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120話 八方塞がり
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アリシアさんがクレイジーサイコレズと化している。
その目からは黒いモヤのようなものが出ており、それが私にも流れ込んでくるような気がした。
「やめて……離して……!」
私はアリシアさんを引き剥がそうとする。
だが、彼女はびくともしない。
力の差がありすぎるのだ。
アリシアさん、こんなに力が強かったっけ?
「大丈夫ですよ、イザベラ様。怖がることはありません。痛いことはしませんから」
「嫌よ! 離して!!」
「暴れると怪我をしてしまいますよ? 大人しくしてください」
「い、いや……」
私は抵抗むなしく、地面に押し倒され、組み伏せられてしまう。
「さあ、わたしと一緒に気持ちよくなりましょう?」
アリシアさんが私の服に手を伸ばす。
これはマズイ。
「誰か助けてっ! エドワード殿下! カイン! オスカー様! お願いだから助けに来てよおおおっ!!!」
私は大声で叫んだ。
しかし、誰も来なかった。
どうして!?
『ドララ』で、悪役令嬢のイザベラがヒロインに襲われるイベントなんて無かったはずなのに。
「助けを呼んでも無駄ですよ。ほら」
アリシアさんが指差す方向を見る。
そこでは、フレッドを抑えている三人の姿があった。
彼らの体には黒いモヤが纏わりついており、いかにも体に悪影響がありそうだ。
「イザベラ! 今いくぞ!! ――ぐむっ!?」
「うぅっ!!」
「がっ!!」
エドワード殿下、カイン、オスカーの三人が膝をつく。
フレッドから漏れ出る闇の瘴気による汚染が、限界を超えたのかもしれない。
「邪魔をしないでください。僕とイザベラさんは、これから一つになるのですから」
フレッドは口の端を吊り上げる。
彼は倒れ伏した三人を一顧だにせず、ゆっくりと歩いてきた。
私は恐怖に震える。
「フレッド? 落ち着きなさい。それにアリシアさんも……」
どうしてこうなった?
八方塞がりじゃないか。
フレッドは闇の瘴気に侵され暴走中。
アリシアさんも、明らかに言動がおかしい。
頼みの綱のエドワード殿下、カイン、オスカーも、闇の瘴気に侵されて倒れてしまっている。
もはや、誰からの助けも期待できないだろう。
「さあ、イザベラさん。僕と愛を確かめ合いましょう?」
「ひっ!」
フレッドが近づいてくる。
どうしよう。
怖い。
このままだと、本当にまずいことになる。
「お待ちなさい。イザベラ様は、わたしと一つになるのです」
フレッドに対抗するかのように、アリシアさんがそう言う。
私にとって、どちらが勝っても困る。
何とか打開策を練らないと――
その目からは黒いモヤのようなものが出ており、それが私にも流れ込んでくるような気がした。
「やめて……離して……!」
私はアリシアさんを引き剥がそうとする。
だが、彼女はびくともしない。
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アリシアさん、こんなに力が強かったっけ?
「大丈夫ですよ、イザベラ様。怖がることはありません。痛いことはしませんから」
「嫌よ! 離して!!」
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彼らの体には黒いモヤが纏わりついており、いかにも体に悪影響がありそうだ。
「イザベラ! 今いくぞ!! ――ぐむっ!?」
「うぅっ!!」
「がっ!!」
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フレッドから漏れ出る闇の瘴気による汚染が、限界を超えたのかもしれない。
「邪魔をしないでください。僕とイザベラさんは、これから一つになるのですから」
フレッドは口の端を吊り上げる。
彼は倒れ伏した三人を一顧だにせず、ゆっくりと歩いてきた。
私は恐怖に震える。
「フレッド? 落ち着きなさい。それにアリシアさんも……」
どうしてこうなった?
八方塞がりじゃないか。
フレッドは闇の瘴気に侵され暴走中。
アリシアさんも、明らかに言動がおかしい。
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もはや、誰からの助けも期待できないだろう。
「さあ、イザベラさん。僕と愛を確かめ合いましょう?」
「ひっ!」
フレッドが近づいてくる。
どうしよう。
怖い。
このままだと、本当にまずいことになる。
「お待ちなさい。イザベラ様は、わたしと一つになるのです」
フレッドに対抗するかのように、アリシアさんがそう言う。
私にとって、どちらが勝っても困る。
何とか打開策を練らないと――
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