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不毛な関係
しおりを挟む蓮くんとは土曜日の午前中まで一緒に過ごし解散することになった。
蓮くんはまた午後からフライトがあるらしい。
「頑張ってね」
そう見送ったきり、彼からの連絡はない。
今日でもう6日が経った。
今回は長いな……。
「はぁ……今度はいつ連絡来るんだろう」
私は会社でスマホを見つめため息をついた。
いつ蓮くんが別のセフレを、はたまた彼女を作ってしまうか分からないのが不安でたまらない。
今日は金曜日だからお誘いが来るかなと思ったのになぁ。
蓮くんは基本的にシフト制で動いているらしい。
今月蓮くんは金曜日の休みが多く、お誘いが多かったんだけど、今日は夜になっても来なかった。
急に言ってくれてもいいから、連絡が欲しいよ……。
そんなことを思っていると、誰かが私の肩をポンっと叩いた。
「安藤」
私の肩を叩いた相手は佐山くんだった。
「佐山くん!」
「立て込んでた仕事、ちょっと片付いたんだってな?今日、どうよ?飲みでも」
「飲みか……」
佐山くんからは飲みに行こうと何回も誘われていたけど、一度も行ったことがなかった。
仕事が忙しかったのもそうだし、蓮くんから連絡が来たらそっちを優先してしまうから。
でも……。
ちらりとスマホを見つめる。
なんとなく今日は来ない気がした。
一人で家にいると、スマホばかり見てしまうだろうし……。
「うん、じゃあ今日行こう!」
私は佐山くんの誘いに乗ることにした。
19時に仕事を終えて、職場のエントランスで合流する。
佐山くんは美味しい焼き鳥のお店を知っているようで案内してくてくれた。
「ここだよ」
提灯がやわらかな赤い光を放つ暖簾をくぐり、佐山くんと向かい合った席に腰を下ろす。
焼き鳥の香ばしい匂いが食欲をそそった。
適当に食べるものとお酒を頼むと、さっそくやってきたお酒で乾杯をした。
「じゃ、仕事お疲れ」
「お疲れさまです」
グラスを合わせて、口をつける。
キンキンに冷えたビールが喉を滑り、じんわりとした温かさが体に広がった。
「相当絞られてたらしいじゃん」
「いやもう……死ぬかと思ったよ」
「うち結構無茶させるよな」
「本当に。これは一生慣れないかも」
「慣れちゃまずいだろ」
佐山くんは最初に入った時から、親しみやすい性格で、すぐに打ち解けることが出来た。
同期の中では一番話しやすい存在だ。
それでいて仕事も出来るし、オフィスでも一目置かれる存在なんだよね。
「それで、課長がね」
「俺も取引先にさぁ……」
それから一通り仕事の話を交わす。
繁忙期を乗り越えたばかりのせいか、互いに愚痴をこぼし合ううちに自然と笑い声がこぼれた。
焼き鳥や唐揚げが次々と運ばれ、卓上が賑やかになるころには、アルコールが少し回り始めていた。
「そういや安藤ってさ、彼氏とかいないの?営業部の何人かが食事に誘いたいってウワサしてたぜ」
「そ、そうなの?彼氏なんていないよ。佐山くんは?うちにだって営業部エースに目付けてる人いましたけど?」
「それは光栄なことだな」
佐山くんはさらりと答える。
ってことは本当に佐山くんも相手いないんだ。
「作ったりしないの?佐山くんならすぐ出来そうだけど」
「別に、今は仕事で手いっぱいだしな」
そうなんだ。
まあ、佐山くんも忙しそうだしなあ。
「それで?お前は?」
「あーえっと、それはまぁ……」
相手はいないけど、セフレはいるんだよね。
しかも大好きな……。
「誰か狙ってるヤツでもいんの?」
「うーん」
私がその質問に答えるかどうか迷っていると、佐山くんがさらに言う。
「なーんか、安藤って怪しいんだよな」
「怪しい?」
「抜けてるように見えるけど、案外しっかりもしてて。色んな人に素出してるように見えて全然出してなかったり」
「私は結構出してるとは思うけど……」
すると佐山くんはグラスを手に持ちながら、言った。
「じゃ、無意識?」
そうなのかな?
そんなつもりはないけど……。
でも、今までセフレがいることは誰にも話そうなんて考えなかったな。
だってビックリされそうだもんね。
でも話したら、このモヤモヤもすっきりするのかな。
佐山くんは男だし、どのくらいが重いかとか教えてくれるかも。
少し酒が入っているせいか、今日は口が軽かったのかもしれない。
「……好きな人なら、いるんだよね」
私は思い切ってそう言った。
「マジ?どんなヤツ?」
「えっと、なんて説明したらいいんだろう……関係から話した方が早いというか」
「関係?」
「そ、その人……セフレなの」
「はぁ!?」
佐山くんの声がひと際大きくなった。
驚くのも当然だ。
セフレが好きなんて変な話だし……。
佐山くんは周りを気にしながらも小さな声で言った。
「セフレってどういうことだよ」
「えっと、マッチングアプリ使ってマッチしたんだけど、関係を続けてるうちに好きになっちゃって……」
「マジかよ」
佐山くんは頭を抱えた。
なんで佐山くんが頭を抱えてるんだろう。
「つーか、なんで安藤がセフレ探しするのにマッチングアプリ?あまりにもキャラとかけ離れてて信じられねぇんだけど……」
まぁ、やっぱりそこの話しになるよね。
私は自分の過去の恋愛を佐山くんに話すことにした。
「っていうわけで、重いなどキモイだの散々言われまして……」
「なるほど、そういう過程があったわけか」
佐山くんは私の過去の話を真剣に聞いてくれた。
「重いって言われるのがトラウマなのは分かるけど、それって付き合った男が悪いんじゃねぇの?重いって愛情でもあるわけだし、受け止めてあげるとかもできるじゃん」
佐山くん、なんて男らしい発言……!
「そうなんだけど、スマホ勝手見るのはやり過ぎだ、とかGPS入れて監視するなとか、毎日50回以上好きって言ってとか重すぎるって言われて……」
私が泣きつくと、佐山くんの顔は引きつっていた。
「そ、それは確かに……」
ガーン。
やっぱり私って佐山くんから見ても重いんだ。
いいよ、分かっていたもん。
すると佐山くんは真剣な顔をして言った。
「安藤に何があったのかは分かったけどさ、セフレとの恋って不毛だろ」
「う“……」
それは私が一番わかってるよ!
「上手くいくわけないと思う」
ハッキリと言われた言葉に私は石でも落とされたかのようにショックを受けた。
「わ、分かってるよ。分かってるんだけどね……」
「お互いの利害が一致してそういう関係を続けてるってことは、合わなくなったら関係が終わるってことだぞ。だいたいそんなテキトーな気持ちを持った相手を好きになるなんて上手くいくわけない」
佐山くんの静かな声が、私の胸に突き刺さる。
私のために真剣に言ってくれているのは分かってる。
でも好きになってしまったんだ。
だから、この恋を冷ますことが出来ないの。
「安藤にはさ、もっと大事にしてくれる相手がいると思うんだよ」
蓮くんは私のこと、大事にしてくれる。
傷つけるようなことは言わないし、いつも包み込むように優しくて、私の気持ちを優先してくれる。
蓮くんがセフレじゃなかったら、出会った場所がマッチングアプリじゃなかったら完璧なのにな……。
なんて、こんな出会い方じゃなかったら、私が蓮くんと出会えているわけないか。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ」
私たちはお会計をして外に出た。
蓮くんを好きなこと、不毛な恋だって言われちゃったな。
少し、落ち込みながらも佐山くんにお礼を言う。
「今日はありがとう、気晴らしになった」
「俺も。たまにはいいな、こうして吐き出すのも」
「ねっ」
2人で歩きながら駅まで向かっていると、急に佐山くんが立ち止まった。
「あのさ、さっきの話だけど……安藤のこと傷つけたくて言ったんじゃないから」
「分かってるよ、佐山くんはそんな人じゃないし」
人のこと考えられる人だって知ってる。
「俺さ……」
そう言って佐山くんは私の手を掴んだ。
佐山くん……?
そしてまっすぐに私を見つめる。
「安藤のこと……」
佐山くんがそこまで言いかけた時、誰かが私の肩をたたいた。
「柚~子ちゃん。こんなところで奇遇だね」
蓮くんが声をかけてきた。
れ、れ、蓮くん……!
どうしてここに……!?
いるはずのない蓮くんの姿にぽっと顔を赤らめる私。
まさか今日蓮くんが見られるなんて、これは夢……?
「安藤、誰?」
佐山くんが私に視線を向けて尋ねる。
ど、どうしよう。なんて説明しよう。
今話した手前、ちょっと恥ずかしい……。
「誰ってキミこそ誰?まず柚子ちゃんの手……離してもらっていい?」
蓮くんは私と佐山くんの繋がってる手を無理やり引きはがした。
「ねぇ柚子ちゃん、偶然会ったのも何かの縁だし……少しこの辺散歩しに行かない?」
蓮くんの夜の散歩。
もう今日は会えないって思ってたから嬉しい!
でも……。
佐山くんの方をみると、彼がむっとした表情で言う。
「安藤は今、俺と話してるんだけど?」
「でも二人はもう解散しようとしてたんだよね?だったらよくない?」
バチバチと火花を散らす二人。
え、なんか険悪な感じ……?
「じゃあさ、柚子ちゃんに選んでもらおうか。柚子ちゃんはどっちに行きたい?」
まっすぐな瞳で聞いてくる蓮くん。
そんな瞳ズルいよ……。
こんなこと言われたら誰だって……。
「えっと、ごめん。蓮くんと……」
蓮くんの方を選んじゃうって。
だって大好きな人だから。
佐山くんごめん……!
私が言葉にすると、佐山くんは眉をひそめながら言った。
「安藤。心配だから家帰ったら連絡してな?」
「えっ、うん……」
「それから……」
そう言って佐山くんは、蓮くんの前に行く。
「変なことしたらぶっ殺すから」
それだけを残して去って行った。
佐山くんに心配させちゃった……。
さっきのこと、言わない方が良かったかな?
本当、佐山くんはみんなのお兄ちゃんなんだよなあ。
彼が去っていくのを確認すると蓮くんが言った。
「柚子ちゃんに会えて嬉しいな」
蓮くんはご機嫌で私の手をとる。
「あっ」
「今日はお散歩だから手繋ぎ」
「うん……」
手を繋いで夜の道を歩くなんてカップルみたいだ。
でも……私たちの恋は……。
『セフレとの恋とかって不毛だろ』
不毛なんだよなぁ……。
歩きながら、蓮くんは聞いてくる。
「ねぇ、柚子ちゃん。さっきの人誰?」
「さっきの人は会社の同僚だよ」
「その人と一緒にお酒飲んでたの?」
「うん、さっきまで焼き鳥屋さんで……」
そこまで言った時、蓮くんの手を握る強さが強くなった気がした。
ん……?
「そうなんだ、仲良いんだね」
気のせいか。
「蓮くんはこんなところで何してたの?」
「うん?ただの散歩だよ」
散歩……?
ここ繁華街だけどこんなところで?
蓮くんの家、近いのかな。
「今日は仕事休み?」
「うん」
「そっか、蓮くんから連絡来なかったから今日は会えないかと思ってた」
「別に僕からじゃなくて柚子ちゃんから連絡くれたっていいんだよ」
「そうなの?」
「当然じゃん」
私から連絡か……。
でも、そんなことしたら、私は毎日蓮くんに会いたいと送ってしまうかもしれない。
重たい女を蓮くんに見せつけることになるかも。
「嬉しいけど、やっぱりいいや。蓮くんから連絡来るの、待ってるくらいがちょうどいいもん」
「……そう」
もっと、もっとって欲張らないために、受け身でいるんだ。
すると蓮くんは静かに尋ねた。
「ねぇ、柚子ちゃん。明日も予定ないならこれから僕の家にこない?」
「えっ。蓮くんの家!?」
「うん。明日も僕休みなんだ。柚子ちゃんが嫌じゃなかったらだけど……」
嫌なんて、言うわけないよ!
「あっ、でも私……洋服とか持ってない」
「服は僕のやつ貸してあげるよ。後必要なものは今から買いに行こうか!」
「うん!」
やった!!
初めて蓮くんの家でお泊まりだ。
私と蓮くんは電車に向かった。
ここから2駅先のところで降りると、蓮くんはドラックストアーに向かう。
歯ブラシとか必要なものと、乾杯する用のお酒を買うと荷物を蓮くんが全部持ってくれた。
「ありがとう、蓮くん」
「ううん」
蓮くんのお家、どんな感じなんだろう。
楽しみだなあ。
今まで蓮くんと会うのは決まってホテルだった。
私が蓮くんの家に行くこともないし、蓮くんが私の家に行くこともない。
それがセフレの距離なのかなって思ってたんだけど、まさか家に行ける日がくるなんて……。
どうして招いてくれる気になったんだろう。
今日は約束もしていなかったし……。
「着いたよ」
そう言われ、蓮くんが止まったのは大きくそびえたつタワーマンションの前だった。
「す、すごい……っ。ここが蓮くんの家?」
「そうだよ」
蓮くん、タワーマンションに住んでたの……!?
ビックリしたけれど、冷静に考えたら当然か。
パイロットって一握りの人しかなれないっていうもんね。
すごいなあ……。
マンションの中に入っていくと、透き通るようなガラスの外壁。
エントランスホールの中は高い天井にシャンデリアが吊るされていて、大理石の床がピカピカに磨き上げられていた。
受付には当然、スーツ姿のコンシェルジュが立っている。
住んでる場所が違いすぎる……。
私が蓮くんとマッチングしたのって奇跡に近いんじゃない!?
エレベーターに乗り、蓮くんはその指で54階を押した。
「やっぱり蓮くんって別世界の人なんだなって今痛感したよ。毎日ここに帰ってるなんて信じられない」
「慣れれば普通だよ」
彼はエレベーターは降りると、家の前まで向かった。
カードキーを取り出してドアを開ける。
「どうぞ」
促されるまま中に入り、奥まで行ってみると、目の前に広がったのは大きな窓から見える絶景だった。
「うわ……すごい、キレイ」
窓の外には街の光が一面に広がっている。
「こんな景色を蓮くんはいつも見てるんだね」
蓮くんの家はリビングにはモノトーンを基調とした家具が並び、雑誌に出てくるような洗練された空間が広がっていた。
ソファは黒のレザーで、壁にはこれまた高そうなアートがかかっていた。
蓮くんって気品があって、ブランドで物を固めたりしてないから、なんとなくタワマンに住んでるイメージがなかったんだよね。
「柚子ちゃん、座って。今何か入れるね」
「ありがとう」
私はソファに腰を下ろすと、柔らかい感触が体を包み込む。
蓮くんは私に温かい飲み物を入れてくれた。
「この家、いつから住んでるの?」
「ん~ちょうど大学卒業した頃かな?」
「えっ、会社入社したばかりの頃ってまだお金とかあんまりなくない?」
「学生の頃から趣味で株をやってたんだよ。そのお陰でちょっとね。家なんかそんなに帰らないからどうしようか迷ったけど、まぁあってもいいかなと思って」
タワマンがあってもいい?
そんな言葉一生かかっても言えなさそう……。
蓮くんが私の隣に座る。
こんなにすごかったら、たくさん女の人呼んだりしてるよね?
「ここに何人の女の子が来たんだろう?」
私が冗談のつもりで言うと、彼は言った。
「誰かを家連れてきたのは柚子ちゃんが初めてだよ」
「ウソだ!そんなわけないよ」
「本当だよ。あんまり人を家に入れるのって好きじゃないから」
「じゃあどうして私は入れてくれたの?」
「柚子ちゃんは特別だから」
──ドキン。
絶対に蓮くんの冗談なのに、意識してしまいそうになる。
こんないい家があって、女の子連れてきたことないなんて嘘だもん。
騙されちゃダメ……。
そんな風に話をしていると、スマホに通知が入った。
そこに表示されたのは【佐山くん】という文字で、「家帰った?」とメッセージが書かれていた。
そういえば、家着いたら連絡してって言われてたんだった。
でも蓮くんの家に行ったなんて言ったら、きっとまた何か言われてしまうよね。
そうだ、家に帰ったことにして……。
メッセージを打とうとしていると、すっと蓮くんの手が伸びて来る。
「ダメ」
「えっ」
「僕といる時にアイツと連絡しないで」
まっすぐな視線をぶつけられて身体が熱くなる。
蓮くん……そんなこと言われたら、ヤキモチ妬いてるのかなって私なら思っちゃうよ。
そんなことないのに。
きっと蓮くんはお気に入りのオモチャを取られるのが嫌だっていうそんな感情にすぎないと思うのに……。
色んなことを考えていると、蓮くん視線がぶつかる。
「分かった?柚子ちゃん」
「うん……」
彼の目を見たら頷くことしか出来なくて。
「……あっ、」
目と目があってキスをして……。
「んっ、ぅ……」
そこからは、もうドロドロに愛されるしかなかった──。
──…………。
行為を終えて、私がお風呂に入ると蓮くんは私の髪を乾かしてくれた。
「風、熱くない?」
「うん、大丈夫だよ」
温かい風が髪に当たり、ふわりと広がる。
彼はドライヤーを動かしながら、時々手ぐしで髪をとかしてくれる。
気持ちいいな……。
「蓮くんに甘やかされてる」
「まだまだたくさん甘やかしてあげるよ」
「えっ」
カチっとスイッチを切る音が聞こえたと思ったら、蓮くんは座っている私のことをお姫様だっこして担ぎ上げた。
「わ、きゃっ!」
私のことを軽々と持ち上げてしまう蓮くん。
蓮くんの筋肉質な身体がぴたりと触れて、またドキドキしてしまう。
蓮くんって見た目はそんなに筋肉ありそうに見えないのに、脱ぐとすごいんだよね……。
さっきの行為を思い出してしまって顔が熱くなる私。
すると蓮くんは言った。
「柚子ちゃん、エッチなこと考えてる」
「ち、ちが……っ」
「バレバレだよ」
優しく微笑むと、蓮くんは今度ベッドの上に私をゆっくりと寝かせた。
「柚子ちゃんが眠れるまで頭撫でてあげる」
なんか、こんなに幸せでいいのかなあ。
セフレの関係である蓮くんを好きになることは、不毛な恋だって言われたけれど、今こんなに幸せなら私はそれでもいいって思った。
蓮くんが隣にいてくれる。
それだけで幸せなんだもん。
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