か旦那だと思われた。
「日本のモキュメンタリーホラーって珍しいね」
「せやな」
「楽しみだね」
「ほんまやな」
「なんか動揺してない?」
「してへんで?」
映像に動きがあった。
男が画面の中に現れ、女性の隣に腰かけたのだ。
「……ん?」
何かがひっかかる。
「どうしたの?」
「いや、なんかこの映画、見覚えがあって。ホラー映画なんてリングくらいしか観たことないんだけどな」
というか小学生のころに観たリングがトラウマでホラー映画が苦手になったのだ。
怪談話や恐怖映像の類は平気なんだけど、映画だけが未だに苦手意識をぬぐえない。
画面の中の男がおもむろに女性の腰に手を回した。
そこでようやくピンとくる。
ああ、と納得した直後、俺は絶叫しながら立ち上がった。
隣で茜姉がびくっと体を震わせる。
「な、なに?」
「こ、これ駄目な奴だ」
俺は慌ててリモコンを探した。
「ちょっと、どうしたの急に。まだ何も始まってないよ」
「始まってかららじゃ遅いんだってっ」
「いくらなんでも怖がりすぎだよ」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあなんなの?」
答えられるわけがない。
「と、とりあえず、消すから」
どれだけ探してもリモコンは見つからなかった。
ふと、さきほどの妹の姿がフラッシュバックする。
「ごゆっくり」と言い残してリビングを出ていった妹の手には、リモコンがしっかりと握られていた。
かっと頭に血が上ったけれど、なんとか堪える。
今は映像を消すのが最優先だ。
俺はテレビに駆け寄った。
主電源を落とそうと思ったのだが、暗くてボタンがどこにあるのかわからない。
こうなったらコンセントを引っこ抜いてしまおうとテレビの後ろを覗き込んだとき、茜姉がつまらなさそうに呟いた。
「じゃあ私の勝ち、ね」
その声が俺の神経を逆なでする。
「……なにが?」
「勝負だよ。お願い、なに聞いてもらおうかなー」
「……別に、茜姉がいいならいいんだけどさ」
「だから私はこういうの得意だって」
「そう、ならいいよ。続きを観よう」
俺は元の位置に戻った。
「さっき叫んだのは不問にしてあげる」
茜姉は余裕綽々といった様子でそんなことを言った。
やがて画面の中でいちゃいちゃしていた男女が、おもむろに唇を重ね合わせた。
男の手が女性の服の下に伸び胸を乱暴に揉む。
「……え、これ」
引きつった茜姉の声。
「目を背けたら負けだぞ」
「で、でもこれ、ホラーじゃ」
茜姉の言う通りだ。
これはホラー映画なんかじゃなく、AV——つまりアダルトビデオだ。
見覚えがあるのは当然だ。
これは俺の秘蔵コレクションの中の一つだったから。
やがて画面の中の男が女性の服を一枚ずつ剥いていく。
「え? え?」
「悲鳴をあげても負けだぞ」
動揺する茜姉に俺は冷然と言った。
その後、画面の中の男女は前置きもほどほどに、おっぱじめ始めた。
そうそうに茜姉がギブアップすると踏んでいたのに、そうはならなかった。
おそらく「なんでも言うことを聞く」という約束が頭から離れなかったのだろう。
この状況で「なんでも」はあまりにも生々しすぎる。
そして俺も意地になっていた。
腕を組み背もたれに体重を預け、無心で画面を眺め続けた。
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