天国の君へ別れを告げて、俺は、彼女と共に行く

タケノコタンク

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1話

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 吸い込まれそうな青空を彼は見ていた。
 正確には、青空の向こう側を見ようとしていた。
 クラスメイトに偶に、遠くを見てるよね。お前、と言われたのを思い出して、うつむいた。
(そりゃそうだ。天国を見ようとしているんだから)
 あの空の向こうには天国はない。彼は、そのことを知っているし、それは、全世界、全宇宙での常識だった。
(人の生活圏が様々な星系に芽吹いて既に1万年か)
 それでも、まだ天国と地獄の概念が人々に浸透していることは不思議だった。
(人は、死んだら、星になるとも言うけど)
 全ては迷信で古代からの妄想である。
(死んだら、本当に天国やあの星の世界へ行けるのだろうか? いや、どうせ俺は、)
 行けやしない。なぜなら―――
 携帯端末がなった。彼は、学生であり、サボタージュを良しとしない人間がいるのだ。
「はい。こちらマーシャル」
『……こちらマーシャルじゃない! もう午後の授業始まるんだから! 早く戻ってこーい!』
「委員長は忙しいねぇ」
『誰のせいだと思って!?』
「教官のせいではなくて? つまんない授業するから」
『義務に面白いもくそもあるかー!』
(義務だからこそ、規律を守らせる為の柔らかさが必要だと思うんだけどなぁ)
 それは、名君にしか出来ない戦略だろう。
 少なくとも今、アルトリウス・マーシャルが立っている惑星は共和国に所属しているので、名君などは誕生のしようがないのである。
 アルトリウスは、ゆっくりと立ち上がり
「ふあーーーー!」
 あくびをしてから、校舎の屋上を後にした。

 講義室に入ると、教官が教科書を丸めて振りかぶってくる。
(俺って馬鹿だなぁ。なぁんで前の扉からはいるかなぁ)
 教官の振り下ろしは音速に届くかという速度だ。
 これは、比喩ではない。アルトリウスも教官もその速度域で動ける超人、ソルジャーズなのだ。
「あらよっと」
 アルトリウスは、教官の懐に振り下ろしよりも速く潜り込む。
「ばあ!」
「うわ」
 教官が倒れる。
「教官、太りすぎですよ。動きにキレがない」
 アルトリウスは、教官を見下しながら笑っていた。
(あ……)
 脳内麻薬が切れてから、他の生徒たちの視線や、陰口に気がつくのだった。
「なんなのアイツ。遅刻はするし、教官に反撃なんて」
「クラスCだからって調子に乗りすぎよ」
「でも教官ってクラスB以上のはずじゃ……」
 こんな調子で、アルトリウスは、教室から、教導院から浮いた存在だった。
 彼ら彼女らが口にしたクラス、というのは超人、ソルジャーズの能力を10段階評価したもの。
 学生としてのアルトリウスは、ともかく、超人としてのアルトリウスは、区分の上から3つ目、高評価なのだ。
 この教育機関は第3教導院といって彼らソルジャーズだけの教育機関だった。
「マーシャル!」
 怒鳴りつけたのは教官ではない。この教室の生徒の代表。ソルジャーズ能力はBランクでアルトリウスを正面から叱れる数少ない人間だった。
「あっはは! 皆雰囲気悪すぎ!」
 アルトリウスは、自暴自棄気味に講義室の端っこに座った。
(クラスCか……)
 彼は、その評価を客観的には妥当と思いながら、主観的には、満足していなかった。
(昔はAランクだったのにさ……)
 クラスは年齢に合わせて評価基準が上がる。成長に合わせて、ソルジャーズ能力は強くなっていく。彼の能力は10歳の頃から伸び悩んでいる。
(コンプレックス……)
 早熟の秀才はよくあることだと嚙み潰している自分とまだ、もっと、やれるはずと抗議している自分がいた。
 教官を揶揄うような態度は、その葛藤を他人にぶつけた結果だった。
(さっきだって、大人のクラスBを倒しているのに)
 もしも、先程の一瞬の攻防が実戦だったのなら、どちらが死んでいたかは想像に難くない。
(だから、俺には、クラスB以上の力がある。……はずなんだ)
 結局、座っても、授業など聞かずに身体を丸めて眠ってしまうのだった。

 試合形式の訓練。一応刃を殺した武器で行う。
(本気で振るったのがまともに当たったら刃を殺してる意味なんてないのに)
 好きに2人組を作れと言われ、アルトリウスと組む生徒はいなかった。
 一応、委員長が組もうとしたのだが。
「やめときなよ」
 という、同級生の言葉で彼女は引き下がってしまった。
 だから、アルトリウスが組まされたのは
「よろしく!」
「げ」
 アルトリウスと同じはみ出しものだった。
 夕日のような茜色の髪。女性としてはそれなりの身長にメリハリの付いたプロポーション。二重まぶたが顔の小ささを際立たせる。
 見た目だけなら、美少女なのだが。
「クラスⅠ……」
 10段階評価の下から2番目。弱すぎて浮いているのが彼女だった。
「あのーきょーかーん」
「なんだ? マーシャル」
「俺、本当にあの子とやるんですか?」
 勝敗は、だれの目にも明らか。
「俺の授業を聞かない罰だ」
「えー」
(うっかり殺しちゃったらどうしよ……)
 クラスCとクラスⅠの力の差は歩き始めた子供と大人程度。
 教練でソルジャーズが死んでしまうのは許容されていることだが、アルトリウスには、美少女を殺すことが心苦しかった。
「ベルタ・クロイツァー……」
「おう!」
(なんでそんなに元気一杯なんですかね)
「やろうか……」
「うん!」
 ベルタはそう言うと直進してきた。
(構えから、力量差もわからないのか……)
 常人からすればベルタの突撃は恐ろしいものだが、アルトリウスからすれば。
(遅い……それに)
「隙だらけだ」
 アルトリウスは、ベルタの直剣を無刀取りした。
「な!?」
「武器を取られた程度で驚くなよ」
 アルトリウスは、彼女にデコピンした。
「つぅ~」
「痛みで一々止まらない」
 首に指を当てる。
「ま、まだ」
「はいはい」
 アルトリウスは、剣を返してまた試合を始める。
「アルトリウスは、剣を使わないの?」
「使ってほしい?」
 今の攻防で、そう思うの? 間合いが数倍になるのに?
「……お願い!」
(勇気があるなー)
「でぇや!」
 掛け声の勢いはいいが。
「はぁ」
 交錯する。
「つう~」
 彼女の一太刀の間に俺は、四つ打ち込んだ。
 すべて、肌を叩く程度に力を抑えて
「骨には響いていないはずだ。ビンタ程度の痛みだけど」
(手加減の練習なんかさせて何がしたいんだよ。あのデブ)
 アルトリウスは、教官の悪態を心中で呟いた。
 不毛な時間が流れていく。
「それまで!」
 教官の合図だった。
「アルトリウス、ありがとう」
「はぁ」
 了解という意味で。
 ベルタはその場で倒れ込んだ。
「はぁ! はぁ! はぁ!」
 アルトリウスの方は、子供のチャンバラごっこに付き合わされた気分だった。
 アルトリウスは立ち去ろうとした。
「うぅ……」
 ベルタが汗まみれの腕で涙を拭うのを横目にしつつ、他の生徒たちを見た。
 普通は、力量近いもの同士で行うもので、談笑している。
(つまんねえ……)

 帰ろう。そう思って、靴を履き替えていると、誰かのすすり泣く声がした。
 こちらに歩いてくる。
 アルトリウスはソルジャーズの力を使って、一瞬で校舎を抜け出して屋根に隠れる。
(あれは……)
 暫くして、泣きながら、履き替えて出てきたあの赤髪の子は
「ベルタ・クロイツァー……」
 自然と口に出していた。まずい、感づかれたと考え少し汗がにじんだが、彼女は、自分の世界に没頭しているようだった。
 そのまま気配を消していると、端正な顔立ちを歪めたまま彼女が通り過ぎていった。
 何か、カバンとは別に長手のものを持っていた。
(訓練用の直剣?)
 大凡、何をするかは予想がついている。
 ただ、泣きながら、というのが気に食わなかった。
(俺が何をしたっていうんだ? なら、本気になって切り捨てておけばよかったのかよ!)
 苛立った後をつける。

 ソルジャーズの為の教導院の校舎は雑木林で区切られた芝のフィールドに囲われている。
 先の試合のように、ここはソルジャーズの戦闘力を鍛える場所であり、時には音速を超えて駆ける彼らには広い土地が必要なのだ。
(予算の都合もあるんだろうが、仮想の戦闘フィールドが、平地と樹林だけというのはどうなんだ?)
 戦場に出れば、様々な場所で白兵戦を演じなければならない。
 アルトリウスには、この場所は戦場の想定としては綺麗すぎるように感じた。
(こんなに整えられた戦場しか知らない俺たちが、将来、役に立つのかねぇ?)
 大人たちからすれば、まだ自分たちは、例えば採掘資源衛星など、荒れた土地に順応するのは早いという判断なのだろう。
(初めから、そういう本物の戦場を想定して鍛えるのと、普遍的な基礎を固めてから本物の戦場に慣れるのはどちらがいいのだろうか?)
 アルトリウスは前者の方がいいと考えていた。本能的な動きには付け焼き刃の行動は敵わないと直感していたからだ。
 雑木林に隠れて、ベルタを観察しながら、そんな思考を巡らせていた。
 ベルタは基礎能力が特段、下から2番目のクラスⅠをつけられるほど劣っているとは思えない。アルトリウスの見立てでは、彼女の膂力は確かに平均を下回るが偏差値45といったところだった、
(無茶苦茶だ)
 ベルタの戦術は、基礎がなかった。普通、15歳までは、自分の産まれた星で一般の学生に紛れ、その生活の合間に鍛錬を積んで入学するものだ。
 アルトリウスだって、中等教育までは普通の学校に通い、ソルジャーズの開いた私塾に通っていた。
 ベルタの剣技にはその基礎が欠けていた。
(育児放棄? その割には行動の端々に気品を感じるけど)
 ソルジャーズを育児放棄する家庭など、基本的に有り得ない。ソルジャーズの子供が産まれた家庭には政府から莫大な報奨金が支払われるからだ。
(気品……放棄……ソルジャーズ)
「くっ!」
 ベルタの棒振りが止まった。そして、うずくまる。
「お父様、お母様……。申し訳ありません! ベルタは! ベルタはぁ!」
 そして、アルトリウスは彼女の剣に基礎がない理由を悟った。

 その理由を察して、アルトリウスは離れようとした。
 しかし、彼の身体は逆の行動を採る。
(くそ。俺は、こういう悲劇的な背景をにじませる奴が嫌いなのに)
 嫌悪しているのに、近づいてしまった。
「誰!?」
 泣き顔のまま振り向く彼女を反射的に取り押さえてしまった。自分の中に、彼女を投影してしまった。
(嫌い嫌い嫌い!)
 そのまま、首をへし折ってしまいたかった。
 けれど
(駄目だ!)
 アルトリウスは自分の頬を殴りつけた。こんな行動をとってしまう自分がもっと嫌いだった。
「甘えんな!」
 それは、自分に向けた言葉でもあった。
「悲観するのは! 正しい努力をしてからにしろぉ!」
 頭の中が憎悪で溢れていた。
「憎い! 憎い! 憎い!」
 容易に想像できる背景のベルタが憎かった。
 太古の英雄にあやかった名前なのに、全く望み通りに振舞えていない自分が憎かった。
 頭痛がした。
 頑張っている人間を見たくなかった。
「あ、アルトリウス?」
「俺をそんな名前で呼ぶんじゃない!」
「じゃあアル? アーサー?」
「その名前はもっと嫌だ! 俺は、英雄なんかじゃないのに!」

 ベルタ・クロイツァーからすれば突然のことだった。
「誰!?」
 陰から現れた何者かが、自分を一瞬で押し倒す。
(何? 誰? 何故私を!? どうするつもり!?)
 片腕で両腕を拘束され、馬乗りになられた。
 残った方の掌が、自分の首を絞めようと迫ってくる。
「ひ」
 折角、ソルジャーズの1人に産まれたのに、何もできず、ただ、表情として悲鳴をあげようとしていた自分が情けなかった。
(誰か! 誰か助けて……)
 迫る。中指がベルタの首に触れた。
 必死に抵抗した。けれど、力の差は大人と子供のようにある。
 ベルタは突然訪れた死の運命を受け入れようとしていた。
 目を閉じたとき、打撃する音が聞こえた。
 自分を拘束した男が、自分の頬を殴ったのだ。男の頬から滲んだ血が、自分の頬を濡らした。
(アルトリウス?)
 正体は今日自分と試合した男子生徒だった。
「甘えんな!」
(ずっと、見てた? 私が泣き言を言ったから?)
「悲観するのは! 正しい努力をしてからにしろぉ!」
 唾と涙が、自分の頬を暖める。
(私の努力は正しくない?)
 自覚があった。
 クロイツァー家はソルジャーズの生まれやすい家系、ソルジャーズ社会で名家と呼ばれる家庭だ。そのクロイツァー家に産まれたのに、ベルタには平均以下の才能しかなかった。
 ソルジャーズには膂力、長い寿命等々の他に普通の人間にはない異能がある。その異能も彼女のものは弱いもので。
「憎い! 憎い! 憎い!」
 しかし、その異能がアルトリウスへの同情を生んだ。
 彼女の異能は他者の心を読み、自分の心を伝播するものだった。それも、至近の。
 故に、彼女はアルトリウスの憎しみがアルトリウス自身に向けられたものだと理解していた。
 だから、
「あ、アルトリウス?」
 彼女は冷静になって話そうとした。
「俺をそんな名前で呼ぶんじゃない!」
 ならば、どう呼んだら、冷静になってくれる?
「じゃあアル? アーサー?」
「その名前はもっと嫌だ! 俺は、英雄なんかじゃないのに!」
(英雄じゃない? 貴方は、クラスCの力を持つソルジャーズ……。十分に未来の英雄になれる力を持つのに)
 十段階のクラス評価。その分布は正規分布であり、彼の力は上位10パーセント以内に入ることを示す。
「じゃあ、アルちゃん」
「……は?」
「アルちゃんなら、英雄らしくないでしょ?」

(は? アルちゃん?)
 あまりの阿保らしさに理性が戻ってきた。
「わかるよ。アルちゃん」
(何が?)
「貴方が憎んでいるのは自分自身だってこと」
「じゃあ……。その憎しみの根源はわかる?」
 アルトリウスの思考は幼児退行していた。
「……わかる。貴方は妹さんを……。これ以上は言わない方がいいよね」
(言わないでくれて、ありがとう……)
 急に眠くなった。
 アルトリウスは、脱力し、彼女に覆い被さる形で眠ってしまう。

 夜空だった。
(あの星のどれかに……あの子は……)
 アルトリウスが目覚めて初めに思ったのはまた、迷信だった。
(ここ、土の匂い)
 上を向くと雑木林が見えた。
(あの後、俺……。帰ろうとして)
 瞬きをした。自分が少女の首を絞めようとしている光景が浮かんだ。
「ああああああああ!?」
 飛び起きようとした。
「うるさい……」
 少女の声がした。腹の上に暖かさがあった。視線を落とすと赤い糸の束が見えた。
「ベルタ、クロイツァー……」
 ようやく頭がすっきりしてきた。
「そう。君が殺そうとした女の子」
 ベルタの指が殴った方の頬に触れた。
「痛いの痛いの飛んでけー」
「は?」

「お前……、そんな性格だったんだな」
 俺たちは、夜空の下、絡み合ったまま状況を整理していた。
「別に、ただ、貴方をからかってみたいと思っただけ」
「もっと遊びのない性格だと思ってた」
 普段の彼女は、弱すぎる実力故に孤立していて、気品があるから何処か孤高だった。
 それでも今日、教練で話してみて、意外と明るい性格だと知った。
 そして、何かしらの事情を抱えていて放課後、剣を振るうひたむきさがあることを知った。
(何から話そう)
 殺そうとしてごめん? 後をつけてごめん?
{取り敢えず}
「なぁ」
「何?」
「今も、俺の心が読めるのか?」
「……うん」
(そっかぁ)
「俺は、君のひたむきさが憎かった」
「まっすぐに前を、未来を見れないから?」
「……あぁ。俺は、あの日」
「ストップ。言わなくてもわかるから。言わなくていい」
 アルトリウスは、さっきまでは、たまらなく憎かった彼女を抱きしめたいと思った。
「いいよ」
 促されるまま力を込めると、涙が出てきた。
「ずっと、理解されたかった」
「……わかるよ」
「あんなことがあって、世界が下らなく見えて、ソルジャーズとして未来に希望を持っている皆が許せなかった」
「それも、わかるよ」
「ごめん。俺、もうちょっとで、俺を理解してくれる君を殺しちゃうところだった」
「うん。許すよ」
(どうして、どうして俺を許すんだ!)
「私も世界で一番自分が不幸だと思ってたから。でも、君ほどじゃない。……だから」
「不幸に、一番も糞も」
「噓つき」
 それで、彼女が自分の心の何処まで触れたのか。理解した。
「なぁ」
「何?」
「結婚を前提に付き合ってくんない?」
「ぷ」
 笑われてしまった。
「殺そうとしといて言う台詞じゃない!」
「そりゃあそうだ」
「でもOKよ」
「え?、本当に」
「代わりに私に剣を教えて」
「OKだ」
「よろしくね。アルちゃん」
 アルトリウスは、気恥ずかしさと共に、理解の証だと、そのあだ名を嚙み締めた。
 少し間をおいて、2人は、初めてのキスを交わした。
「結婚を前提に付き合ってくんない?」
 その言葉を前に、ベルタは笑いがこらえられなかった。
「殺そうとしといて言う台詞じゃない!」
 それでも、彼が自分を殺したいと思ってしまった理由に納得してしまったから
「そりゃあそうだ」
 こんな、価値のない自分に本気の好意をぶつけてくれたことが嬉しかったから
「でもOKよ」
 殺そうしてきた彼を好きになってしまった。
 吊り橋効果のようなものかもしれない。けれど
(こんなに人の心ってコロコロ変わるんだ)
 殺意から仰天。仰天から安堵。安堵から悲しみ。悲しみから好意。その裏には深い絶望があって。
 そんな風に、ダイナミックに動く彼の心に触れて、きっと彼は、壊れているのだろうけれど面白いと思った。
 自分が悪魔になった気分で、家のしがらみなどが取り払われた気がして一緒にいたいと自分も思った。
「え?、本当に」
 今度は疑問の感情だ。
 他人の心を読もうとすると、いつも、嫌がられていた。
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 しかし、彼は、心に触れられることに安堵していた。
「OKだ」
 だから、他人の心に触れたい自分と、他人に究極の理解を得たい彼はすぐに結びついた。
「よろしくね。アルちゃん」
 初めて好きになった人に、自分しか呼べない呼び名があることが嬉しかった。
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