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第11話 警戒の嵐
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早朝の淡い光が執務室の窓を照らしていた。
リューはまるで金縛りにでもあったかのように直立不動の状態で立っている内務長官と広報宣伝部長、そのほか部内の各チームリーダーを見つめた。
彼らの表情はどこか不安げで、気まずく緊張した空気が室内を包んでいる。
「よく聞きなさい」
リューは静かに口を開くが、その目は鋭く光っていた。
「また、プーアがセンドゥに投稿されていました。お前たちの広報宣伝部の活動は徹底しているとは到底思えませんね~」
スマホを手に取ると、画面を示しながら続ける。
「これを見なさい」
画面には、トーワ帝国の虎のキャラクターで、「しまたろう」の画像が表示されていた。
「プーア」と「しまたろう」は同じ虎をモチーフにしているが、外見などはかなり異なっており、「しまたろう」は丸々と太っており、上半身は裸で半ズボンを履いている。
広報宣伝部長は困惑した顔でリューを見返した。
「これは……プーアではありません、閣下。明らかにトーワ帝国の「しまたろう」です。」
リューはスマホの画面をじっと見つめ、口を固く結んだ。
なんとも気まずい雰囲気が流れる。
いや、おかしい。確かにリューには「プーア」が見えていた。
これは、西欧の御伽噺に出てくる王様のように、自分をだまそうと広報宣伝部の誰かが画像をすり替えたのではないか…….。
だとしたら広報宣伝部には敵対勢力への内通者がいるかもしれない……。
「プーア」も葬り、根こそぎ疑わしい者たちを排除するにはどうするべきか………。
自分勝手な思考を繰り返していると、彼にとっての妙案―第三者からみれば滑稽とも言える―が浮かんだ。
「ふふふ…。失礼しました。
プーアに似ているものがあるからプーアと見間違えてしまったんですね…。
でしたら……。「プーアに似ているもの」をすべて排除しなさい!
もし見逃しがあれば、あなた達もどうなるか…覚悟してくださいね…」
「「プーアに似ているもの」………。ですか?」
あっけにとられながら聞き返す広報宣伝部長。
「ええ、そうです。私をコケにしたプーアに似ている形から色からと、ありとあらゆる「プーアに似ているもの」を削除しろ。これは命令だ!」
常とは違うその言葉遣いに、ただならぬ苛立ちと焦燥、そして狂気が滲んでいた。
「………了解しました、閣下」
広報宣伝部長が小さく答えた。
リューはその場を離れ、次の公務先へと向かうため執務室を後にした。
部屋に残された官僚たちは互いに顔を見合わせ、緊張の糸を切らさぬよう声をひそめた。
「「プーアに似ているもの」を削除って、無茶苦茶だ。どうすればいいんだ……」
「もう、お終いだ……。俺たちがなんだってこんなことに」
「俺は、子供が生まれたばかりなんだぞ、それが……」
先ほどの命令を受け内務長官は深く思考していた。
「プーアに似ているもの」の削除などリューの主観でしかなく、リュー満足させるような対策をすることは到底無理な話だ。
しかし、実行し且つ成功しなければ待っているのは粛清しかない。
自分だけで済めばよいが、リューのこれまでの行動を考えると、自分の懇意にしている政治家、さらには愛する家族にも類が及ぶだろう。
―もしかして、リューの中ではもう――それならば……。
やがて、悲壮なそれでいて決意を固めたような表情で広報宣伝部長に向かって言った。
「すぐに首相、司法長官、商務長官、財務長官を秘密裏に会議室に招集してくれ」
広報宣伝部長は即座に執務室を飛び出すと、司法長官は広報宣伝部のリーダーたちをひきつれて会議室に向かった。
会議室に集まった閣僚達は、ひそひそ話込むと、やがて自らが信頼できる部下を集めて慌ただしくもひっそりと行動を開始した。
リューはまるで金縛りにでもあったかのように直立不動の状態で立っている内務長官と広報宣伝部長、そのほか部内の各チームリーダーを見つめた。
彼らの表情はどこか不安げで、気まずく緊張した空気が室内を包んでいる。
「よく聞きなさい」
リューは静かに口を開くが、その目は鋭く光っていた。
「また、プーアがセンドゥに投稿されていました。お前たちの広報宣伝部の活動は徹底しているとは到底思えませんね~」
スマホを手に取ると、画面を示しながら続ける。
「これを見なさい」
画面には、トーワ帝国の虎のキャラクターで、「しまたろう」の画像が表示されていた。
「プーア」と「しまたろう」は同じ虎をモチーフにしているが、外見などはかなり異なっており、「しまたろう」は丸々と太っており、上半身は裸で半ズボンを履いている。
広報宣伝部長は困惑した顔でリューを見返した。
「これは……プーアではありません、閣下。明らかにトーワ帝国の「しまたろう」です。」
リューはスマホの画面をじっと見つめ、口を固く結んだ。
なんとも気まずい雰囲気が流れる。
いや、おかしい。確かにリューには「プーア」が見えていた。
これは、西欧の御伽噺に出てくる王様のように、自分をだまそうと広報宣伝部の誰かが画像をすり替えたのではないか…….。
だとしたら広報宣伝部には敵対勢力への内通者がいるかもしれない……。
「プーア」も葬り、根こそぎ疑わしい者たちを排除するにはどうするべきか………。
自分勝手な思考を繰り返していると、彼にとっての妙案―第三者からみれば滑稽とも言える―が浮かんだ。
「ふふふ…。失礼しました。
プーアに似ているものがあるからプーアと見間違えてしまったんですね…。
でしたら……。「プーアに似ているもの」をすべて排除しなさい!
もし見逃しがあれば、あなた達もどうなるか…覚悟してくださいね…」
「「プーアに似ているもの」………。ですか?」
あっけにとられながら聞き返す広報宣伝部長。
「ええ、そうです。私をコケにしたプーアに似ている形から色からと、ありとあらゆる「プーアに似ているもの」を削除しろ。これは命令だ!」
常とは違うその言葉遣いに、ただならぬ苛立ちと焦燥、そして狂気が滲んでいた。
「………了解しました、閣下」
広報宣伝部長が小さく答えた。
リューはその場を離れ、次の公務先へと向かうため執務室を後にした。
部屋に残された官僚たちは互いに顔を見合わせ、緊張の糸を切らさぬよう声をひそめた。
「「プーアに似ているもの」を削除って、無茶苦茶だ。どうすればいいんだ……」
「もう、お終いだ……。俺たちがなんだってこんなことに」
「俺は、子供が生まれたばかりなんだぞ、それが……」
先ほどの命令を受け内務長官は深く思考していた。
「プーアに似ているもの」の削除などリューの主観でしかなく、リュー満足させるような対策をすることは到底無理な話だ。
しかし、実行し且つ成功しなければ待っているのは粛清しかない。
自分だけで済めばよいが、リューのこれまでの行動を考えると、自分の懇意にしている政治家、さらには愛する家族にも類が及ぶだろう。
―もしかして、リューの中ではもう――それならば……。
やがて、悲壮なそれでいて決意を固めたような表情で広報宣伝部長に向かって言った。
「すぐに首相、司法長官、商務長官、財務長官を秘密裏に会議室に招集してくれ」
広報宣伝部長は即座に執務室を飛び出すと、司法長官は広報宣伝部のリーダーたちをひきつれて会議室に向かった。
会議室に集まった閣僚達は、ひそひそ話込むと、やがて自らが信頼できる部下を集めて慌ただしくもひっそりと行動を開始した。
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